AO入試のメリット
倍率が低い
AO入試は、学部学科によっては一般入試よりも倍率が低く、合格できる可能性も高まります。AO入試の倍率は、1.5〜3倍の学部もあれば10倍以上もあるなど、学部の人気によって変わります。一般入試を受ける前提で、AO入試を受けることも選択肢に入れておいても良いでしょう。
高校の成績を評価で重視しない
AO入試のメリットは学力評価されない点です。推薦入試では、普段の定期テストや授業評価による評定平均値や受験勉強などの学力を求められます。しかし、AO入試はそういった成績などの評価を行いません。生徒によっては、部活動や生徒会活動、課外活動などに注力していたために、学力に関して常に良い成績を収められていないという人もいるでしょう。そういった学生が、一般入試や推薦入試では入学の難しい大学の学部に合格できる可能性がAO入試にはあります。
ただし、学習以外の活動の内容や功績、志望大学で学びたい意欲や資質を備えていると大学にアピールする必要もあります。部活動での優秀な成績、ボランティア活動、生徒会での行事運営などの経験を生かしましょう。
チャンスが多い
AO入試の応募は、5月から8月ごろ。一般入試や推薦入試に比べれると早いタイミングで選考が行われます。仮にAO入試に合格できなかったとしても、一般入試や推薦入試への切り替えも可能です。ただ、AO入試が不合格と分かってからセンター試験や二次試験の学習を始めても遅いでしょう。AO試験の合格発表があるまでは、受験勉強も並行して進めましょう。
AO入試のデメリット
志望校の途中変更はできない
AO入試の志望条件は専願です。合格すれば、その学部・学科へ必ず進学しなければなりません。そのため、志望する学部や学科の定まっていない状態で志望することは難しいでしょう。AO入試中の面接でもあいまいな受け答えになるだけでなく、合格後に本当に行きたい学部や学科が見つかったときにシフトすることができません。まずはしっかりと自分の進路、将来の方向性を熟考した上で出願しましょう。
志望学部の偏差値とのギャップ
前述のとおり、AO試験では学力テストを定めていない学部や学科がほとんど。その結果、受験期にほとんど学力向上の努力をしないまま、大学進学に至る生徒もいます。そうすると、学部で求められる学力基準に到達せず、単位の取得で苦労する可能性もあるでしょう。
こういった問題に対して、文部科学省は2020年度からAO入試を含む入学試験に学力評価を義務づける方針を固めています。2020年より、従来の大学入試センター試験に代わり、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入。学力評価のため、新テストの受験、大学独自の試験、小論文などを課すことを各大学へ通知する見とおしです。
また、試験を課す課されるではなく、生徒自身がAO入試で合格しても、すぐに勉強をやめずに入学予定の学部に見合った学習を進めることをおすすめします。学部の過去問を解いてみるだけでも、どの程度学力にギャップがあるかを把握できます。入学してから、単位習得に焦るか、成績優秀者を目指すか、どういったキャンパスライフを過ごすのかは生徒次第です。
併願できない
1つ目のデメリットと重複する箇所もありますが、AO入試は併願できません。つまり、1つの学部・学科に出願を希望すると、ほかの大学のAO入試に出願できません。大学側は、AO入試で適性があると判断した学生が合格後に別の大学に行かれてしまっては困ります。AO入試を受ける大学を決める際には、他大学のAO入試を受けないことを明らかにした上で受験しましょう。