大学院に進学するデメリット
学費がかかる
学部卒業後にさらに進学することになるため、相応の学費がかかります。学費は、国公立か私立か、あるいは文系か理系かによっても異なります。特に博士課程では学会に参加する機会も増えるため、学会に参加するための費用も必要となります。大学院生を対象とした奨学金制度などもあり、進学を検討する場合は調べておくといいでしょう。
就職に有利にならない・大卒と待遇が同じことも
研究内容と直接関係がない企業に就職したり、大学院生枠のない企業に就職する場合は、就職で有利にならなかったり、大卒と待遇が変わらないこともあります。しかし、大学院で培われる問題意識をもつ力や、物事を深く追求する力などはどんな仕事にも役立てることができるため、就職後の昇進では有利に働く可能性もあります。
社会人デビューが遅くなる
大卒で就職した人に比べて、社会人デビューが2年以上遅くなります。大学院卒で社会人1年目のスタートのとき、大卒の人達はすでに社会人3年目を迎えています。大学院で学んだ知識や経験は貴重なものですが、2年の社会経験の差も大きいものです。社会経験の差を考慮しても進学すべきなのか、慎重に考えましょう。
研究漬けの日々になる
学部の頃に比べて勉強量が相当増えるため、研究漬けの日々を送る覚悟が必要です。特に理系の場合は、実験で研究室に毎日入り浸りになることもよくあります。
求められるレポートの質やプレゼンテーションの難易度も上がり、授業の予習復習にも時間がかかります。英語で行われる授業がある場合は、英語のリスニング力、ライティング力を高める努力も求められるでしょう。
社会人になってから大学院進学の選択肢もある
大学院進学は、自分の将来にかかわる大きな決断の1つです。大学院で何を学びたいのか、進むべき目的がはっきりしている人は大学院に進むべきですが、そうでなければ進学の決断を焦る必要はないのではないでしょうか。
近年は、社会人を対象とした通信制の大学院や、夜間に通える大学院などが多くあり、働きながらでも学べるよう、さまざまなカリキュラムが用意されています。社会人になってから進学するメリットは、仕事上の課題解決や、自分が何を学びたいのか問題意識がはっきりする可能性があることです。仕事や家庭との両立が大変という面はもちろんありますが、学費は社会人になってからの方が工面しやすい面もあるでしょう。
子供が大学院への進学を検討している場合は、卒業後のキャリアプランを見据え、大学院に進学するメリット、デメリットをよく考えてから決断することをおすすめします。
参考
平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況|厚生労働省
「学校基本調査-平成30年度結果の概要」-調査結果の概要(高等教育機関)|文部科学省P3、P13
大学院とは?進学を決断する前に考えたいメリット・デメリット|タウンワークマガジン
理工系の大学院ってどんなところ?理系の大学院に進学するメリットとデメリットとは| 工学スタイル
大学院に行く前に聞いておきたかった7つのアドバイス|lifehacker
どんな大学院があるの? | 大学院へ行こう! 大学院進学情報サイト
修士と博士の違いを徹底解説!!就職に有利なのはどっち?|ワンダートレンド