子供の将来に影響を与える文系理系の違いと今からできること - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

高校受験、大学受験、その先の就職にまで影響を与える文系と理系の選択。どちらか一方に偏る必要はありませんが、文系と理系それぞれの特徴や思考方法の違いを理解しておくに越したことはありません。子供の好奇心を引き出して、将来のために必要なスキルをつけるサポート方法を考えていきましょう。

就職、大学進学で必ず耳にする文系と理系とは?

高校や大学の進学が近づくと、意識することになるのが文系と理系の違いです。最初に、高校と大学での文系理系の違いをご紹介します。

高校における文系と理系

小学校では、選択教科は存在せず、どの子供も同じ教科を学びます。また、中学校においても、選択教科はあるものの、2年生で1教科、3年生で2教科と幅が狭く、文系理系に分かれることがない制度と言えます。

しかし、高校に進学すると高校による違いはありますが、2年生になるときに文系か理系かを選択します。選択した先によって、高校生活残りの2年間の授業内容が決定します。さらに、大学受験も文系と理系のどちらの学部を受験するかで試験科目が決まってきます。つまり、高校での文系理系の選択は大学受験まで影響を及ぼすことになります。

センター試験の科目で考えてみると、文系を選択した場合は、国語、外国語、地理・歴史・公民が必須になります。一方、理系を選択した場合は、数学、理科系科目が必須になります。

大学における文系と理系

大学での文系理系は、自分の希望する学部が文系なのか理系なのかの違いで考えることになります。大学受験のときに、志望する学部は文系か理系かが前提となるため、大学では人に聞かれない限り文系理系を意識することはありません。また、コンピューターの普及した現代では、従来は文系だと捉えられていた学部にも、理系のスキルが必要になってきています。

東京大学理工学部卒業でサイエンスライターの竹内薫は、「経済学部は理系だと考えるべき」と述べています。なぜならば、仮想通貨が普及している現代において、プログラミングが分からないと経済学は学ぶことができません。一般的に経済学部は文学部ですが、早稲田大学は、2021年度の政治経済学部の一般入試科目に数学I・数学Aを必須にすると発表しています。このことからも、文系理系の境目が変わってきているという認識が大学にあることが分かります。

文系理系どっち?見分ける方法!

進学を方向づけるという意味で、文系か理系のどちらかを選ぶことは重要なことです。では、どうしたら文系、もしくは理系に適しているかを知ることができるのでしょうか。ここでは、興味のあることと得意なことの2つの視点から、文系か理系かを見分ける方法をご紹介します。

見分ける方法1:興味のあることから考える

文系か理系かを見極めるには、興味のあることから考える方法があります。前述のサイエンスライター竹内薫は、文系と理系を選択するときのキーワードとして「コンピューター」を上げています。コンピューターに興味関心があり、使いこなせるかどうかが文系理系の違いということです。

コンピューターを使ってプログラミングをすることに熱中するようなら、コンピューターに興味があると言えるでしょう。高校生になっているのであれば、コンピューター言語のPython(パイソン)を使ってアプリを作るレベルにまでなっていれば、興味関心は十分です。逆に、コンピューターを扱うよりも、小説やエッセイなどを読むことが好きで、自分でも物語を考えることに興味があるようなら文系の傾向が強いです。

見分ける方法2:得意なことから考える

もう1つの見極める方法は、得意なことから考えること。1番分かりやすい判断基準は、学校の教科の得意不得意です。大学のセンター試験を考えると分かりやすいですが、国語、外国語、地理・歴史・公民が得意なら文系。小学校で考えると、国語、外国語、社会の3教科です。一方、数学、理科、情報処理が得意であれば、理系と考えることできるでしょう。

ただし、小学校や中学校の成績は、知識や技能以外にも表現や学習態度が加味されています。知識や技能がずば抜けて高くても、それを上手に表現できなかったり、学習態度が悪いと見なされたりすると良い成績は取れません。教科に興味があれば学習態度は良くて当然と思われるかもしれませんが、簡単すぎて授業がつまらないという可能性があります。大切なのは、教科の総合的な成績ではなく、知識と技能の評価に注目することです。

文系理系の思考方法の違い

文系と理系の適性を興味のあることと得意なことから考えてきましたが、ここからはさらに踏み込んで、思考方法の違いから文系と理系の違いを解説します。

文系は情緒的に考える

文系の人は、論理的な考え方が苦手で、その場の空気を大切にする傾向が強いです。そのため、物事を客観的事実に基づいて捉えるのではなく、情緒的に捉える傾向が強いのです。人との関わりを重視して、物事を考えるのが文系の思考方法の特徴と言えるでしょう。

理系は論理的に考える

一方、理系の人はその場の空気よりも、物事を客観的事実に基づいて捉え、論理的に考えます。そのため、人の意見が違っていると考えると、それを素直に論理的に事実に忠実に話そうとする傾向が強いです。人よりも科学的な観点を重視して、物事を考えるのが理系の思考方法の特徴と言えるでしょう。