大学院への進学率
文部科学省の「平成30年度学校基本調査」によると、大学卒業後に大学院に進学している割合は10.9%です。文系、理系別の進学率では、理系の進学率の方が高くなっています。特に理系では、大学院に進んで専門性の高いスキルや研究能力などを身につけた場合、就活で有利になるといわれています。
<大学院修士課程への進学率>
・文系専攻 約5~10%(社会科学10.0%、人文科学6.0% 教育5.2%)
・理系専攻 約5~41%(工学 41.0% 理学8.9% 農学 5.4%)
(参照元:「学校基本調査-平成30年度結果の概要」-調査結果の概要(高等教育機関)|文部科学省P3、P13)
大学院に進学するメリット
高い専門性を身につけられる
大学院では、学生同士で切磋琢磨しながら、自分で設定した研究課題について深く思考できる場です。学部で学んだ理論を応用し、仮説の検証を行うために、実験や調査などを行う機会もあるでしょう。
指導教員の手厚いサポートも受けることができるため、さらに踏み込んだ研究に取り組むことができ、高い専門性を身につけることができます。
初任給が高い場合がある
初任給は、大卒と大学院卒でどのくらい違いがあるのでしょうか。「平成30年賃金構造基本統計調査」の結果によると、初任給は大学院卒の方が約3万円高い傾向にあります。
<学歴別にみた年初任給>
大学院修士課程修了 238.7千円
大学卒 206.7千円
(参照元:平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省)
就職の選択肢が増える・有利になる
高度な専門知識を身につけることができれば、研究職の道を志すこともでき、就職の選択肢が増えるでしょう。
特に理系は、大手企業での研究職の応募条件として大学院を修了している必要があります。文系も、経営学修士(MBA)を持っていると、コンサルティング会社やシンクタンクなどの就職で有利な場合があります。
人脈が広がる
大学院は、授業やゼミなども学部に比べて少人数制で、教員との距離が近くなります。教員と親しくなるため、授業のアシスタントを頼まれることもあるでしょう。大学の共同研究の現場を見学する機会や、大学院の公開授業の手伝いをしたりすることもあるかもしれません。
博士課程に進む場合は、学会に参加することも増えるため、人脈を広げるよい機会になります。同級生とも、研究テーマについて相談し合う機会が多くなり、ともに研究室で過ごす時間が長くなることで学部時代よりも親しい友人ができることもあります。学内、学外での人脈が広がることは、大きなメリットと言えます。特に学外の人脈は、就職につながる可能性もあります。