介護福祉士になるには3つのルートがある
「国家資格として介護福祉士を取得する」と聞くと、専門学校や大学を卒業していなければいけないというイメージを抱きがちですが、介護福祉士は未経験者にも門戸が開かれている国家資格です。
ここからは介護福祉士になるためのルートして、「社会人からでも目指せる実務経験ルート」、「専門的な知識を身につけられる養成施設ルート」、「いち早く介護福祉士として活躍できる福祉系高校ルート」の3つを分かりやすく解説していきます。
社会人からでも目指せる実務経験ルート
介護福祉士になるために設けられている1つ目のルートが、「社会人からでも目指せる実務経験ルート」です。実務経験ルートには、介護の現場で3年以上かつ540日以上働くことと、実務者研修という講座を修了することという2つの条件しか決められておらず、専門学校や大学などで勉強する時間のない人も介護福祉士を目指せるように設けられているルートです。
実務経験ルートのメリット
実務経験ルートの1番のメリットは、「どんなキャリアを形成してきた人でも目指せる」ことです。一般的な国家資格は、取得したいと思っても専門学校卒や大卒などの条件があります。しかし、介護福祉士であれば、働く時間をそのまま実技を磨く時間に充てることができます。また、空いた時間で自学すれば、試験を通過する知識をつけることも難しくはありません。さらに、ほかのルートよりも費用面をおさえられるというメリットもあります。
実務経験ルートのデメリット
どんな人にも目指しやすいというメリットのある実務経験ルートですが、「3年以上の期間が必ずかかる」という点が難点です。さらに、実務者研修講座を修了していることが条件とされているため、実務者研修講座を開講しているスクールに通うことも条件となってきます。
ほかのルートでは、基本的な知識を身につけることからスタートできるのに対し、実務経験ルートは実務から始まるため、「イメージと違った」などの理由で介護福祉士になることを断念してしまう人も少なくありません。
専門的な知識を身につけられる養成施設ルート
福祉系の専門学校や養成施設で1〜2年の学習をすることで、介護福祉士を受験することが認められるのが「専門的な知識を身につけられる養成施設ルート」です。ほかのルートよりも広い見地で介護福祉士という仕事を理解することができるため、生涯の仕事として検討している人にはおすすめのルートと言えます。
養成施設ルートのメリット
養成施設ルートの一番のメリットは、「自分なりのキャリア形成に活用できる」ことです。ほかのルートにはどんな人にも目指しやすいという利点がありますが、専門学校卒や短期大学卒といった社会人になってから機転が利くのは養成施設ルートだけです。
介護福祉士のプロフェッショナルとして求められる知識を備えられるだけでなく、社会人になってからほかのキャリアを形成することを選択した場合でも、スムーズにその道を歩み始めることができます。
養成施設ルートのデメリット
自分なりのキャリア形成に活用できるという魅力がある養成施設ルートですが、時間と費用はほかの2つのルートよりも必要となります。基本的には短期大学や専門学校に通う必要があるため、社会人になってからでは選択しにくいルートと言えます。
いち早く介護福祉士として活躍できる福祉系高校ルート
「介護福祉士としていち早く働き始めたい」という人におすすめなのが福祉系高校ルートです。福祉系高校ルートは、福祉科や介護福祉コースといった特色のある高校を卒業した時点で受験資格が与えられます。
学習する期間は3年間と、養成施設ルートよりも長くなりますが、18歳の時点で介護福祉士の受験資格を得られるのは福祉高校ルートだけです。
福祉系高校ルートのメリット
福祉高校ルートのメリットは、「早い段階で介護福祉士という仕事を肌で感じられること」です。先ほども触れたように、18歳の時点で介護福祉士の受験資格を得られるのは福祉高校ルートだけです。
介護福祉士の資格を取得してから社会に出ることになり、仮に数年間の勤務をしたとしても20代前半でキャリアを考えることができます。国家資格を持ち、プロとしての介護職を20代になる前に経験できるのは、その後のキャリアの大きな武器となるでしょう。
福祉系高校ルートのデメリット
福祉高校ルートのデメリットは、「実績としての評価を得るまでに時間がかかること」です。介護職の中では国家資格を持っている分、給与や待遇に反映されますが、ほとんどの企業が大卒や専門卒者へ手厚い待遇を設ける傾向にあり、そこに不満を感じてしまうことも考えられます。