小論文のポイント!気をつけたい3つの注意点
ここまでは原稿用紙のルールをご紹介しました。ここからは小論文を書くにあたって気をつけたいポイントをご紹介します。
作文と小論文は違うと心得る
小論文と同じように文章を書くものに作文があります。しかし、両者は「何を書くか」がまったく異なります。
まず、作文とは自身の体験や感想を書いた文章です。こちらは学校で書いた経験のある子供も多いでしょう。一方で小論文とは自身の意見を主張し、その主張の正統性を論理的に説明する文章です。
つまり、小論文とは作文よりも論理性が高く、読んだ人に説得力があると感じさせる文章でなくてはなりません。この違いを意識して文章を書くと良いでしょう。
制限を守る
小論文にはいろいろな制限があります。せっかく良い文章が書けたとしても、制限を破ってしまうと採点の対象にさえならない可能性があります。
文字数制限
まずは文字数の制限です。「400文字以内で記載しなさい」という制限があった場合、これより文字が多過ぎても、少な過ぎてもいけません。それでは、どの程度を目安とすれば良いのでしょうか。文字数制限別に目安をみていきましょう。
「○○字以内」の場合
文字数制限の8割以上記載しましょう。この場合、例えば規定の文字数が「100文字以内」であれば、100文字を超えると失格や減点対象となる可能性があるので、必ず規定文字数以内で書くようにして下さい。
「○○字以上○○字以内」の場合
範囲内の文字数で記載しましょう。範囲を上回っても下回ってもいけません。また、下限ぎりぎりよりも上限に近い文字数となるように心がけましょう。
「○○字前後」「約○○字」の場合
指定された文字数から50字の増減を目安としましょう。例えば、「1000文字」であれば950文字から1050文字の範囲で書くと良いでしょう。
これらはあくまでも目安です。問題文にこれらとは異なる指定があった場合は、そちらに従いましょう。
時間制限
長い文章を制限時間内に書ききるというのは、難しいものです。しかし、決められた制限時間を過ぎても記入を続けていると、不正行為とみなされ、失格となる場合もあります。
事前に本番の制限時間を把握し、その時間内で小論文を書ききれるように練習しましょう。何度か練習してコツをつかめば、意見をまとめる時間が短くなり、制限時間内に書けるようになるでしょう。
日本語表現に注意しよう
小論文を書くにあたって日本語の表現にも注意が必要です。
話し言葉や省略語はNG!
小論文は話し言葉で書いてはいけません。「ヤバい」、「ぶっちゃけ」などは日常生活においては使用する機会があるかもしれませんが、小論文で使用してはいけません。ほかにも、普段の会話のなかでは一人称を「僕」、「俺」、「うち」などとしている人もいるでしょうが、小論文では「私」で統一しましょう。
また、「ら抜き言葉」などの省略語も減点の対象となる可能性が高いです。例えば、「考えれる」は「ら抜き言葉」です。正しく「考えられる」と記載しましょう。
文末は「だ・である」調
小論文の文末は「だ・である」調で統一する必要があります。「です・ます」調は相手を気遣う文章であり、物事を主張する必要がある小論文には不向きです。
「だ・である」調の文章は日常生活で使うことがないため、最初のうちは違和感を覚えるかもしれませんが、繰り返し練習して慣れていくようにしましょう。
まとめ
あらためて原稿用紙の書き方や小論文作成の注意点をみてみると、「たくさんあって、覚えられるか心配」と思われる方も多いでしょう。
初めのうちはルールを忘れてしまうことが多いかもしれませんが、このようなルールは何度も練習するうちに自然と身についていくものです。そのためにも何度も小論文を書いて、第三者にチェックしてもらうことが大切です。子供から相談を受けた場合は、今回ご紹介した内容も踏まえて、アドバイスをしてあげると良いでしょう。
参考
宮川俊彦(2011年10月)『これだけは知っておきたい「作文」「小論文」の書き方』フォレスト出版株式会社
樋口裕一(2010年8月)『小論文これだけ!超基礎編』東洋経済新報社
これ、ぜんぶ知ってますか?原稿用紙の正しい書き方9つ | DAIAMOND online
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