採用側から評価される司会のポイント
続いて、司会として採用側から評価されるポイントについて紹介します。自分でいい司会ができたと思っていても、採用側から見て能力が高いと判断してもらえなければ、選考の結果につなげることはできません。評価のポイントを押さえて、司会を務める際は常に心に留めておきましょう。
全体のバランス調整ができる
グループディスカッションで司会が最も評価されるポイントは、「バランス調整能力」です。リーダー役というと自分から率先して意見を言い、周囲を巻き込んで結論へと話を進める能力が必要かと思われますが、実はそうではありません。全員がディスカッションに参加して自分の役割を発揮できるよう促し、話がそれたら戻すというバランス感覚こそが重要なのです。そのため、自分が活躍することよりも、ディスカッション全体がいいものになっているかを意識する必要があります。
ファンコミュニティ事業を手がける「クオン株式会社」で人事採用を担当している坪坂氏は、グループディスカッションで気にかけているポイントについて、以下のように述べています。
「個人ではなくチームでの成果を意識できているか?」ということです。個人プレイではなくチームプレイなので、チーム全員で成果を上げられるかが大事ですね。
(引用元:人事からフィードバックがもらえる!グループディスカッションイベント就活Dive!!|センパイの就活)
司会に立候補した以上、自分を最大限にアピールしたいという気持ちが働くかもしれませんが、実はそれが逆効果となってしまう可能性も十分にあります。
与えられたテーマにしっかりと向き合う
また、クオン株式会社の坪坂氏は、上記以外のポイントとして以下のように述べています。
「課題ときちんと向き合う」ことです。安易な結論にすぐ行き着いてしまいがちですが、時にはぶつかりながらも議論を深めるということを意識してほしいと思います。
(引用元:人事からフィードバックがもらえる!グループディスカッションイベント就活Dive!!|センパイの就活)
スムーズに進行することを意識しすぎると、ディスカッションが表面的なものになってしまう危険があります。人によって意見が異なったり、決まりかけた結論に反対意見が出たりすることは決して悪いことではありません。むしろ、いいディスカッションができていることを採用側にアピールするチャンスです。
もちろん制限時間以内に意見をまとめることは重要ですが、出題されたテーマの意味を考えるなど、物事を本質的にとらえる視点も忘れてはいけないということを、心に留めておきましょう。
グループディスカッションで起こり得るトラブルと対処法
グループディスカッションにおける司会の役割や、採用側に評価されるポイントを理解していても、実際にディスカッションの場ではどんなことが起こるかは分かりません。起こり得るトラブルと対処法を知り、万が一のときに備えておきましょう。
グループディスカッションの主なトラブルとして考えられるのは、「誰も意見を出そうとしない場合」です。1人1人に意見を聞こうとしても、誰も発言せず、ただ時間だけが過ぎていきます。そんな場合は、まずは司会自らの意見を述べてみましょう。「私は賛成ですね。なぜかと言うと~。〇〇さんはいかがですか?」といったように、最初にお手本となるような意見を出してほかの人が話しやすい雰囲気をつくることが重要です。
また、逆に「自分の意見を主張しすぎる人がいる場合」もあります。司会として意見に耳を傾けることは大切ですが、意見がテーマとずれていたり、ほかの人が意見を言えないくらい長々と話している場合は、思い切って割って入る必要があります。「少し話がそれてきているので、〇〇についてお聞きしてもいいですか?」「時間が迫ってきているので、結論をお話ししてもらってもいいですか?」といったように、やんわりと話を切り上げてもらえるよう声かけしましょう。
おわりに
グループディスカッションは、1人1人の能力を採用側から見られるとはいえ、チームで行うものです。特にディスカッションの進行役である司会は、全体のバランスをしっかりと見て、調整する役割を担っています。自分が評価されることよりも、全体のディスカッションをいいものにすることが、最終的な評価につながることを意識して、グループディスカッションに臨みましょう。
参考
グループディスカッションとは?流れやポイントを紹介|リクナビ就活準備ガイド
人事からフィードバックがもらえる!グループディスカッションイベント就活Dive!!|センパイの就活
グループディスカッションで僕がやらかした失敗談3つとその対処法|元公務員エンジニアまろんの下克上ブログ