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「手取り35万円くらいあれば、家族で生活していくこともできそう。まずはこの収入を目指そう」という20代の方もいるのではないでしょうか。手取り35万円をもらうための額面給与や生活費について、おおよそのシミュレーションをご紹介します。
もくじ
残業代がない人が手取り35万円になる給与・年収はいくら?
「額面給与」と「手取り額」が異なることはよく知られていることでしょう。しかし、何がどのくらい引かれているのかはよく分からない、という方もいるのではないでしょうか。実際に手取り35万円を手にするためにはどのくらいの額面給与が必要なのか、シミュレーションしてみました。
一人暮らし、もしくは扶養なし
一人暮らし、もしくは自分の扶養に入っている人がいない場合のシミュレーションです。残業手当は企業によって異なるため、残業時間がゼロの前提で計算をしています。
年齢は40歳未満とし、介護保険の負担はないものと考えています。また、住民税の特別徴収も行われていない前提になっています。
近年では各自治体が特別徴収に力を入れているため、住民税が天引きされる人も増えています。その場合は、保険料などを控除したあとの給与から約10%が天引きされますので、手取額はこの表よりも少なくなることをご了承ください。
もらえるお金 | 給与(額面) | ¥420,000 |
交通費 | ¥10,000 | |
引かれるお金 | 健康保険 | ¥21,780 |
厚生年金 | ¥40,260 | |
介護保険 | ¥0 | |
雇用保険 | ¥1,290 | |
所得税 | ¥13,860 | |
住民税 | ¥0 | |
支給額(手取り) | ¥352,810 |
このケースではボーナスがない場合の額面年収が504万円となります。
扶養が1人
続いては、同じ人に扶養者が1人いた場合のシミュレーションです。
もらえるお金 | 給与(額面) | ¥420,000 |
交通費 | ¥10,000 | |
引かれるお金 | 健康保険 | ¥21,780 |
厚生年金 | ¥40,260 | |
介護保険 | ¥0 | |
雇用保険 | ¥1,290 | |
所得税 | ¥10,630 | |
住民税 | ¥0 | |
支給額(手取り) | ¥356,040 |
扶養者がいる分、少額ながら所得税が少なくなっています。
扶養が2人
続いては、扶養者が2人いる場合です。配偶者と子ども1人というイメージです。
もらえるお金 | 給与(額面) | ¥420,000 |
交通費 | ¥10,000 | |
引かれるお金 | 健康保険 | ¥21,780 |
厚生年金 | ¥40,260 | |
介護保険 | ¥0 | |
雇用保険 | ¥1,290 | |
所得税 | ¥7,840 | |
住民税 | ¥0 | |
支給額(手取り) | ¥358,830 |
給与について学ぼう!天引きされる金額とは?
上記で見てきたように、額面給与からはさまざまな金額が天引きされます。扶養人数が増えると所得税がやや減額されることが分かりましたが、「思ったよりも安くならないんだな……」と驚いた方もいるのではないでしょうか。続いては、これらの天引き額がどのようなことに使われるものなのかを確認していきましょう。
社会保障費関連
社会保障費には、健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険などが含まれます。それぞれを簡単に解説します。
健康保険は、病院を受診するときに持っていく健康保険証の健康保険です。健康保険料は、「標準報酬月額」に基づいて算出されます。「標準報酬月額」は50等級に分かれており、給与の額面に基づいて決まります。例えば1等級は58,000円で、おおよそ3ヶ月の給与の平均額が58,000円程度の人に当てはまります。50等級は1,390,000円です。この金額に保険料率を掛けて保険料が算出されます。
保険料は都道府県ごと、もしくは加入している保険組合ごとに異なります。協会けんぽに加入している場合は、おおよそ標準報酬月額の10%前後が保険料になると考えておきましょう。保険料の全額を、会社と従業員が折半して支払います。
厚生年金も標準報酬月額に基づいて算出されますが、等級が健康保険とやや異なります。保険料率はおおよそ18%程度で、こちらも会社と従業員が折半して支払います。
40歳から負担が始まる介護保険料も、社会保険の標準報酬月額をもとに算出されます。加入している保険組合や自治体によって料率が異なることがありますが、おおよそ標準報酬月額の2%前後の保険料を会社と折半します。
続いては、雇用保険です。失業すると「失業保険」がもらえることを知っている人は多いでしょう。この失業保険をもらえるのは、雇用保険に加入している人です。
雇用保険は、非常に保険料率が低い保険です。一般的な事業の場合、給与の1,000分の9が保険料として定められています。このうち、会社と従業員の負担はそれぞれ6:3の割合となっています。
参考
平成31年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 | 全国健康保険協会
平成31年度保険料額表(平成31年4月分から) | 全国健康保険協会
厚生年金保険料を決める基準「標準報酬月額」って何?どうやって計算されているの? | ファイナンシャルフィールド
40歳、65歳になったとき(介護保険制度について)|東京電子機械工業健康保険組合
税金関連
天引きされる税金は、国税である所得税と地方税である住民税(県と市町村)に分かれます。まずは、所得税から解説します。
給与や報酬を継続的に支払う相手がいる場合、企業は所得税を源泉徴収しなければならないことになっています。所得税の源泉徴収は、その人が「甲・乙・丙」のうちどれに該当するかで金額が変わります。
甲欄に該当するのは、一般的な給与所得者です。1つの会社にフルタイムで勤めていて、収入の大半をその会社から得ている人です。
甲欄の従業員は、扶養家族などを勘案して源泉税額が決まります。扶養人数が多ければ多いほど源泉徴収される税額が少なくなります。
今回はゼロ円としてシミュレーションしましたが、住民税も源泉徴収されることがあります。住民税は近年、関東を中心に制度の徹底がはかられており、源泉徴収する会社が増えています。住民税の源泉徴収のことを「特別徴収」と呼ぶこともあります。
住民税額は、住んでいる自治体によって異なります。夕張市など、危機的財政状況にある自治体は高額になることがあります。そのほかの自治体では、おおよそ給与の10%ほどというところが多いようです。
参考
個人住民税均等割税額の加算について(平成29年4月1日改正) | 夕張市
福利厚生で手取りが増えることもある
ここまで天引きされる金額について解説してきましたが、会社によっては福利厚生でもらえる金額が増えることもあります。代表例をご紹介しましょう。
- 住宅手当:家賃や住宅ローンの充当のために手当が出る
- 家族手当:扶養家族がいる人に手当が出る
- 資格・役職手当:会社が指定する条件に該当した人に手当が出る
- 社会保障費負担:会社と従業員が折半する社会保障費を会社が全額負担してくれる
ただし、これらは給与に準ずる収入として課税対象になります。また、標準報酬月額にも含まれます。福利厚生の厚い会社ではもらえる金額も増えますが、税額や保険料も増えると考えておきましょう。