管理栄養士の活躍する場所
管理栄養士は栄養を管理し、食事の栄養指導をするのが仕事です。管理栄養士が働く場所は学校や病院というイメージが強いですが、他にもいくつか活躍できる場所があります。学校や病院、福祉施設や社員食堂までその範囲は広く、管理栄養士を必要とする場所ばかりです。
病院
管理栄養士の職場として最も多いのが、病院です。病院食の指導や管理というのも仕事のうちですが、その他にも管理栄養士ができる仕事はあります。基本的に食事に関わる指導が主ですが、医師や看護師、薬剤師や理化学療法士などがチームを組んで治療に取り組むようなときに、管理栄養士のチームの一員として参加します。
チーム医療では高度な栄養管理が求められるため、管理栄養士が必要とされるのです。食事制限があるような場合も、管理栄養士がその人にとってベストなメニューを提案します。チーム医療に参加する場合は、栄養以外にも医療に関する知識も求められます。チーム医療には栄養士も参加することがあります。この場合の位置づけは管理栄養士が栄養管理と栄養指導を、栄養士はフードサービスというように分担も決まっています。
スポーツ施設
スポーツをする人にとっては、体が健康であることは何よりも重要です。さらに人より多くのエネルギーを消耗するため、必要な栄養も変わってきます。管理栄養士は、トップアスリートやスポーツ愛好家まで、体つくりに役立つ栄養指導をすることができます。
トレーニングに必要な体つくりにはどんな栄養が必要なのか、試合に向けて食事を変える場合は、不足しがちな栄養をどのように補うかなども考え提案します。トップアスリートの場合は体が資本ですから、選手だけでなくコーチや監督とも相談しながら栄養管理や栄養指導を行います。
スポーツをする子供の場合は、子供の保護者に向けて体に必要な栄養を考えて、育ち盛りの子供に最適な食事を提案することもあります。普段の食事で注意すべきことなども聞けるので、子供にとっても保護者にとっても心強い味方となってくれます。
保育園や幼稚園、高齢者福祉施設
保育園では給食を食べるところも多いです。この場合も管理栄養士が子供達のメニューを考え栄養管理と栄養指導をします。幼稚園ではお給食がなく弁当を持参するところが多いですが、この場合は保護者に栄養指導をするのも管理栄養士の仕事です。
子供が利用する施設としては、児童福祉施設などもあります。児童福祉施設は0歳~18歳までの子供がいるので、年齢に合わせて最適な栄養になるよう管理します。福祉施設には高齢者や障害を持った人が利用する場所もあります。こういった福祉施設でも管理栄養士が活躍できます。
高齢者や障害を持つ人も、それぞれに必要な栄養は異なります。食事制限が必要な場合も、管理栄養士が管理と指導を行うので最適な食事が食べられるのです。ただ食事を管理しメニューを決めるだけでなく、食欲がない人や季節の変わり目など食欲が落ちやすい時期には、食べる意欲が出るよう季節を感じられるメニューなども提案します。
施設の場合は単に栄養管理や食事指導をするのではなく、医師や看護師、介護士や理学療法士と連携してチームとして取り組むこともあります。
他にも企業の社員食堂や大学の食堂などで、食事や栄養の管理を行うこともできます。社員食堂の場合は、社員の年齢が幅広いため、各年齢に合わせたメニューをいくつか考えます。年齢によって必要な栄養は変わりますし、中高年になると生活習慣病なども気になるので管理栄養士がいる社員食堂は栄養バランスを考えた食事が食べられます。
行政の保健センター・保健所
都道府県の描く自治体の保健センターも、管理栄養士が活躍できる場所です。地域住民の健康政策のサポートの一環としての、企画やアイデアを出すこともあります。地域住民の健康を考える目的で行われるイベントに参加したり、地域住民への調査をしたりというのも管理栄養士が担当します。
イベントとしては栄養相談にのることもありますし、地域の食環境設備が整っているかの調査や管理を任されることもあります。管理栄養士は栄養管理以外にも、さまざまな仕事ができるのです。活躍の場は選択肢がありますが、働く場所によっては年収なども変わってきます。
行政だけでなく、地域に密着した活動も行います。地域のケアステーションなどに勤務して、個人事業主や地域住民の相談にのったりアドバイスしたりというのも管理栄養士の仕事です。
まとめ:栄養面から健康を支援しよう
管理栄養士は、人びとの栄養を考え健康的に過ごせるようサポートや管理をするのが仕事です。国家資格となるため、簡単には取得できませんが、晴れて資格を取得すれば幅広い分野で活躍できます。親も子供たちの夢を追うサポートができるよう、早くから情報収集に勤めておきましょう。