社会福祉士になるには
社会福祉士になるにはいくつかの方法があります。国家試験に合格して社会福祉士と名乗ることは共通ですが、受験資格は学歴や実務経験で異なってきます。方法には大きく分けて3つの選択肢があります。
なお、社会福祉士は名称独占資格であるため、仕事自体は実は誰でも行うことができます。活躍する場所によって「ケースワーカー」「生活相談員」「児童指導員」と呼ばれることが多いです。しかし、最近では有資格者前提とする考え方が多くなっているので資格取得は必須と言えます。
国家試験に合格する
社会福祉士は国家試験に合格した人しか名乗れない専門職です。試験は毎年1月下旬ごろに行われ、約45,000人が受験しています。合格への道のりは険しく、合格率は30%弱で推移しています。20%を切る年もあります。平成30年度(第30回)の合格率は30.2%。受験者数は43,937人でした。
(参照元:第30回社会福祉士国家試験合格発表|厚生労働省)
社会福祉士の試験範囲は福祉関係全般とかなり広いです。専門知識だけでなく応用力も求められるため、計画的に勉強を進めていく必要があるでしょう。また試験自体が長丁場になるので時間配分も考えた対策もしましょう。
受験に必要な資格は学歴や実務経験で変わる
社会福祉士になるための資格は学歴や実務経験で変わります。ここでは比較しやすいように専門大学、一般大学、専門学校の方法を紹介します。
専門の大学で単位を取得する
最も短い学習期間で国家試験の受験資格を得られるのが、福祉系の4年制大学で指定科目を履修した場合です。指定科目は文部科学省と厚生労働省が定めた15の科目と相談援助に関する3つの演習や実習があります。一方で同じ福祉系の4年制大学でも、基礎科目のみ履修した場合は一般養成学校等で6ヶ月年以上の研修が必要です。
専門の大学で学ぶメリットは社会福祉士の国家試験受験資格を早く取得できることです。卒業後、養成施設で学ぶ必要がなく、なるべく早く資格を取得したいのなら専門の大学がおすすめです。
専門学校で学ぶ
専門学校の場合、専門学校で学んだ期間によって相談援助の実務期間が異なります。専門学校(社会福祉主事養成機関)で3年学んだ場合は相談援助の実務を1年経験、専門学校で2年学んだ場合は相談援助の実務を2年経験する必要があります。それに加え、さらに一般養成施設で6ヶ月以上の研修が必要となります。
専門学校で学ぶメリットは大学に比べて社会に出るのが早く、社会福祉士になるための経験を得る機会が多いことです。その分、関連する資格(例えば、ケアマネージャーなど)の実務経験が得られ、専門性を高めることができます。ただし社会福祉士の資格を取得するためにはなんらかの講座や養成施設で学ぶ必要があるので時間がかかります。
一般大学を出てから実務経験を積む
一般大学の場合、専門学校の場合と同様に、大学で学んだ期間によって相談援助の実務期間が異なります。4年制の大学では相談援助の実務は必要ありませんが、一般短大で3年学んだ場合は相談援助の実務を1年経験、専門学校で2年学んだ場合は相談援助の実務を2年経験する必要があります。また、一般養成施設などで1年以上の研修が必要となります。
メリットは腰を据えて進路を選べることです。幅広い教養と知識を学べる一般大学では「福祉」という枠にとらわれずに活動できます。仮に福祉以外の職種に就いたとき、そのとき感じた福祉の課題をよりユーザー目線で感じることがあるでしょう。それが福祉の現場で働くときの大きな力になります。
デメリットはいざ社会福祉士の資格を取ろうとしたとき、少なくとも養成機関で1年以上学ぶ必要があり、時間がかかることです。