防衛大学校1年間の生活
続いて、防衛大学校の1年間の生活についてご紹介します。
前期
4月:入校式
学校長から学生として任命され、この日から防大生として学生舎での生活が始まります。
4月:カッター競技会
第2学年が参加する防大伝統の競技会です。カッターとは、大型船に救命艇、連絡艇として搭載されるボートのことで、競技会では16中隊に分かれてレースを行って順位を競います。
4月:春季定期訓練
全学年が1週間、集中して訓練を行います。第1学年は基本教練等、防衛大学校で生活するための基礎を学びます。
7月:夏季定期訓練
全学年が約1ヶ月間、陸・海・空それぞれの要員に分かれて集中的に訓練を行います。
7月:遠泳(8km)
第1学年が参加する防大伝統の競技会です。全員が1ヶ月間ほぼ每日2kmから最大8kmの距離を泳ぐことになりますが、体力や空腹などさまざまな障壁が学生に立ちはだかります。1年生たちは、入学直後にあるこの最初の試練を乗り越えて防衛大学校でやっていく自信をつけると言われています。
8月:夏季休暇
帰省や校友会活動、海外旅行など、各々の時間を過ごします。
9月:水泳競技会
全学年が参加する競技会です。一般的な競泳だけでなく、作業服や足ヒレを装着して泳ぐリレーなど、防衛大学校ならではの種目もあります。
9月:前期定期試験
前期に学習した内容の定期試験を実施します。
後期
10月:秋季定期訓練
第1学年が約1週間、山梨県の北富士演習場で集中して訓練を行います。訓練内容は小銃射撃、戦闘訓練、歩哨訓練、宿営及び20km徒歩行進など、陸上訓練が中心となっています。
11月:開校記念祭
いわゆる学園祭ですが、防衛大学校では日ごろの訓練や学習成果を見せる場でもあります。観閲式、訓練展示、棒倒しなど、防衛大学校ならではの行事や展示が行われます。
なかでも「棒倒し」は防衛大学校開校記念祭の名物で、第1回開校祭からずっと続いている伝統行事です。安全性確保のため、全学年ヘッドギアを着用し、救急車もあらかじめスタンバイさせます。実際、毎年何人かが担架で運ばれるそうです。
優勝大隊には「棒倒し優勝大隊」と記された看板、優勝旗、優勝カップなどが授与され、学生宿舎に飾られます。
12月:冬季定期訓練(第3・4学年)
第3学年と第4学年が1週間、集中して訓練を行います。また、期間中に第3学年は硫黄島での研修も行います。
1月:冬季定期訓練(第2学年)
第2学年が約1週間、スキー訓練を行います。
2月:後期定期試験
後期に学習した内容の定期試験を実施します。
3月:持続走競技会(第4学年)
第4学年が参加する卒業前最後となる防大伝統の競技会です。各大隊の第4学年が5名1組のでチームを編成し、駅伝方式で1人5.7kmのコースを走ってタイムを競います。
3月:断郊競技会(第3学年)
第4学年が参加する防大伝統の競技会です。チームで走破し、1番遅い学生のタイムがチームのタイムとなるため、お互いに助け、励まし合いながらチーム一丸となってゴールを目指します。作業服に半長靴、背のう、水筒など約10kgの装備を身につけて、高低差約50m、距離7.0kmのコースを集団で走るタイムレースです。
3月:卒業ダンスパーティー
第4学年を対象にしたダンスパーティーが学年主催で行われます。学生生活最後の思い出づくりになります。
3月:卒業式
帽子を天井に向かって投げ上げるシーンで有名な防衛大学校の卒業式です。