大学無償化について反対派の意見と反対する理由とは - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

大学無償化のメリット

では、大学無償化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。対象となる学校から見て、どのようなメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。

大学教育の質の向上

対象となる大学には、実務経験のある教員による授業科目の配置が義務づけられており、社会の現実のニーズに対応したカリキュラム編成が行うことができると考えられています。このため、社会の最前線で実務に当たる人材が教員になることで、外部の意見を授業に反映する仕組み作りができます。

また、教員を、一つの学部に限り専任教員とする運用を緩和することで、社会の新たなニーズに柔軟に対応できる教育プログラムを実現できます。このほかにも、授業内容や指導方法の改善を図る教員研修の充実のほか、授業内容の充実、成績評価基準の明確化などにより、大学の質の向上につながるといえます。

大学卒業生の質の改善

大学等に対して対象学生の学習時間、成果などの情報の公開が義務付けられることで、学生が在学中に身につけた能力・付加価値が可視化されます。就職活動の際は、企業がそれを確認することで、企業側もまた、求める人材を専攻する上で役立ちます。

このように、大学などが示す可視化された学修成果の情報を、選考活動において積極的に活用していくことによって、大学生の質が向上すると考えられています。

経営力の強化

国は対象となる大学などに、学外理事を複数名置くよう促しています。これは、経営力強化のためにも、産業界等の外部人材の理事への登用をいっそう進める必要があると考えられたことによるものです。

また、大学の組織再編等を促進するため、国立大学においては、一法人の下で複数の大学を運営できる制度が導入され、私立大学については、学部単位での事業譲渡の円滑化や合併の促進など、連携統合や事業承継円滑化の環境整備を図る仕組みが導入されます。

以上の事柄により、大学等の経営力が向上し財務基盤が強化され、財務破綻などの金銭的危機から回避できると考えられています。

大学無償化のデメリット

では、大学無償化によるデメリットはどうようなものがあるのでしょうか。具体的に考えていきましょう。

なり手のない職業が増える

大学無償化によって大学卒業が恒常化すると、専門的知識や技術の会得に重きを置く、実践的・創造的技術者技術者が減り、一部の専門職の就職率が下がることが懸念されます。

離婚率が増加する可能性がある

これまで、経済的理由が原因で離婚をためらっていた夫婦も、子育てにおいて一番金銭的負担の大きい大学の学費の不安が解消されることで、離婚を考えるという家庭も増えると考えられます。

もちろん離婚にはメリットがあると捉える方も多いですが、この場合、いわゆるペーパー離婚という書類上だけの離婚をして世帯年収が下がったように見せる偽装離婚が問題となるかもしれません。