自分1人でじっくり自己分析するやり方
自分のことは自分が一番よく分かっています。そこで、じっくりと1人で自己分析を行う方法をご説明します。
Step1:人生を振り返る
人格というものは、過去の経験から培われるものです。そこで、自分の人生で起きた過去の出来事を振り返ることから、自己分析を始めてみましょう。人生を振り返る方法は2つあります。
方法1:自分史を作る
自分の人生を区切って年表にして示しましょう。転職者は社会人として就職した経験も書くのがおすすめです。
出来事は「真剣に取り組んだ経験」を中心に、箇条書きで書いていきましょう。この時、成功体験だけを書くのではなく、失敗体験もためらわずに挙げていきましょう。
下記表は自分史をつくる際の参考としてご利用ください。
【自分史の例】
時代 | 出来事 |
幼少期 | |
幼稚園 | |
小学校 | |
中学校 | |
高校 | |
大学 | |
就職 |
方法2:モチベーショングラフを作る
モチベーショングラフとは、年齢ごとに自分のモチベーションの上り下がりを折れ線グラフ化したものです。下の表はモチベーショングラフをイメージしやすいように、参考として作成したものです。
このように、モチベーションの変化をグラフ化すると文字よりも視覚的に印象に残りやすくなります。
そして、モチベーションが上がった、または下がった理由や出来事をグラフに書き込んでいきましょう。
【モチベーショングラフの例】
Step2:エピソードを掘り下げる
人生を振り返り、真剣に取り組んだ体験やモチベーションが変化した出来事を挙げられたら、その一つ一つのエピソードごとに、「なぜ?どうして?」と問いかけて深掘りしていきましょう。それによって、自分自身では気がついていなかった潜在的な価値観や判断基準を見つけることができます。
エピソードの掘り下げポイント
過去のエピソードを掘り下げる方法を、就職を成功させるノウハウを掲載するサイト「賢者の就活」から引用しまとめたのが次の表です。
気付きポイント | 具体的な掘り下げ方 |
始めた動機 | なぜその活動に取り組んだのか? |
モチベーションの理由 | なぜその活動を頑張れたのか? |
課題・問題 | その活動の中で、どんな問題・課題に取り組んだのか? |
対処法 | その課題・問題に対して、どのような対処をしたのか? |
結果 | 対処した結果はどうだったか? |
成長・学び | その結果から、どんなことを学んだのか?どんな影響を受けたのか? |
挫折 | その活動の中で、辛い壁にぶつかったか? |
継続できた理由 | その壁を乗り越えられたか?なぜ乗り越えられたのか? |
(【就活】自己分析のやり方はこれで完璧!自己分析を完成するステップ5つ|賢者の就活 より一部引用抜粋)
「ツァイガルニク効果」に注意して前向きに考えよう
エピソードを掘り下げる時に気をつけたいのが「ツァイガルニク効果」という心理現象です。心理カウンセラーが監修するサイト「心理資格ナビ」でツァイガルニク効果について次のように説明されています。
人は達成できた事柄よりも、達成することができなかった事柄や中断している事柄のほうを強く覚えている、という現象
(引用:ツァイガルニク効果とは|心理資格ナビ)
自分史やモチベーショングラフを作成している時に、辛かった経験を思い出してしまい、後ろ向きになったり自信を失ってしまう方も中にはいらっしゃるでしょう。
しかし、「失敗は成功のもと」と言われるように、辛い経験は成長のチャンスでもあります。そのため、失敗や辛い経験を当時の自分がどのように乗り越えたのかを具体的に書いてみましょう。
また、自分の長所を見つけるよりも、短所を挙げる方が多くなってしまう場合もあるでしょう。しかし、短所は長所と表裏一体であることがよくあります。短所ばかりに目が行ってしまう場合は、どのように視点を変えたら長所と捉えられるかを考えてみましょう。
Step3:共通項を見つける
複数のエピソードを掘り下げ、自分の価値観や判断基準を浮き彫りにできたら、続いてはそれらの共通項を見つけていきましょう。社会人として必要とされる仕事上の能力をまとめたのが次の表です。
【共通項目として考えられる能力】
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参考
Q21.今後、仕事をする上で必要だ(伸ばしたい)と思う能力はどれですか|タイプ、「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料|経済産業省
応募企業に、自分の行動特性の質が高いことをアピールするために、上記表のどれに自分が当てはまるかを考えてみましょう。
客観的な材料を集めて自己分析に役立てる方法
自分だけでは自己分析が上手くできない方や、自分以外の意見も自己分析の参考に聞いてみたいという方は、就職支援サイトや周囲の助けを借りて自分の強みや弱みを特定するのもいいでしょう。
方法1:就職支援サイトの自己分析診断を利用する
会員登録をするだけで簡単に無料で自己分析ができるサービスが多くあります。
質問に答えるだけで診断してくれる自己分析ツールでは、短時間で自分の強みや弱みを特定し、グラフ化してくれるサイトもあります。隙間時間を見つけて取り組んでみてはいかがでしょうか。
方法2:他己分析を利用する
他己分析とは、他人に自分の性格を分析してもらう作業のことです。自分一人で行う自己分析はどうしても主観的な視点になりがちです。そのため、客観的な視点である他己分析を取り入れることで、自分だけでは気づかなかった特性を知ることができたり、エピソードの信憑性を増すのに役立てることができます。
他己分析は、他人から自分の長所や短所、外見などの印象を聞き取ることから始めましょう。聞く相手は、親しい友達や家族以外に、面識が浅い人もおすすめです。人によって客観的視点が異なるので、できるだけ複数人に質問をする方がいいでしょう。
その後自分で行った自己分析結果と他己分析結果を照らし合わせます。この時、自己分析と他己分析が共通していれば、強みとして就職活動に活かしましょう。反対に自己分析と他己分析が乖離している場合は、改善する材料としてギャップ原因を分析してみましょう。
まとめ
自己分析で得られた自分の行動特性を採用選考書類や面接でアピールする時は、応募企業ならではの特徴との接点を見つけてキャッチフレーズをつけるのがおすすめです。
例えば、自分の行動特性が「忍耐力」ならば「最後まで諦めずにやり遂げる」「さまざまな人の意見を聞く努力をする」などさまざまな忍耐力を表す表現があります。
より的確なキャッチフレーズを見つけて、自分の行動特性の質の高さを人事担当者にアピールしてみましょう。
参考
【おすすめ作成法も伝授】自己分析に役立つモチベーショングラフの作り方とは|就活市場
【心理学】もう失敗なんて気にしない!ツァイガルニク効果を利用して前向きに生きるには?|心理カウンセラーの教科書
他人はあなたをどう見ている?他己分析の方法|マイナビ新卒紹介
【就活】自己分析のやり方はこれで完璧!自己分析を完成するステップ5つ|賢者の就活