パイロットになるには?5つの主なルート
パイロットになるためには専門的な知識や高い技術が必要となります。パイロットの養成機関としては、少し前までは航空大学校に進むのが最もポピュラーでしたが、最近では一般の大学でもパイロットの人材育成を専門とする学科も新設されています。 また、航空会社に就職してから技術や技能を身につけたり、自衛隊、防衛大学など国の機関を活用したりしてパイロットになる方もいます。パイロットになるための5つの主なルートにはどんな特徴があるのかみてみましょう。
航空大学校を卒業し、航空会社に就職する
航空大学校は、独立行政法人が運営する国内唯一の公的なエアラインパイロット養成機関としてしられています。2年間という短い期間でプロのパイロットとしての知識や技能を習得しなければならないため、高いスキルだけでなくハードなカリキュラムを克服する忍耐強さも必要となります。 宮崎空港、帯広空港、仙台空港にそれぞれ隣接するキャンパスがあり、履修内容によってキャンパスを異動することがあります。パイロット養成に長い歴史や信頼があるため全国から多くの受験生が集まります。
未経験で航空会社に就職し、自社ライセンスを取得する
大手航空会社のなかには、未経験者を対象とした自社養成パイロット採用試験を実施しています。大学新卒者、大学院修士課程修了予定者が応募要件となりますが、子会社に入社する場合には、高卒でも応募が可能です。 航空会社に就職してから時間をかけてパイロットを育成するにはコストもかかるため、募集枠は非常に少なく常に狭き門となっています。試験では、面接や適性検査のほか、航空法に則った綿密な身体検査も実施されます。
自衛隊に入隊し、ライセンスを取得する
自衛隊に入隊してパイロットのライセンスを取得するという道もあります。最短ルートでパイロットになるためには航空学生課程を受験することになります。高校、高専、などを修了した学力があることが要件となり、2年間、学生宿舎で団体生活を送りながら基礎的な教育、飛行訓練を受けます。 海上自衛隊、航空自衛隊のパイロットになることを目指すものであり、パイロットの資格取得後は自衛隊で活躍することになります。防衛大学に入学して操縦士要員の試験に合格すると受験資格を与えられることもあります。
海外のパイロット養成機関でライセンスを取得し、航空会社に就職する
パイロットになるために、航空操縦学などのある海外の大学に留学して操縦士免許を取得するという方法もあります。早い段階でフライトトレーニングが始まり、国内の養成機関と比較するとより実践的なカリキュラムを受けることができます。 海外でライセンスを取得した後に、国内の訓練校で技能証明を取得すれば航空会社に就職することも可能です。ライセンス取得のための費用は国内とそれほど変わりませんが、授業はすべて英語で行われるため専門用語を使いこなすことができる高度な語学力が必須となります。
大学(パイロット養成課程)でライセンスを取得し、航空会社に就職する
4年生大学で専門的に学び、資格を取得することも可能です。養成機関としてはまだまだ歴史が浅いものばかりですが、近い将来、パイロット不足を補うパイロット養成機関として大きな期待が寄せられています。全国にさまざまなパイロット養成課程がある大学ができることで、ますます志願者が増えることでしょう。
東海大学
東海大学の工学部には、航空宇宙学科航空操縦学専攻があり、ANA(全日本空輸)の全面協力のもと、在学中にライセンスを取得できます。留学を推奨しており、一定の条件を満たせばノースダコタ大学(アメリカ)で学ぶことが可能です。
参考
航空宇宙学科 航空操縦学専攻|東海大学
法政大学
法政大学の理工学部 機械工学科 航空操縦学専修でも自家用操縦士の資格を取得できます。エンジニアとして航空業界に関わりたいという人向けのカリキュラムも用意されており、多様な進路が選択できるのが特徴です。
参考
機械工学科 航空操縦学専修|法政大学
桜美林大学
桜美林大学にはフライト・オペレーション(パイロット養成コース)があり、事業用操縦士としての資格が取得できます。3年次はフロリダ州(アメリカ)の飛行訓練施設にて学習を進めます。
参考
フライト・オペレーション(パイロット養成コース)|桜美林大学
帝京大学
帝京大学の理工学部 航空宇宙工学科は2つのコースに分かれており、ヘリパイロットコースでは自家用操縦士と事業用操縦士資格の取得が可能です。航空宇宙工学のエンジニアとしての知識もつけることができるカリキュラムが用意されています。
参考
宇宙工学科 ヘリパイロットコース|帝京大学