AO入試のメリット
AO入試で大学を受験する最大のメリットは、受験科目が志望理由書と面接のみの場合が多いことです。科目が少なく、一般入試のように学力のみを問われることもありません。つまり、成績だけで受験する大学を決める必要がないということです。
また、直接大学の先生と話し合いができるので、お互いに理解が深まりやすく、自分の情熱や個性、やりたいことや将来のビジョンをしっかりとアピールして話し合うことが可能です。
さらに、自分のやりたいことや興味の方向を大学とすり合わせることで、入学後に「こんなはずじゃなかった……」ということがなくなり、納得できる環境で思いきり力を伸ばすことができます。
AO入試のデメリット
AO入試で大学を受験するデメリットですが、面接が最も重要視されるので、将来やりたいことや入学後に研究したいことが明確になっていない場合には、情熱をアピールするのが難しいため向かないでしょう。
また、AO入試は初夏から夏にかけての時期に募集が始まり、合否結果が出るのは冬です。エントリーから結果が出るまで長くかかります。
さらに、合否の結果が出る時期は一般入試よりも早いため、合格後に何もしないでいると学力が上がらず、一生懸命勉強して一般入試で入学した同級生に遅れをとる場合があります。
推薦入試との違い
ここまではAO入試に焦点を絞って解説してきましたが、そもそもAO入試と推薦入試では何が違うのでしょうか。
まず、推薦入試には学校長の推薦が必要なのに対して、AO入試ではその必要がなく、誰でも自由に応募することができる点が挙げられます。
また、願書提出の時期についても、推薦入試は主に9月以降なのに対して、AO入試では5~8月となるため、より早い時期からの対策が必要です。
面接が最も重要視される点も推薦入試とは違いますし、大学によってはグループディスカッションや体験授業など、独自の選考方法をとっている場合もあります。
AO入試の具体的な選抜方法
現在は私立大学の約8割が取り入れているといわれているAO入試ですが、具体的にはどのような選抜方法がとられているのでしょうか。
AO入試は、大学によって面接での対話を繰り返す場合や、複数回の書類選考、体験授業への参加、事前に課題が出される場合など、特色に合わせて行われます。
ここからは、AO入試の具体的な選考科目と方法について解説します。
書類選考
志望理由書やエントリーシートに出願理由を記載し、提出します。その大学や学部を希望する強い理由と、それを裏付ける活動や経験、考えなどを記載します。志望学部に合わせた「活動報告書」や、高校の成績などが記載された「調査書」が必要な場合もあります。
面接・ディスカッション
志望理由書に基づいて面接が行われます。面接は複数回にわたることもあり、その学部への入学に対する情熱や意欲と共に、思考能力や判断力、表現力、コミュニケーション能力など、さまざまな角度から適性を判断されます。
学力試験・小論文試験
大学によっては、志望理由書と面接だけではなく、センター試験の受験を必須としているところもあります。また、「文章の面接」とも言われる小論文試験で、受験生の論理的思考能力や文章読解能力などを測る大学もあります。
実技試験
実技や作品の提出を課題とする大学もあります。主に体育会系の大学や、美術大学、造形大学などで行われます。
セミナー参加型
志願者を対象にセミナーや講義を実施し、それを基に筆記試験や面接、グループディスカッションなどを行います。