法学部の就職先
前項でも書きましたが、法学部の就職先は弁護士・検察官などの法律家になる場合と、公務員・一般企業に就職する場合があります。法律を学ぶのだから法律家を目指す人が多いのだろうと思われがちですが、実際にはそれ以外の道を進む人が多くいます。特に就職先として多いのが公務員で、一般企業での就職先は金融業・製造業・通信事業など多岐に渡ります。法学は国のルールを学ぶ学問ですので、法の遵守が叫ばれる世の中で法律の知識がある人は必須の人材です。どの企業に就職したとしてもその知識は有利に働きます。
親が子供に就かせたい職業ランキング
以下の表はアニヴェルセルが実施したアンケート結果です。
「自分の子どもに就いて欲しい職業は何ですか。男の子・女の子に分けてお答えください。該当のお子さまがいない場合は、いると仮定した場合をお答えください。」(複数回答)
- 男の子
- 女の子
(参照元:ふたりの夢を子どもに託す!?子どもに就かせたい職業の人気度ランキング!|アニヴェルセル)
上位は安定職「会社員」「公務員」
親が子供に就かせたい職業は、男の子・女の子とも1位「会社員」、2位「公務員」です。堅実な職業が上位にランクインしています。不安定な世の中で、子供が将来、お金に困ることなく安定した生活が送れるようにという親の願いが結果に表れています。
安定職に就くのに「法学部」が良い理由
公務員はどの学部出身者でもなることができますが、特に有利なのが法学部です。しかも、法学部出身者は国家公務員や地方上級公務員などトップクラスの職に就く人が多くいます。一般企業では銀行や証券会社など金融業への就職率が高く、いずれも倒産する可能性が低い安定した職業です。
公務員、金融業の双方とも、法律と密接な関係にあります。法学部の学生は、法律の基本的な知識を持っています。その上で現実の問題に法律を当てはめて考え、関係者の利害を調整する能力を身に付けています。その能力が仕事をしていく上でも有利に働くので、企業が求める人材と合致していることが多いのです。
一般企業の就職先例
法学部の就職先を見ると、公務員と金融業の就職率が全体の約4割程度を占めている場合が多いです。その他は製造業、サービス業、小売業とさまざまな業種があります。就職先の具体例を以下にご紹介します。
銀行
みずほ銀行
りそな銀行
三井住友銀行
三菱東京UFJ銀行
証券会社
大和証券
野村証券
保険会社
東京海上日動火災保険
損害保険ジャパン日本興亜
三井住友海上火災保険
法律家になるには
法律家になるために、まずは司法試験を受ける必要があります。そのためには2つの方法があります。1つは、法学部卒業後に法科大学院へ進学する方法です。法科大学院では法律の理論や実務を2年間勉強します。もう1つは、大学在学中に予備試験を受ける方法です。予備試験に合格すると法科大学院を修了した者と同等の学識を有すると認められます。
晴れて司法試験の受験資格が与えられ、無事合格できてもまだ終わりではありません。次は法律事務所・裁判所・検察庁・司法研修所などで1年間司法修習生として研修を受けます。それが終わり最終試験(司法修習生考試)に合格し、やっと弁護士や検察官などの法律家となる資格が与えられます。
このように、法律家になるには大変な努力と資金が必要になります。司法試験の合格者は平均的に30歳前後が多く、中には40歳過ぎてやっと合格できたという人もいます。