就職ニーズ高し!林業大学校とは?入学やカリキュラムなども説明 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

林業大学校にかかる費用

学校選びをする上で気になるのが、やはり学費など費用面のことでしょう。この章では、林業大学校の1年ないしは2年の間に負担する学費について、ご紹介します。

林業大学校の授業料などの学費に関連した内容については、以下のとおりです。授業料よりも実習系などの費用が高くなっているのが特徴です。

林業大学校名 修得年数 年間授業料 その他費用

(教科書・実習着など)

兵庫県立森林大学校 2年 118,800円(税抜) 2年間で約60~80万円程度
京都府立林業大学校 2年 118,800円(税抜) 2年間で約150,000円程度
高知県立林業大学校 1年 118,800円(税抜) 年額 約200,000円程度

森林大学校の紹介|兵庫県入試情報 京都府立林業大学校|京都府研修生募集|高知県立林業大学校より筆者作成)

林業大学校の主な教育カリキュラム

林業大学校では、実習の立地上、森林に囲まれた自然の中で授業を受けられるのが特長です。実際の教育カリキュラムは、主にどのようなことをやるのでしょうか。

この章では、主なカリキュラムについてご紹介します。

林業基礎

森林や林業に関する基礎知識を学びます。授業の中では、森林に関する法律や森林の役割を学ぶだけでなく、業務に必要な単位のこと・計算方法・地図の判読などもマスターしていきます。基礎を知っておかないと次のステップに入れないので、この基礎の授業で知識を深めていきます。

森林経営

森林組合や林業事業体の経営について学ぶとともに、自分たちで森林の経営計画の作成をするといったワークショップの要素がある授業にもチャレンジします。ほかにも、木材の価格や流通システムについて理解を深め、森林を守る仕事に就くときに必要な知識を築き上げます。

調査測量

林業の仕事は、測量する機会もよくあるため、ポケットコンパスや測量ポールなどの測量ノウハウを修得します。加えて、森林所有権に関連した境界管理や樹木管理といった法的要素の内容についても理解を深めます。さらに、GPSやGISに関する基礎知識と技術もマスターします。

造林育林

林木を末永く良いコンディションで維持できる方法について学びます。造林だけでなく、下刈りや間伐の必要性も授業内容に盛り込まれています。実習は刈込みの機械を使って本格的に行われます。

安全衛生

林業は、チェーンソーやショベルカーなどの専用の機械を使うため、ほかの業種よりも危険が多く潜むのは言うまでもありません。そのため、学生たちが安全に仕事をこなせるようサポートします。ほかにも実習のカテゴリーとして、ドローンの操作が入る場合もあります。

就業体験

森林組合や木材業者のインターンとして就業体験ができます。現場にいるプロの方から技術を教えてもらうだけでなく、社会人としてのマナーや話し方も一緒に学んでいきます。

参考
平成29年度研修カリキュラム Syllabus2017|岩手県

林業大学校で取得できる主な技術

林業では、さまざまな機材や車両に触れます。そのため、林業大学校では、実習の時間に玉掛けや刈払機の取り扱いなど複数の技術をマスターしていきます。ほかにも、実習中にフォークリフトや小型移動式クレーン車などの運転免許を取得可能です。

参考
基礎課程|高知県立林業大学校

林業大学校の就職事情

林業の仕事は、今も昔もハードな職業であることに変わりありません。とはいえ、近年、林業従事者の高齢化・国産木材の自給率の上昇・地方創生の活性化などもあり、林業の仕事のニーズが上がっています。ほかにも国自体が「緑の雇用」という、これからの森林事業の担い手を育てる事業を展開しているということもあり、林業大学校の学生の就職をバックアップしています。

その影響もあってか、林業大学校の就職率はほぼ100%に近い数値です。また、林業大学校の卒業生の就職先は、林業関連会社や木材加工会社だけでなく、森林組合などもあります。

また、2年間の林業大学校であれば、編入試験に合格できたら、4年制大学へ編入することも可能です。

まとめ

林業大学校は、日本の森林や自然環境を守る人材を養成する教育機関であり、農林水産省林野庁が管轄しています。在学期間は、学校によって違いがありますが、1年ないしは2年です。その間に、森林や自然への理解、林業に関連する多数の資格や技術を修得していきます。

また、林業大学校の入学は、試験方式と科目、実施の日程に関して、各学校によって違いあるので抜け漏れのないようチェックが必要です。

林業に携わる人たちの高齢化や国産木材の供給率の上昇などもあり、林業人材のニーズが高くなっています。今後、林業大学校の学生が修得した知識とスキルが、国や地域にどのような影響をもたらすかなども注目していきましょう。

参考
第1部 第I章 第3節 新たな技術導入のための条件整備(2)|林野庁
林業大学校で学ぼう|林野庁
林業大学校短期課程研修日程(自伐・従事者向け)|高知県林業労働力確保支援センター
林業、実は若手の就業が増えている (2ページ目)|日経ビジネス電子版
「緑の雇用」とは?|新たな森林・林業の担い手を応援!『緑の雇用』ウェブサイト RINGYOU.NET

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オダルミコ

都内在住のライター。子育て・教育・ライフスタイル・働き方を中心に心をこめて執筆をしています。ライティングを通して、知識が増え、視野が広がることに生きがいを感じています。プライベートではティーンエイジャーの娘と息子の母です。