新学習指導要領による英語教育改革とは
2018年度から新学習指導要領への移行措置がスタートし、2020年度に小学校、2021年度に中学校、そして2022年度に高校と順次全面実施される予定です。
大学入試も大きな改訂がなされる予定で、2020年1月に実施される大学入試センター試験を最後に、2021年からは大学入学共通テストを実施することが決まりました。
我が子が教育改革のどんな影響を受けるのかについては、ベネッセ教育情報サイトで子供の生まれ年から調べることができるので、今後の学習の参考にしてください。
英語教育が改革される理由
なぜ今、英語教育の改革がなされるのでしょうか。文部科学省は、高校での英語教育の問題点を指摘し、学習指導要領の改訂点について次のように示しています。
高校の英語の授業の状況を見ると、英語によるコミュニケーション能力を育成するには十分ではない状況にあるとの指摘もあります。文部科学省では、高校で学ぶ内容を定めた学習指導要領でも、この「読む」「聞く」「話す」「書く」の「4技能」を総合的に学ぶこととしています。
(引用元:(大学入試改革)民間の英語4技能試験の結果の提供について(平成30年8月10日)|文部科学省)
つまり、グローバル化が進む現代において、世界で十分に通用する英語コミュニケーション力を早期学習できるよう、国を挙げて乗り出したのが今回の大きな改訂なのです。
大学入試では民間の英語4技能試験のスコア使用が可能に
大学入試での英語改革の最大のポイントは、高校3年生の4~12月の間に受検した2回の民間の英語4技能試験に限って、大学入試センターが試験結果を各大学に電子データで提供することにしたことです。
大学入試に使えると認められている民間の英語4技能試験は、以下の8つです。
- ケンブリッジ英語検定
- TOEFL iBTテスト
- International English Language Testing System(IELTS)
- TOEIC® Listening & Reading TestおよびTOEIC® Speaking & Writing Tests
- GTEC
- Test of English for Academic Purposes(TEAP)
- Test of English for Academic Purposes Computer Based Test(TEAP CBT)
- 実用英語技能検定(英検)
実施試験の詳細は下記の大学入試センターで公示されていますので、しっかりと確認して大学受験までのスケジュールを計画しましょう。
参考
参加要件を満たしていることが確認された資格・検定試験の概要|独立行政法人 大学入試センター
ただし、大学入学共通テストで英語の試験がなくなるわけではありません。
新テスト開始から4年間(20~23年度)は、共通テストも存続させ、各大学が共通テストと民間認定試験のどちらを利用するかを判断することになった。両者を併用することも可能だ。高校や大学から慎重な検討を求める意見が出たことに配慮した。
(引用元:【早わかりQ&A】センター試験廃止へ 2020年度からの新テストは何が変わる?|高校生新聞)
文部科学省は大学入学共通テストからの英語科目を廃止し、民間の英語4技能試験に一本化したい意向があるため、2023年度までの動向を見守る必要があります。
英語改革を受けて、高校生がやるべき大学入試対策
では、この大学入試における改革で、高校生は英語をどのように学習したらいいのでしょうか。文部科学省の「高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編(平成21年12月)」から考えてみましょう。
今後、英語の履修科目が変更される予定です。
【学習指導要領の改訂によって創設された英語の科目】
中学校 | コミュニケーション英語基礎 | 選択 |
中学校 | 英語会話 | 選択 |
高校 | コミュニケーション英語Ⅰ | 必修 |
高校 | コミュニケーション英語Ⅱ | 選択 |
高校 | コミュニケーション英語Ⅲ | 選択 |
高校 | 英語表現Ⅰ | 選択 |
高校 | 英語表現Ⅱ | 選択 |
参考
高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編(平成21年12月)|文部科学省
新たな英語教育のための改革とその背景|英語4技能試験情報サイト
新たに創設される科目を見ると、「話す」と「聞く」が重要になってくるようです。それを身につけるためには、どのような学習が必要なのでしょうか。
まず語彙力を強化させることです。すべての科目を履修した場合、指導語彙が中高を通じて従来の2,200語から3,000語まで増加されます。
そして、注目すべきは、高校でのコミュニケーション英語Ⅰの科目の履修が必修になった点です。試験ではリスニングのために、ICプレーヤーが貸与されます。普段から耳を英語の発音に慣れさせるために、電子辞書を利用したり、英語のアプリを利用しながら学習するようにしましょう。
もちろん、従来の文法や読解の勉強は変わらずにしっかりと行う必要があります。ご紹介した高校の参考書や問題集を何冊も買う必要はありません。手にした1冊の参考書を「一通りやった」と終わらせるのではなく、「すべて覚えた」といえるくらい何度も繰り返し学習することが大切です。
参考
参考書や問題集は1冊を繰り返して何度も解くことが大切|大学受験の赤本
まとめ
今回の学習指導要領の改訂は、日本人にとって大変素晴らしい改革だといえます。これまでは、学生時代に一生懸命英語を勉強しても、結局社会人になると使うことができずに忘れてしまうという現実がありました。しかし、改訂によって使える英語を学ぶ機会が得られたのです。子供たちがこのチャンスを生かし、活躍の場を日本に留めず、世界へ広げていくことを期待しましょう。
参考
(大学入試改革)民間の英語4技能試験の結果の提供について(平成30年8月10日)|文部科学省
【早わかりQ&A】センター試験廃止へ 2020年度からの新テストは何が変わる?|高校生新聞
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