編集者になるルートとは
出版社に就職
大手出版社での採用は狭き門となっています。情熱を持つ学生が集まりますが、有名大学出身の学生が選考では勝ち残っているようです。出版社に合った自分の専門性を持つと、より採用の可能性は高まります。音楽雑誌の出版社であれば、音楽に精通していることは就職活動で有利に働くでしょう。例えば、さまざまなインディーズバンドのライブに月に何度も足を運んで、メンバー達とも交流を深めているとなると、他にない独自性を持つことができるかもしれません。
編集プロダクションに就職
編集プロダクションは、出版社の下請け企業です。主な業務は、出版社の企画した書籍や雑誌の作成を行います。例えば、本のデザインや取材、文章の校正などでイラストレーターやインデザインといったソフトを使用して編集を進めます。出版社の応募と同様に、自分の専門性を持っておくと有利でしょう。
アルバイトとして働く
編集プロダクションの業務は多忙です。転職や出版社からの引き抜きも多く、人材は流動的です。そのため、編集プロダクションは人材不足解消のためにアルバイトを募集しています。アルバイトとして働けば、雑用から段階に応じて文章を任せてもらうチャンスもあるかもしれません。先輩たちの仕事を横で見て学びながら、スキルアップを目指しましょう。
フリーランスとして活動
フリーランスの編集者として働いている人もいます。ただ、いきなりフリーランスになれるわけではありません。出版社や編集プロダクションで経験を積み、独立していく流れが一般的です。フリーランスの最大の課題は、仕事を取ってくること。出版社や編集プロダクションで働きながら、業界内の人脈を作っておくことで、仕事を取るハードルを下げることができるでしょう。
編集者に必要な素質とは
情報リテラシー
情報が多く流れている現代では、流行の移り変わりも激しくなっています。そういった世間の時流をつかみ、どのタイミングでどの企画を世に出していくか、単なる読解力や情報判断力にとどまらない情報リテラシーが編集者には必要です。
編集者は、部数であれPV数であれ、「数字」を求められます。数字を上げるために常に人や場所、ネットから情報のシャワーを浴び続け、的確に世の流れを捉えていきましょう。特に読者ターゲットとなる世代が、どういった物事に「今」興味関心を抱いているのかは常に把握しておきたいものです。
企画力
編集者に特に必要なのが、企画力です。同じ物事を見て、他の人が気づかない視点や考え方に行きつき、それを企画として形にする力を求められます。
例えば、「焼肉」というテーマで雑誌の企画をすることになったら、「都内屈指の人気焼肉店」「外国人に人気の焼肉街、高田馬場」といった切り口で企画しても、これまでに何百種類と出た企画と重複してしまうかもしれません。
そこで、編集者自身が街中を歩きながら、路地裏にあるような焼肉店を見つけて、「路地裏にこそ老舗あり!個人焼肉店特集」といった企画を思いつくかどうかが大事。つまり、常に企画を作ることができるようにアンテナを張って、他の人の気づかない観点で企画を考える力が求められます。
コミュニケーション能力
どの媒体で編集するかで、誰と一緒に仕事をするかも変わってきます。デザイナー、ライター、カメラマン、スタイリストなど、さまざまな人との関わり合いで企画を進めていくのが編集者です。立場や職種の異なる人と仕事をスムーズに進めるには、コミュニケーション能力を求められます。
場面によっては、20代の編集者が40代、50代のベテランと企画を組むこともあるでしょう。価値観の異なる世代や性別の方ともうまくコミュニケーションを取り、より良い企画を生み出していくことが大切です。