社会人学生なら「やり直し」がしやすい場合も
大学院の編入は、特殊なケースを除くと非常にハードルが高い場合が多いです。しかし、「社会人入学」という制度を使えば、学生の身分で大学を移るよりも可能性が広がる場合があります。
一定の条件で博士課程から入学できる場合
修士号をすでに取得していて、一定の研究業績があると認められる人の場合、博士課程から入学し、かつ比較的短期間で博士号を取得できる場合があります。筑波大学では「早期修了プログラム」という名前で、最短1年間の在籍で博士号を取得できる社会人のためのコースを設置しています。入学を認められるためには、専攻分野ごとに学術論文の本数などの規定があります。
東京工業大学では、現在の職業を続けたまま入学することが条件で博士課程に社会人入学ができます。修士号取得者および同等の研究業績があると認められる人に出願資格があります。
参考
社会人のための博士後期課程「早期修了プログラム」 | 筑波大学
社会人学生募集 | 大学院課程入学案内 | 大学院で学びたい方 | 東京工業大学
もう1度修士からやり直す場合も
社会人学生として修士課程から入学できる大学もあります。出願資格に社会経験が加わるのが特徴です。学生時代の経験が選考に影響しにくくなるため、1度大学院を修了していたり、中退していたりする人でも再チャレンジしやすい制度と言えるでしょう。
東京大学では、社会人学生枠のある研究科や専攻があります。すでに修士号を取得している人でも、専攻分野が違えばもう1度修士課程から入学し直すことができます。出願時に社会人で、入学のタイミングで休職・退職することも可能です。ただし、すべての専攻に社会人学生枠があるわけではないので、希望する進学先があるかどうかはしっかり調べておくと良いでしょう。
筑波大学には、日中仕事をしている社会人向けに夜間に授業を行う「東京キャンパス社会人大学院（夜間）」があります。専攻分野は「ビジネス科学研究科」と「人間総合科学研究科」に限定されています。
参考
大学院入学者選抜方法の概要 | 東京大学
筑波大学｜学群・大学院｜東京キャンパス社会人大学院（夜間）
まとめ
大学院の途中から他大学に移動する「編入」は、日本国内では難しい場合が多いです。大学院に進学するときは、学部生のうちに自分のやりたい研究についてしっかりと考えておきましょう。また、進学先の雰囲気や拘束時間なども確認して、ちゃんと修士・博士課程を修了できそうな環境なのかも調べておくと良いでしょう。
また、1度進路選択を失敗したとしても、編入をしなければやり直しが効かないわけでは必ずしもありません。留学・社会人入学なども視野に入れて、長い目で研究を進めていける方法を検討していきましょう。
参考
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