大学別に見る国際教養学部の特色
それでは、国際教養学部を大学別に比べてみましょう。それぞれの大学で、カリキュラムや特色に違いがあるので、子供の進路や個性にあった大学を見つけてみてください。
国際教養大学
2004年に秋田に開学した新しい公立大学です。授業は少人数制、すべて英語で行われており、英語で自ら考え、意見を主張できる能力を鍛えます。在学中に1年間の留学が必須になっていますが、大学の授業料を納めているので留学先大学の授業料は免除されます。しかも留学先で取得した単位は大学の単位として認定されているので、留学1年間も含めて4年間で卒業可能です。就職においても、キャリア・デザイン・キャリア・カウンセリング、インターンシップなど多彩なキャリア教育を提供しており、2012年から2017年までの就職率は100%を誇っています。
千葉大学
総合大学の強みを生かし、国際教養学部=文系という概念から離れ、文系に加え人文社会科学、自然科学、生命科学などの科学的な分野もカバーする文理混合教育を実践しています。フィールドワーク、インターンシップ、ボランティアなどの活動体験を重視し、「現場で学ぶ・現場を学ぶ」ソーシャルラーニングにも積極的に取り組んでおり、就職にはとても役立つサポートが多彩です。卒業までに最低1回の留学が必須ですが、留学の時期や回数は学生が自ら決めることができるところがうれしいところです。
早稲田大学
授業は少人数制、ほとんどの授業は英語で行われています。専門的分野の学習が目的ではなく、基礎的な教養を磨きながら多元的な視野と論理的思考を養うことに重きを置いています。海外からの学生を積極的に受け入れており、学部内の共通語は英語とし、多種多様な文化・背景・言語を持つ学生たちとの交流を通して学生の国際感覚育成に取り組んでいます。また、在学中に1年の留学も必須となっています。
上智大学
比較文化コース(文学、哲学・宗教、美術史)、社会科学コース(文化人類学・社会学、歴史学、政治学)、国際経営・経済学コースの3コースに分かれ、専門教育を行っています。上智大学は総合グローバル学部という名の学部があり、国際教養学部と一見似ているように映りますが、違いについて次のように述べられています。
(国際教養学部は)高い英語の運用能力を持つことを前提に、幅広い教養と論理的思考力を養うこと(リベラル・アーツ)をめざす学部です。専門分野は比較文化、国際経営・経済学、社会科学の三つから構成されます。基本的に全ての授業が英語で行われますので、はじめから欧米の大学に近い環境で学ぶと考えてください。
(引用元:総合グローバル学部と国際教養学部の違いは何ですか? | 上智大学 総合グローバル学部(SOPHIA UNIVERSITY Faculty of Global Studies))
この記述からも分かるように、入学時にかなりの英語力が必要となり、出願するためには、SAT、TOEFLの公式スコアの提出が必要となります。入学のハードルは高いですが、卒業時には高レベルな語学力や国際性、専門的知識習得が期待されます。また、日本語教育にも力を入れており、世界に「日本」を発信できる学生の育成にも取り組んでいます。
獨協大学
英語に加え、中国語、スペイン語、韓国語のいずれかを選択する第2外国語併習のカリキュラムを導入し、マルチリンガル育成に取り組んでいるところが獨協大学の特徴です。各言語を1、2年次では週4回ずつ、3年次では週2回ずつ学び、実践的な外国語能力を養います。語学に加え、海外諸地域の文化や社会についても研究するので、卒業時には英語の教員免許だけでなく社会の教員免許も取得可能となっています。