小論文の上手な勉強法とは?
小論文はほかの教科と違い、覚えるだけ、問題を解くだけといった方法では攻略できない科目です。小論文を効率的に勉強するには、5つのポイントがあります。
語彙力・文章力を高める
小論文を書く上で最も重要なことは、正しい日本語の知識をどれだけ持っているのかということです。語彙力や文章力は採点の基準にもなるポイント。どんなに立派な内容でも言葉の選択が稚拙だったり、きちんとした漢字表記ができていなければ評価にはなりません。語彙力・文章力を高め、自分の主張を最適な方法で述べることができるようにしましょう。
語彙力や文章力を高めるのに有効な方法は、新聞を読むことです。新聞記事は、いわばプロが書いた文章です。しっかりと読み込んでいくことで、表現の方法や段落の分け方など、小論文に必要な情報を十分に得ることができます。
新聞などで時事に関心を持つ
小論文のテーマで比較的課題になることが多いのが、時事問題です。「〇〇についてどう思うか」などというテーマでは、その問題の根幹を知らなければ何も書くことができません。特に自分が希望する学部に関係するような話題や、誰もが知っているような時事には明るくなくてはなりません。
一朝一夕にできることではありませんので、日ごろからニュースや新聞をきちんと読み、情報収集を心がけておきましょう。
小論文の型を覚える
小論文には型があります。起承転結などがありますが、有名なのはPREP法です。
P | POINT | ポイント・結論を冒頭で述べる |
R | REASON | なぜそのような結論に達したのかという理由を述べる |
E | EXAMPLE | 体験談や時事問題を利用し、事例・具体例を挙げる |
P | POINT | 最後にポイント・結論を再度述べる |
このようにある程度の型を覚えて、自分が書きやすいパターンを確立してしまうのも一つの勉強法です。きちんと型を覚えてしまえば、実際に小論文を書くときの時間が大幅に短縮されるというメリットもあります。
模範的な評論文を読む
小論文は作文ではなく、限りなく説明文に近いものです。そこで、いわゆる評論文といわれるものをたくさん読み込むことも有効な勉強法の一つです。優れた評論文をたくさん読むことで語彙も増え、段落の分け方・句読点の位置・構成などを自然に学ぶことができます。
身近な評論文といえば、やはり新聞でしょう。特に各新聞社の社説は時事問題を多く取り上げており、限られた字数の中で情報をきちんと分かりやすく伝えています。このように模範的と思われる文章をたくさん読みましょう。
文章を組み立てるトレーニングをする
小論文は構成を組み立ててから文章に入るものです。書くことには慣れていても、全体の構成を練ることは苦手だという人も少なくありません。さまざまな組み立て方がありますが、自分に合った手法を見つけ出し、何度も構成のトレーニングを行いましょう。慣れてくれば、どのような構成を組み立てていけば良いのかということが分かるようになります。
大学受験の小論文・どう評価するの?
採点側はどのような点に着目し、何を評価の対象としているのでしょうか。以下に解説します。
論理的思考能力=相手を納得させられるか
小論文で大切なことは、客観的な事実に基づいた自分の意見を相手に納得させることができるかということです。そのためには、次の3点が大きなポイントになってきます。
- 一貫性を持たせる
- 主観的ではなく客観的なものの見方をする
- 論理的な思考を基にする
読んだときに、相手に「何が言いたいんだろう」と思われてしまうようでは評価につながりません。たとえ意見は異なっていたとしても、「なるほど」と思わせなければいけなのです。
語彙能力=正しい日本語を使うことができるか
採点者側が見ているのは、正しい日本語を理解し、表現に使えているかどうかです。最近の傾向で気をつけたいのは以下の点です。
- 若者言葉に代表される造語
- 「ら」抜き言葉
- 語句の意味の勘違い
日本語がままならない学生は、授業でも大きなハンデを負うことになるでしょう。自分の主張にあった語句を選択できるだけの語彙力が必要不可欠になります。また、漢字の表記にも気をつけなくてはいけません。誤字脱字はもってのほかです。きちんと精査できる能力をつけるよう努めましょう。
自己表現能力=オリジナリティがあるか
大学側が小論文を課題とするのには訳があります。それは画一的なテストでは分からない、受験生の個性を知りたいと思っているからです。どこかで聞いたことがある……という内容ではなく、オリジナリティにあふれた小論文は高く評価されます。かつ論理的であること、一貫性があること、自分の意見をしっかりと述べていることなどがオリジナリティとして評価されます。
まとめ
小論文は、日ごろの心がけで格段に実力がつきます。反対に、一朝一夕ではできないものなので、ほかの受験勉強と合わせて早めに取り組むようにしましょう。小論文に苦手意識のある子供は、いきなりレベルを上げて取り組ませるのではなく、まずは自分のレベルに合った参考書を選ばせ、じっくりと取り組ませてみてください。
参考
受験参考書に見る小論文試験の目的と評定構造の関係|J-Stage
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