通訳になるために必要な資格
通訳になるために必要な資格は、次の通りです。
TOEIC
TOEICは、全て英語で行われる世界共通のテストです。企業の採用においてもTOEICのスコアを見ながら採用不採用を決める場合もあります。通訳者になりたいなら、TOEICにおけるListening & Reading Testにおいて、スコア900点を取るのが目安です。
公式ホームページ
TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
実用英語技能検定
実用英語技能検定(以下、英検)は、「読む・書く・話す・聞く」の英語4技能の習熟度を測る試験です。通訳として仕事をコンスタントに得たいなら1級の取得を目指しましょう。
公式ホームページ
ビジネス通訳検定(TOBIS)
ビジネス通訳検定は、1級から4級まである検定試験です。2級から4級までは、逐次通訳試験。そして、1級は、スピーチ形式の同時通訳試験としています。対象の言語は、英語のみ。試験後は、判定者からのフィードバックもあります。
公式ホームページ
通訳案内士試験
通訳案内士試験は、日本政府観光局が管轄している国家資格です。来日している外国人にたいし、通訳をしながら、観光のガイドもします。対応している言語は、英語や中国語だけでなく、フランス語や韓国語などの10ヶ国語(※2019年8月25日時点)。なお、2018年度の合格率は、9.8%となっているので、かなり難易度が高い試験です。
参考
その他職業によって必要な能力
通訳の仕事は、人と接する仕事です。語学力以外にもほかの能力も求められます。実際にどのような能力が必要か、ピックアップしておきましょう。
礼儀とマナー
通訳の礼儀やマナーが良くないという理由で、双方のやり取りがうまくいかないこともあります。通訳として仕事を確立したいなら基本的な礼儀とマナーをわきまえましょう。
正しい日本語力と知識
通訳を自分の仕事にしたいなら、正しい日本語力と知識を習得するのも忘れてはなりません。正しい日本語力をつけるなら、読書をする、漢検の資格を取得するなどをして語彙力を増やしましょう。表現力の幅も広がります。
コミュニケーション能力
通訳は、人と接する仕事です。自分の得手不得手な人に関係なく、円滑なコミュニケーションを図る努力が必要です。
通訳の年収・平均給与について
通訳の年収や平均給与が、どのくらいか気になるところかもしれません。実際どのくらいの収入が得られるのでしょうか。
ワークスタイル別・通訳の年収・平均給与
通訳におけるワークスタイル別の年収・平均給与は、以下の通りです。
企業の社員
企業の通訳社員として働いている場合の年収は、420万円から756万円。平均給与(手取りあり)は、28万円から50万円となっています。スキルやキャリアによって、大きなばらつきがあるようです。
参考
通訳の給料(プロ野球選手)や年収(フランス語・中国語・英語・韓国語)|給料BANK
フリーランス
平均的なフリーランス通訳の年収は、300万から600万円ですが、専門性の通訳ができる場合なら年収1000万円を超える通訳者もいます。フリーランスのため、給与に関しては、時給制や日払い制であり、時給2,000円が相場。自分で報酬を交渉する通訳もいます。
参考
通訳の給料(プロ野球選手)や年収(フランス語・中国語・英語・韓国語)|給料BANK
通訳の給料、年収、時給 通訳の仕事・なり方・給料・資格を紹介|Career Garden
通訳で高収入を狙うポイント
通訳で高い収入を目指すなら、通訳としての数をこなすことだけでなく、「自分を売り込む」ことも必要です。そのためには、FacebookなどのSNSや自分のブログを使って、通訳としての活動実績を常にアップデートさせるのをおすすめします。加えて、同業者の集まりがあれば、積極的に参加し、人脈を作ることも必要です。
通訳の仕事で著名な方
この章では、通訳の業界で著名な方を紹介していきましょう。中には話題のあの人物の通訳をしたという方もいます。
橋本美穂さん
橋本美穂さんは、ピコ太郎さんやふなっしーなどの日本外国特派員記者会見で通訳を務めて有名になった方。通訳するのに困難なフレーズを瞬時に絶妙な表現に置き換えて伝えるということ話題になりました。
また、医療やビジネスなどのあらゆる分野の通訳もこなしながら、通訳養成学校の講師として活躍しています。
橋本美穂さん公式ホームページ
水原一平さん
水原一平さんは、現在ロサンゼルス・エンジェルスで活躍している大谷翔平選手の専属通訳者です。渡米前は、北海道日本ハムファイターズの通訳を務めていました。子供のときにアメリカで生活をしていた経験もあり、大谷選手のアメリカ生活全般をサポートしています。
水原一平さん関連ページ
大谷翔平を支えるパートナーは野球経験ゼロ 通訳&広報担当&運転手&練習相手の1人4役欠かせぬ分身 (1/2ページ)|zakzak
戸田奈津子さん
戸田奈津子さんは、長年、『タイタニック』、『スター・ウォーズ』シリーズなどの数多くの洋画の字幕翻訳を担当で有名ですが、通訳の肩書も持っています。
また、トム・クルーズ氏などの多くのハリウッド俳優の来日時には、通訳として活躍。日本の通訳翻訳業界のパイオニアと言える存在です。
戸田奈津子さん関連ページ
【インタビュー】字幕翻訳者・戸田奈津子「エッ?と思う字幕は、どこかおかしいの」
通訳の将来性
通訳に関しては、日本でも英語が堪能な人が増加し、スマホの通訳アプリや通訳専用の機械もリリースされていることもあり、通訳の将来性が、どのような状況になるか気になるところです。
自動通訳するAIも開発されていますが、ユーモアや気の利いた表現を混ぜた内容に訳すこと、人の表情や場の状況を読み取るといった点に関しては、AIにうまくできるのか、という声も挙がっています。このような細かいところに瞬時に気付ける力が優れているのは、AIよりも、やはり通訳者かもしれません。
まとめ
通訳になるには、通訳の専門カリキュラムがある大学や通訳養成学校へ通うのがよくあるパターンです。ただし、学校へ通わなくても2つ以上の言語を瞬時に言葉に出るなら、通訳になれます。そして、通訳としてコンスタントに仕事をしたいという思いがあるなら、英検1級などの英語の上級レベルの資格を取得することをおすすめします。加えて、礼儀とマナー、コミュニケーション能力が備わっていることが必要です。
参考
全国通訳案内士試験概要|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)
全国通訳案内士になりたい方へ 通訳案内士とは?|JGA 一般社団法人日本観光通訳協