デメリットと解決法
まず、多くの人が思いつくであろうデメリットについて触れておきたいと思います。周りから言われたデメリットを取り上げて、私なりの解決法を挙げていきます。
「モチベーションが保ちにくそう」
1年間部屋にこもって1人きりで勉強することをありありと想像してみると、最後までモチベーションを保つことは難しいのではないか、という懸念が出てくると思います。その懸念に対して、私が忘れないようにしていたのは、一般受験は「問題が解ければ受かるし解けなければ受からない」という単純な仕組みなのだ、ということです。単純な個人競技なのだから、モチベーションは常に過去の自分→今の自分→未来の自分という風に、自分個人によってのみコントロール出来るものだと考えていました。誰と比べるでもなく、ただ前回より点が取れているかどうかだけに集中する。それによって、モチベーションが不必要に上下することを防ぐことができたと思います。
「疑問が解決しなさそう」
参考書を読んでもわからなかったらどうするのか。この質問もよく受けました。もしすぐに誰かに解説してもらうことで効率よく勉強できるタイプならば、このデメリットは大きいかもしれません。私の場合はもともと、人が話していることを理解するよりも、文章を読んで理解することの方が向いていたので、むしろ予備校でついていけずに置いていかれる不安の方が大きく、自分のペースで立ち止まったり戻ったり進んだりできる個人学習が功を奏しました。大きな声では言えませんが、参考書を読んで理解できず、かつ得点にあまり結びつかない内容ならば、早めに諦めてその部分は捨てる、という選択肢もあります。
自宅浪人のメリット
1人で勉強することには、上記のような不安要素もありますが、実はたくさんのメリットがあります。その中でも私が特に実感した2点を挙げます。
時間を自由に使える
当たり前のことではありますが、何よりも重要な点だと思います。いつ起きて、いつ何の勉強をして、どのくらい休憩して、いつ寝るのか。授業の予定に合わせるのではなく、自分の体調ややる気に合わせて行動を常に自由にコントロールできることは、効率よく勉強を進めることに役立ちました。
客観性が身につく
自力で勉強して合格までたどり着くには、何よりも「客観的であること」が重要でした。まず志望校を決めるときには、家族に対して、自分がいつまでに何をどうすることで合格することができると考えているのか、という計画表を提出しました。応援してもらいたかったこともありますが、他人を納得させることができる計画なら実行できるだろうと考えたからです。勉強を進めるときも、常に他人の目を持って、自分に対して「この人は今何をすべきか」を問うように努める癖がつきました。これは、受験に合格するという目的だけに結びつくメリットではなくて、その後のいろいろな物事の考え方にも繋がるものだと思っています。