大学院辞めたい?健康状態は?休学・留年・再入学・就活について - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 3

本人の健康状態は良好ですか?

大学院を辞めるか続けるかも含めて、進路は最終的に本人が決定するものです。実質的に周囲はアドバイスをしたり、ちょっとした手助けをする程度しかできることはないかもしれません。しかし、年長者として親がケアしてあげたいことに、本人の健康状態があります。

アカデミックハラスメントがある可能性も

「アカハラ」という略称もしばしば聞かれるようになってきた「アカデミックハラスメント」。せっかく頑張って進学した大学院にも関わらず、辞めたいと思うまでになってしまった背景にはこのアカハラがあるかもしれません。

アカデミックハラスメントとは、学術研究の場において、立場が上にある人が学生や部下などに対してハラスメントを行うことを指します。さまざまなハラスメントが考えられますが、いくつか例を挙げます。

・研究に必要な備品などを使わせない
・正当な理由がないにも関わらず単位を与えない
・研究室を休んで就職活動に行くことを認めない
・レポートや論文などを提出しても指導をしない
・人格を否定するような暴言がある
・暴力を振るう
・差別的な言動をする

大学院は大きな組織ですが、実際の研究は小さな研究室単位で行っています。中で何が起こっているのかは周りから見えにくいため、ハラスメントが発覚しにくいという構造があります。

本人の話を聞いてみよう

大学院を辞めたい学生全員がハラスメントに悩んでいるわけではありません。しかし、以前と比べて元気がなくなったり、痩せたり、太ったり、辞めたい理由を聞いても歯切れが悪いなどの特徴が見られた場合は、何かに悩んでいる可能性があります。ハラスメントは心身の不調や病気の原因にもなり得ます。まずは本人の話を聞いてみましょう。

ハラスメントの兆候がある場合は、さまざまな相談窓口が利用できます。各自治体の「法テラス」に行くと法律相談をすることができます。また、アカデミックハラスメントに特化して相談活動・研修などを行っているNPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」といった団体もあります。

参考
日本司法支援センター法テラス
相談活動|NAAH

大学の相談窓口を利用するときは注意して

各大学にもアカデミックハラスメントの相談ができる窓口が設置されています。ただ、大学内の相談窓口は組織内なので公平性が弱かったり、情報がどこまで守られるかが不明確などの問題があるとも言われています。通っている大学の相談機関がどのくらい信頼できるのか、見極めながら利用するのが良いでしょう。

まとめ

大学院を辞めたくなっても、挫折感が強くてなかなか次のステップに踏み出せないかもしれません。しかし、「ゆっくり休む」、「ほかのことをしてみる」、「就職する」など、環境を変えてみると意外と悩んでいたことが解決したり、大学院時代よりも楽しく毎日を過ごすことができたりするかもしれません。

1度社会人として働いた後に、再び大学院に戻る「社会人入学」という制度がある大学院も増えています。「なんとしても今修了しなくてはいけない」と気負わず、ほかの可能性に目を向けてみても良いのではないでしょうか。

参考
休学・復学するあなたへ | 筑波大学
【脱ブラック研究室】大学院つらい、辞めたい!結果、他大学院入学!|はるナビ
【経験者が語る】大学院を中退しようか悩んでいる人へアドバイス | んごブロ
大学院中退後は第二新卒、既卒? | 【応募】の転職Q&A一覧
アカハラ相談をする時のポイント~学内のハラスメント相談室に持ち込んだ際に注意したこと~ | Togetter

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akahoshitomoka

piggiesagogoクロシェター・ライター。 オリジナルの編み物作品の作り方を販売しながらライターもしています。守備範囲はハンドメイドから不動産まで。三浦半島が好きです。