国際教養学部で勉強することのデメリット
そんな私が感じる、国際教養学部で勉強することのデメリットです。
①所詮日本のマンモス大学
全寮制や少人数制のアメリカのリベラルアーツカレッジであれば、ネイティブの学生も図書館にこもって課題をこなすという風景がよくみられます。
それを模範にした国際教養学部は、課題の量は他学部に比べて多いように思いますが、それでも、サークル活動を生活の中心にしているような人でさえ、4年間で卒業できていました。典型的な「入るのは難しくて、出るのは簡単」と言われる日本の大学の風景です。
「純ジャパ」の私は、入学当初から帰国子女や留学生の話し合いの半分しか理解できませんでした。それでも単位を落としたことはありませんでした。課題さえ真面目にこなしてしまえば、卒業は近づいてしまいます。(できてしまうところが恐ろしい。)
「幅広く学べる教養学部で死ぬほど勉強したい」のであれば、初めから違う場所を目指すべきでしょう。
②専門的な学びができない
国際教養学部は、交換留学が必修となっています。必修で4年間で卒業できることがひとつの特徴です。
休学したり、留年したりせずに4年間の学費で実現できることは魅力的です。
しかし、2年生の後期から3年生の前期に日本の大学で勉強できないことによって、
- ゼミ(卒業論文を書くための演習科目)に入るのは3年生の後期から
- 入門科目を取っている間に留学してしまう
- 帰国したらすぐに就活モードに入らないと遅れを取り戻せない
- 国内の長期インターンをするにあたって時期を選ばなくてはいけない
という事態が生まれます。
もし、海外の大学に初めから留学していれば、日本の大学で学んでいれば、2年生ともなれば、より専門的な内容になります。日本の文系学部では、3年生の前期からゼミに入るという人も多いはずです。国際教養学部では、専門的な勉強は自ら意識してカリキュラムを組み、他の学部の授業も聴きに行かない限り難しいですし、大学生活に慣れた頃に交換留学でそれを中断する場合もあるのです。
また、国際教養学部では、ゼミに入らずに卒業することもできるため、ゼミに入ることを諦める人も多いです。そのせいか、他学部ほど、「人気のゼミに入りたい!」という入ゼミの熾烈さはありません。
少人数制教育に注力している国際教養学部にも関わらず、ゼミの影の薄さは皮肉なものです。
③語学力と文化の違いはハードルに
「純ジャパ」の学生であったとしても、成績はきちんと取れているように思います。成績優秀者になる人もいます。
ですが、皆、「私たちは日陰者」「早くサークル活動でのびのびしたい」と思って過ごしている「純ジャパ」も多く…誕生日にパイ投げをするような文化(!)や、授業で英語で発言することのハードルの高さによって、学部生活に馴染めない「純ジャパ」も多いです。
「純ジャパ」にとって、日本語の講義であれば、ぼーっと聞いていても内容が入ってきますが、英語ではそうは行きません。語学力を身につける段階から、大学の学びが始まると、自ずと専門性どころではなくなります。また、授業における発言は、日本の教育を受けているととても億劫になってしまいます。語学力だけでなく、意見を発信する力、授業の場で間違っていても発言をする勇気が圧倒的に足りないのです。
国際教養学部独特の文化である多様なバックグラウンドの学生のなかで、頭ひとつ突き抜けるには、このような語学と文化のハードルを乗り越えなくてはなりません。