分かりやすい文章の書き方テクニック
説得力のある良い文章でも、内容が分かりにくかったり、間違いだらけだったりすると、学校側も採用を躊躇しかねません。文章が原因で将来の夢が妨げられないよう、基本的な書き方テクニックを押さえておきましょう。
主語と述語を対応させる
以下のように、途中で主語が入れ替わっている文章を見かけることがあります。
- NG例
両親は、はっきり部活を辞めろとは言わなかったが、勉強との両立に苦労しているので、塾を優先すべきだと言われた。
主語が「両親」なのは「部活を辞めろとは言わなかった」までで、それ以降の文章の主語は「私」です。以下は、主語と述語を対応させた正しい文章です。
- 改善例
両親は、はっきり部活を辞めろとは言わなかったが、私が勉強との両立に苦労しているのを見て、塾を優先すべきだと言った。
1つの文に1つの内容を書く
1つの文章の中でたくさんのことを述べようとすると、文章が長くなり分かりにくくなります。1つの文章には1つの内容を書くようにしましょう。例えば、上の例文では、両親が「部活を辞めろと言わなかった」と「塾を優先すべきと言った」の2つのことを述べています。この場合は、以下のように区切ると分かりやすくなります。
- 改善例
両親は、はっきり部活を辞めろとは言わなかった。しかし、私が勉強との両立に苦労しているのを見て、塾を優先すべきだと言った。
同じ表現や内容を繰り返さない
ありがちなのが「思います」「考えます」などの表現が繰り返し使われることです。何度も同じ言葉が出てくると単調な印象を与え、読む人に響かない文章となってしまいます。書き終えたら必ず読み返し、繰り返している表現は別のものに言い換えましょう。
- NG例
髪をセットしてあげることで、人をこれほど感動させられるのだと思いました。この日から、私は美容師を目指そうと思いました。人に感動を与えられるほどの技術を身につけるには、まずは基礎をしっかりと積む必要があると思います。
- 改善例
髪をセットしてあげることで、人をこれほど感動させられるのだと驚きました。この日から、私は美容師を目指そうと決めました。人に感動を与えられるほどの技術を身につけるには、まずは基礎をしっかりと積む必要があります。
です・ます調に統一する
文章を書く際は「です・ます」調と「だ・である」調を混在させないように気をつけましょう。志望理由書に「だ・である」調を使っても間違いではありませんが、お願いをする立場であることから「です・ます」調がよりふさわしいでしょう。
誤字・脱字・ら抜き言葉・話し言葉に注意する
誤字・脱字・ら抜き言葉が多い文章は、たとえ内容が良くても、基礎学力を疑われ評価が下がる可能性があります。「食べられる/出られる/見られる」を「食べれる/出れる/見れる」と表記していないかチェックしましょう。
話し言葉は、誤字・脱字・ら抜き言葉より自然に使ってしまいがちです。例えば「でも」「けれど/だけど」「ちゃんと」「すごく」「じゃない」は話し言葉です。志望理由書には、書き言葉の「しかし」「けれども」「きちんと」「とても/非常に」「ではない」を使います。
まとめ
志望理由書を書き上げたら、まずは自分で文章を何度も読み返し、間違いがないか、伝えたいことが十分表現されているかを点検します。さらに、先生や親にも読んでもらってアドバイスをもらい、さらに完成度を上げていきましょう。
参考
日本人学生の,文章力における問題点(1) : 一文単位でのわかりやすさについて考える|文化学園リポジトリ