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「給料や待遇に不満がある」「本当にやりたい仕事ではない」。高卒社会人の子供がそう言い出したら、親としてどのように対応すべきでしょうか。「3年未満での転職は経歴にキズがつくのでは?」「高卒社会人は条件の良い会社に転職できるのか?」などと考え、転職を思いとどまらせようとする人もいるかもしれません。
しかし、高卒社会人の転職は、本当に難しいのでしょうか。今回は、高卒社会人の転職について取り上げます。高卒社会人の転職実情から転職を成功させるために知っておくべきことをまとめましたので、参考にしてください。
もくじ
高卒社会人の転職は難しい?
一般的に高卒社会人の転職は難しいとされています。ここでは、高卒社会人の転職が難しい理由と転職実情について詳しく解説します。
求人数から考えると高卒社会人の転職は不利
転職の際に利用する転職・求人誌やサイトには、たくさんの求人がありますが、「短大・専門卒以上」「大卒以上」を応募条件に掲げている企業は少なくありません。数ある求人の中で、高卒社会人が応募できるのは、「高卒以上」「学歴不問」の限られた求人です。
大手転職・求人サイトの公開求人数を見てみましょう。
転職・求人サイト名 | 公開求人数 | 公開求人のうち、学歴不問の求人 |
doda | 7万1,130件 | 2万7,410件 |
マイナビ転職 | 1万1,023件 | 6,878件 |
リクナビNEXT | 2万7,579件 | 1,951件 |
エン転職 | 4,847件 | 2,291件 |
※数値はすべて2019年8月20日時点
(トップページ|doda,トップページ|マイナビ転職,トップページ|リクナビNEXT,トップページ|エン転職 より筆者作成)
学歴不問の求人は、公開求人のうち、半数から数分の1と少ないのが実情です。このことから、企業は中途採用する際に高卒者よりも大卒者を優先することが分かるでしょう。
高卒社会人が転職可能な業界とは?
高卒社会人は、大卒者と比較すると応募できる業種に制限があります。大手企業や商社、マスコミ・メディア業界は、大卒以上の学歴でなければ応募ができないケースがほとんどです。
それでは、高卒社会人が転職可能なのは、どの業界なのでしょうか。学歴別の採用枠がある公務員や、実力主義が強い業界は、高卒社会人にとって転職しやすいといえるでしょう。そのほかの業界については、一例を挙げますので参考にしてください。
高卒社会人が転職可能な業界一例
- 製造業
- 販売業(食品・アパレル・保険・自動車)
- 飲食業
- IT業
高卒と大卒で給料や待遇面で差が出る?
新卒・転職にかかわらず、どの業界でも給料は学歴で異なると考えていいでしょう。学歴不問の求人以外は、学歴別の給料が明示されているケースが多く見られます。
厚労省が発表している学歴別の賃金は以下の通りです。
年齢 | 賃金(学歴別) | ||
大学・大学院卒 | 高専・短大卒 | 高校卒 | |
20~24歳 | 230万円 | 207万5千円 | 201万5千円 |
25~29歳 | 263万8千円 | 236万2千円 | 227万9千円 |
(平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況pdf|厚労省より筆者作成)
一方、福利厚生などの待遇面は、学歴で差をつける企業はほとんどありません。転職先の企業の方針にもよりますが、転職者の待遇は前職の給料や本人のスキルを基本にして決めるようです。スキルのない大卒者より、スキルがある高卒者の方が好待遇というケースもあるでしょう。
早めの転職活動が吉となることも!
高卒社会人で転職を希望する場合は、早めに行動するといいでしょう。なぜなら、高卒社会人にとって武器となる「若さ」と「社会人経験」は、年齢が上がるごとに効力を失ってしまうからです。同年代の大卒社会人と比較した場合の高卒社会人の武器は次の3つです。
- 大卒社会人よりも社会人歴が長い
- 高卒後に継続して仕事をしている実績がある
- マナーや基本的なビジネススキルを身についている
中途採用者に「即戦力」を求める企業は多く、そのため「知識よりも実務優先」「経験者希望」として、学歴よりも本人の資質やスキルを重視するケースもあります。