未経験から騎手になるには?仕事内容やなるためのルートを紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

騎手に求められる素質

ストイックさ

騎手として活動するための前提条件は、小柄で運動神経が高いことです。騎手は、50キロ前後の体重を維持しなければなりません。時には、食事制限やトレーニングで体重をコントロールをする必要があるでしょう。レースでは、時速60~70キロで走る馬の背中に乗って、ゴールまで導きます。馬上の不安定さに耐え、最速で疾走していくには、バランス感覚や運動神経も必要でしょう。こういった体作りを常にストイックに行うのが騎手として活躍する前提です。

レースで勝つ闘争心

最大18頭で争うのが競馬のレースです。1位を目指すために、闘争心も必要でしょう。ほかの競走馬や騎手との駆け引き、担当馬のコンディションも、勝敗を分かちます。時には、落馬事故で大けがを負い、死亡事故に至ることもあるようです。騎手として勝ち続け、騎手として選ばれ続けるために闘争心を持ち合わせておく必要があるでしょう。

騎手の1日の過ごし方

1日の過ごし方は、平日と週末で異なります。週末には、レースでの騎乗を控えているため、平日にトレーニングセンターで競走馬の調教、厩舎作業などを行っています。
1例ですが、平日の騎手の過ごし方をご紹介します。

  • 4:50 寮から馬の調教のために、厩舎へ向かいます。トレーニングセンターの敷地内には、騎手のための独身寮を設置しています。主に若手騎手が住んでいます。
  • 5:00 厩舎で調教の準備を始めます。調教の内容や次の出走予定のレースについて、スタッフと騎手で打ち合わせをします。毎日、開場時間の2時間前に集合して準備を始めます。調教の準備ができたら、馬の準備運動から始めます。
  • 6:30 厩舎を出てから、調教師が各馬の調教コースや内容の指示を出します。調教コースは、芝やダート、ウッドチップなどの馬場や、平地や障害物、坂道などの形態により異なります。どういった調教メニューを行うかで使用するコースも変わります。
  • 7:30 厩舎に戻って2頭目の調教の準備を始めます。騎手は、1日で3~4頭、多くて5~6頭の調教をしています。1頭あたりの調教かける時間は、約30~60分ほどです。
  • 8:35 朝食を食べながら、競馬専門紙などのマスコミの取材を受けます。
  • 9:20 3頭目の調教を開始します。
  • 10:10 調教スタンドで騎乗予定馬の打ち合わせを行います。
  • 10:50 レース出走のための手続きを、出馬投票室で行います。
  • 11:00 休憩と昼食
  • 15:00 出馬投票の結果を開票して、週末にレースへ出る馬が決まります。同時に、騎手の出場も分かります。
  • 15:10 レースに出場する際に、騎手の着る服を「勝負服」と呼びます。この勝負服は、馬の馬主が決めています。勝負服を各厩舎で管理しているため、厩舎で勝負服を受け取ることも騎手の仕事です。
  • 16:30 厩舎での掃除や馬の餌やりを終えて、寮に帰宅します。

一方の週末では、

  • 3:00 担当馬の調教を準備します。
  • 4:45 調教を終え、出場する騎手専用の「調整ルーム」で準備をします。
  • 6:00 競馬場の調整ルームに到着後「ジョッキールーム」で朝食や仮眠をとり、8時ごろまで休憩します。
  • 9:00 騎手は、指定の「負担重量」で騎乗することを義務づけられます。レース結果に影響するため、その基準は厳しく設けられています。レース前とレース後に検量室でチェックを受けます。
  • 9:05 鞍などの準備を整え、装鞍所に向かいます。
  • 9:50 馬にパドック(下見所)を周回させ、コンディションの確認を行い、調教師や厩舎スタッフと打ち合わせをします。レース20分前には騎乗合図がかかるため準備します。
  • 10:10 全馬がレース場にゲートインしたら、スタートです。
  • 10:15 鞍などを外して、すぐに後検量を受けます。表彰式やマスコミの取材にも対応します。
  • 10:25 次のレースの馬に騎乗します。一人の騎手が1日で出るレースの数に上限はないため、全レースに出ることもあります。
  • 15:30 レースを終え、用具の片付けをします。

このような1日の過ごし方になります。