大学編入のメリットと注意点
「本当にやりたいこと」へ進路変更できる
大学受験の際に第一志望の大学や学部に入れなかった、または、入学してみたら想像とは違っていた、他にやりたいことが見つかったなど、不本意な進学をしている人も多いでしょう。現在専攻している学科と将来進みたい方向性が異なるとき、大学編入を利用すれば、今まで取得した単位を無駄にすることなく、進路変更ができます。大学編入は、現状に満足していない学生が夢に向かって再度チャレンジできる制度です。
一般入試では受からないランクの大学を狙える
一般入試では偏差値が低かった学生であっても、編入試験を受けて偏差値の高い大学に合格することがあります。これは、試験科目や試験内容が一般入試と異なるためです。
編入試験の科目は、多くの場合英語と専門科目のみです。試験内容も英文和訳や記述式または論文形式です。科目も多く、暗記が勝負の一般入試では良い得点を出せなかった生徒でも、大学入学以降に専門分野と英語をしっかり勉強していれば、編入試験に合格することができるのです。
目的意識がはっきりしていないと合格は難しい
編入試験は、英語も含め専門分野に関する内容がほとんどです。受験勉強は、専攻科目を深堀りする必要があります。したがって、一般入試のように異なる分野の学部を並行して受験することはほぼ不可能となります。運頼みで受験しても、合格は難しいでしょう。
一方で、一般入試とは違い、編入試験の受験勉強は、編入後の勉強に直接生きてきます。受験勉強さえしっかりしていれば、大学での専門的な講義や議論にもきちんとついていけます。
大学編入試験の概要
欠員募集と定員設置大学
編入試験を実施している大学には、欠員募集を目的とした学校と、毎年一定数の編入者を募集している定員設置大学があります。欠員募集の場合は、欠員が出なければその年の編入試験は行われません。なお、中央ゼミナールの調査によると、2018年時点で全国235の私立大学が編入定員を設置しています。
編入試験の内容
編入試験の科目は、英語と専門論文または小論文で、記述式の問題が多く出されます。具体的な内容や難易度は大学や学部によりまちまちで、一般入試のような偏差値で測れるものではありません。
英語の試験は、大学院入試のように専門分野に関する英文和訳や要約が出題される場合と、一般入試の長文読解部分が出題される場合があります。
専門論文で求められる知識は、専門基礎レベルです。たとえば、法学部であれば、法学概論、実定法学、政治学、または時事問題からの出題が考えられます。一般知識を問う小論文が出題されることもあります。
いずれの場合も過去問をしっかりと確認する必要がありますが、一般入試とは異なり、過去問が入手しにくいのが難点です。大学のウェブサイト上で公開していない場合は、大学に直接問い合わせてみましょう。
大学によっては、志望理由書の提出や面接も課されます。下記4点について具体的に答えられるよう準備しましょう。
- なぜ編入学を希望するのか
- 編入学後に何を研究するのか
- なぜ、その大学を志望するのか
- 将来の進路はどのように考えているのか
(引用元:大学編入Q&A|中央ゼミナール)
試験日程
一般的に理系の試験が文系に先立って行われます。同じ大学でも学部によって試験時期が異なるので、注意が必要です。
国公立理工農学部では、6月頃から編入試験が始まります。次いで、医学看護学部の試験が始まり、11月頃までに終了します。私立理系は大学により試験日がバラバラで、6月から3月にかけて実施されています。
国公立文系の試験日は、9月頃から始まり、10~11月がピークで、12月までに終了します。私立文系も同様に、10~11月がピークとなりますが、一部2~3月に実施する大学もあります。
まとめ
以上、大学編入制度と編入試験を実施している大学についてご説明しました。いまや進学やキャリアの選択肢は、以前に比べて多様になりました。もし現在通っている大学で勉強しつづけることに疑問を持った場合は、他大学への編入を検討しても良いかもしれません。
参考
学校基本調査-平成30年度結果の概要-|文部科学省
文章編:第一章「はじめての編入Q&A」|中央ゼミナール
文章編:第二章「もっと編入について知りたい」|中央ゼミナール
大学編入Q&A|中央ゼミナール
大学編入パーフェクトガイド|ナレッジステーション
大学編入学検索ヘルプ|ナレッジステーション