学歴社会は今も色濃く残っている?企業の採用基準とは - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

高学歴であることのメリット

超有名大学を卒業しているというだけで、採用担当者が応募者を見る目も変わります。採用市場では「学歴フィルター」と呼ばれており、高学歴の学生を面接に進めた方が採用コストをおさえながら、より優れた人材を確保できると考えているのです。では、高学歴であるということでどのようなメリットがあるのでしょうか。

社会的信用を得られる

高学歴であることの最大のメリットは、何と言っても社会的信用を得られるという点です。採用人数の少ない一流企業のインターンにも受かりやすいほか、採用につなげるためにインターン先で優秀な上司から指導してもらえることもあります。

また、高学歴の人は「仕事ができる」「処理能力が高い」「頭の回転が速い」といった期待を持たれやすく、重要な仕事を任されやすい傾向にあります。高学歴であることがその人の価値を決めるステータスにもなるため、周囲からの印象や対応も変わるのです。

就活に有利

超一流企業への就職を考えている場合、就職活動の際も高学歴であることが有利になるでしょう。会社説明会に参加する際、「東京大学」「京都大学」「慶應義塾大学」「早稲田大学」「一橋大学」などの有名大学出身であれば、有利に働きます。学歴が低い場合は学歴フィルターによって参加条件から自動的に弾かれてしまうため、説明会の予約をすることすらできないことがあります。

また、一流大学に在籍している学生のみを対象とした、大手一流企業の説明会やセミナーに参加できることもあります。学歴や偏差値が高い学生は優秀と考える企業にとって、1人でも多くの優れた人材を確保したいと考えているのかもしれません。他社との人材獲得競争に勝つために、優秀な学生に早い時期に内定を出すことは「青田買い」と形容されています。

また、中小企業においては、事業の伸び率に対して圧倒的に人員やリソースが足りないという問題を抱えています。もちろん、経営者にとっては1on1ミーティングを開いて従業員のモチベーションを管理することも大切です。しかし、自走力もあって仕事の理解が速い優秀な学生を採用することで、モチベーションコントロールに割くリソースを業務にまわせるのです。

年収が高い

厚生労働省が行なった「平成29年賃金構造基本統計調査」の中の学歴別の学歴、性、年齢階級別賃金に関する調査によると、高学歴の人ほど生涯で稼げる年収が高いことが明らかになっています。

(参照元:平成29年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

調査で発表されたグラフでも分かるとおり、学歴別に賃金をみると、大学・大学院卒は、男性が397.7千円、女性が291.5千円であった。それに対して、高校卒は、男性が290.7千円、女性が210.9千円となっていて、大学・大学院卒だと高い収入であることが分かる。

付き合う人の質が高くなる

高学歴の人には勉強熱心という傾向があります。興味関心の高い分野の専門性を高めるために、参考書を買って読んだり、セミナーに参加したり、交流会に積極的に参加したり、自分のフィールドを広げることに注力する人が多いです。そのような人は、家族や友人、社内の同僚や上司以外との接点が増えるため、人脈も広がり関わる人の質がどんどん高まっていきます。

最近では、大学在学中に起業をする人も多いことから、起業家が集まるセミナーに積極的に顔を出すことにより、大きなビジネスチャンスを掴むきっかけにもなります。

学歴社会がなくならない理由とは?

「学歴がすべてではない」という言葉を聞くことも少なくはありません。しかし、現状では、上でも触れたように人の人生の行方を大きく左右する要素となっています。高学歴であることにより、一流企業に就職しやすくなり、その結果高収入になる傾向があるということはデータでも示されている事実です。学歴は「すべて」ではありませんが、非常に大きな意味を持つものであることは間違いありません。

高学歴の人たちは、誘惑も多いであろう学生時代、その誘惑に負けずに勉強し、狭い門をくぐり抜けることで一流大学への切符を獲得しました。その努力は正当に評価されるべきでしょう。ただ、勉強でなくても、スポーツや音楽といった別分野で努力をしてきた人たちも同じような評価に値するでしょう。

しかし、冒頭でも述べたように、多数の応募者のエントリーシートを短時間で処理することを要求される就職活動の現場においては、だれもがわかる共通の物差しが必要です。そして、この物差しとして学歴に勝る機能を有するものを現状見つけることができていないことが、学歴社会がなくならない一番の原因ではないでしょうか。