声優になるためのルート
ここからは、声優になるための方法を解説していきます。声優志望者は増加傾向にあり、ソーシャルゲームやネット動画配信の普及で、素人でも声優になるチャンスは広がりました。キャラクターのイメージとのマッチや発声スキル、表現力が認められれば誰でも声優になれます。同時に競争が激しく、事務所に所属して活動できる声優はほんのひと握りということです。
専門学校に通う
声優になるための一般的な方法は、専門学校に通うことです。2年の時間を掛けて発声方法や演技力など、基礎から段階的に学ぶことができます。養成所と異なり、特定の声優事務所に囚われることがないため、希望する事務所のオーディションを受けられるのが最大のメリットでしょう。
声優の専門学校には無認可校も多く、その場合は社会人として働きながらでも学べるコースが開設されていることもあります。近年では声優業界の競争の激化から、養成所に入るための勉強として専門学校を選択する人も増えています。
養成所に入る
声優の養成機関には劇団付属のもの、事務所付属のものなどさまざまな形があります。養成所では、そこで実力が認められれば自動的に事務所に所属でき、デビューに繋がりやすい傾向があります。講師も有名なプロ声優が務めることがあるため、実践的なアドバイスを受けられます。
養成所への入所には、専門学校と異なり、年齢制限のほかオーディションに合格しなければなりません。自社の事務所で活躍してくれる人材を確保するために、入所時には一定のレベルが求められるのです。内容は即興劇やセリフの朗読などがあります。
なお、劇団付属の養成所は声優を専門的に育てる機関ではなく、演技者を育成する機関です。そのため歌唱や舞台演技など、芝居に関わるあらゆることが学べるので、声優以外の表現の仕事も視野に入れている方向けといえます。
オーディションに合格する
実力が認められれば、特別な知識や経験がなくてもいいのが声優業界の特長です。オーディション情報を専門に扱っているHPを閲覧すると、ラジオドラマや朗読会など、経験不問で参加できる案件があります。
オーディションでは、自分をアピールするツールとしてボイスサンプルを求められるケースもあります。基本的な構成は「自己紹介」「ナレーション」「キャラクターのセリフ」です。先方から指定されることもあるでしょう。声優を目指すのなら、学校の有無にかかわらず挑戦してみるのが近道とも言えます。
ネット声優という選択
残念ながら声優という仕事は狭き門です。そこで、アニメーションやナレーションの声優を目指すのではなく、ネット声優になるという道もあります。
ネット声優とは、ネットを介して音声を提供する声優です。仕事内容は、動画のナレーションやボイスドラマなどです。プロの声優とは異なり、副業や趣味の範疇になりますが、プロを目指すための練習として活動している人もいます。ネット声優の仕事は、クラウドソーシングのサイトなどに登録すると申し込むことができます。仕事としては、映像のナレーションや館内放送のアナウンスなどがあります。
声優の年収・平均給与について
ここからは、競争の激しい人気職である声優の年収・給与事情について解説していきます。声優のほとんどは個人事業主として事務所と契約を結んでいます。1つの案件ごとに設定される報酬から、契約した事務所に支払う手数料を引いた金額が給与として入ります。仕事がなければ給与もないため、無名のときはアルバイトをして生計を立てなければならないでしょう。
また、個人事業主としての契約になるため、国民年金や所得税の支払い手続きは自分で行う必要があります。
年収・平均給与
声優の給与は仕事の数による「歩合制」と、声優自身の実力である「ランク付け」によって決まります。単純に仕事量で給与が決まるため、仕事がなければ無収入であり、年収が数千万の人もいるという給与格差が激しい職業です。
報酬の基準は「声優ランク」
声優ランクとは、声優の仕事をする人たちを守る仕組みです。声優志望者が増える一方で、声優が不合理に安く買い叩かれないようにランクが定められています。声優は経験や実力に応じて、一番下のジュニアから最高Aまでランク付けされます。このランクが報酬の基準になります。
声優として活動を始めて最初の3年間はジュニアランクです。アニメーションや映画の吹き替えなどの仕事1本につき、15,000円の報酬が得られます。ここで注意したいのが、セリフが多い主役でもほんのチョイ役でも、また仮に1人2役であろうと、仕事1本につき15,000円には変わりないということです。メリットは、チョイ役でも報酬が保障されていることで、デメリットは報酬が安いことでしょう。
最高のAランクになると報酬は45,000円になりますが、今度は制作者側から報酬の面で敬遠されてしまうことも起きるようです。またほんの一握りですが、報酬に上限がなく、制作者側との交渉で決まる「ノーランク」の声優もいます。
参考
声優の平均年収ってどれくらい?|声優の専門学校ヒューマンアカデミー
業種によって報酬が異なる
アニメ-ションや映画の吹き替えは上記のランク性が適応されますが、CMやラジオの仕事は報酬が高い場合があります。コンテンツの多様化で、声優の仕事はアニメーションや映画だけではなくなりました。
例えば舞台公演やラジオ、歌手など得意な分野によって仕事の幅は広がっていき、「自分がどんな声優であるか」によって活動の業種が変化していき、年収も大きく変化していくでしょう。
昇給・昇進・キャリアアップするための方法
声優になって最初の3年間でどれだけ頑張れるか、それが声優としてキャリアを積む最初の試練だと言われます。先述したとおり、新人の方が仕事を得られやすいという実情があるため、営業と今後の仕事に繋がる印象づけが大切です。
また、アニメーション1本でやりたいなどとこだわらず、CMやゲームなど多様な仕事を経験することも必要です。声優という仕事は、たゆまぬ努力によって80歳を過ぎても第一線で活躍できます。仕事を掴みとろうとする気概がキャリアアップのために必要と言えるでしょう。