旧六医大の偏差値
医学部というと、とにかく偏差値が高いイメージを持つ人が多いものですが、実際のところはどうでしょうか。東京大学や京都大学、大阪大学の医学部は、偏差値が70を超えるほど高いです。
旧六医大の医学部も偏差値は65前後はあります。旧六医大の中では、千葉大学の医学部の偏差値が頭一つ出ている状態で、旧帝大の東北大学や九州大学、名古屋大学の医学部と偏差値から言えばほとんど同じ水準です。どの大学も62.5から67.5程度の偏差値はあり、難易度はかなり高いことが分かります。
旧六医大の評判
旧六医大は、国公立私立含めて日本に81ある医学部の中でも、旧帝大に次ぐ評判があると言われます。国立の医学部は全部で42校あり、その中でも旧六医大の人気は高いと言えるでしょう。
ただ、偏差値で言うと「私立医大御三家」と言われる、慶応義塾大学医学部、東京慈恵会医科大学、日本医科大学は旧六医大よりも高く、国立よりも高い学費を支払って私立医大御三家に行く学生も多くいます。
旧六医大の特色
旧六医大の全体像に触れたところで、旧六医大それぞれの特色をご紹介します。同じ医学部と言えど、どのような分野に注力しているかやどのようなカリキュラムを組んでいるかは異なります。
【千葉大学】アウトカム(成果)基盤型教育
【偏差値】 67.5(センター試験得点率:89%)
千葉大学の医学部医学科では、基礎医学と臨床医学を学びます。基礎医学では、講義と小グループでの実習を行いながら、解剖学、生物学、細菌学などさまざまな角度から学んでいきます。
また、臨床医学には多数の分野があり、講義と実習を中心に自律的な学習能力を身につけていきます。薬学部や看護学部の学生とともに、学校内外の医療・福祉・保健施設での体験学習も入学直後から行われています。
そんな千葉大学医学部は、日本で最初にアウトカム基盤型教育(outcome based education)を導入しています。アウトカム基盤型教育とは、「何を教えるか」ではなく、「どういう医者を育てるか」というアウトカムを設定して学ぶことを指します。
そのための手法として千葉大学は早期段階で体験学習を行い、現場で働く医者の姿を見たり、少人数でのチュートリアル教育(提示された課題に対して、チューターの助言をもとにグループで討論して学習を進める)を導入しています。
(参照元:2019年度入試難易予想ランキング表(国公立大)|河合塾)
【金沢大学】地域に貢献する大学
【偏差値】 67.5(センター試験得点率:88%)
金沢大学医薬保健学域医学類は、国立大学の医学部としては長崎大学、東京大学に次ぐ歴史を持っています。患者中心の全人的医療ができる医師と医学者の育成を目標にしている金沢大学は、地域社会に貢献することを大切にしています。
例えば、石川県内の医師不足や今後の高齢化社会の状況をかんがみて、石川県の地域医療を担う医師向けの特別枠が存在しています。また、地域医療への関心を高めるために、春季休暇・夏季休暇中に「地域医療研修in能登」が行われており、地域に貢献するための医師を育てる活動を積極的に行っています。
また、金沢大学はスーパーグローバル創成支援事業に採択されており、地域だけでなくグローバルな取り組みにも力を入れています。1年次では海外語学研修があり、2年次では必修科目として医学英語を履修することになっており、国際社会でも活躍できる医師の育成も行われています。
(参照元:2019年度入試難易予想ランキング表(国公立大)|河合塾)
【新潟大学】伝統ある脳研究・腎研究
【偏差値】 65(センター試験得点率:87%)
新潟大学医学部は、脳研究と腎研究で有名です。脳研究では、60年以上の歴史を持っている新潟大学附置の研究所があります。そこでは、基礎的な分野から精神疾患や神経疾患などの臨床的な分野まで幅広く研究が行われています。
また、腎研究では、国立大学法人唯一の腎研究所を所有しており、基礎腎臓研究が行われています。施設だけでなく、科学研究費の面から見ても、新潟大学の腎臓内科学に対する金額は国立大学の中で一番高く、まさに腎臓研究のメッカと言えるでしょう。
「佐渡島から寝たきりをなくそう」というビジョンのもとで行われている「佐渡プロジェクト」は、文部科学省からの支援がある研究です。研究成果ができるのには長期的な視点が必要ですが、高齢化社会を迎えている日本にとって、これから高齢化社会を迎える世界各国にとっても意義のあるプロジェクトでしょう。
(参照元:2019年度入試難易予想ランキング表(国公立大)|河合塾)