手取り35万円で予算を立てよう
ここまでの話で、入ってくる金額と出ていく金額について分かりました。続いては、手取り35万円で生活するための予算を考えましょう。一人暮らしであれば余裕のある手取り額ですが、家族で暮らすとなるとどうでしょうか。
東京に住むなら家賃はどのくらい?
一般的に、「家賃は収入の30%までにおさえると良い」と言われています。手取り35万円であれば、11〜12万円程度となります。東京23区内で家賃相場を見てみましょう。
1LDK/2K/2DK | 2LDK/3K/3DK | 3LDK/4K~ | |
千代田区 | 16.7万円 | 23.8万円 | 31.3万円 |
中央区 | 14.3万円 | 18.6万円 | 23.2万円 |
港区 | 17.5万円 | 24.5万円 | 31.9万円 |
新宿区 | 14.3万円 | 19.1万円 | 24.2万円 |
文京区 | 13.2万円 | 17.0万円 | 21.1万円 |
台東区 | 12.4万円 | 15.6万円 | 19.0万円 |
墨田区 | 11.5万円 | 14.4万円 | 17.6万円 |
江東区 | 11.9万円 | 15.2万円 | 18.6万円 |
品川区 | 13.1万円 | 16.9万円 | 20.8万円 |
目黒区 | 13.5万円 | 17.5万円 | 21.8万円 |
大田区 | 10.8万円 | 13.6万円 | 16.6万円 |
世田谷区 | 11.6万円 | 14.9万円 | 18.3万円 |
渋谷区 | 16.2万円 | 22.1万円 | 28.4万円 |
中野区 | 11.2万円 | 13.8万円 | 16.5万円 |
杉並区 | 10.9万円 | 13.8万円 | 16.9万円 |
豊島区 | 12.1万円 | 15.7万円 | 19.5万円 |
北区 | 10.4万円 | 13.1万円 | 16.1万円 |
荒川区 | 10.4万円 | 13.0万円 | 15.7万円 |
板橋区 | 9.3万円 | 11.4万円 | 13.8万円 |
練馬区 | 9.2万円 | 11.4万円 | 13.7万円 |
足立区 | 8.3万円 | 10.1万円 | 11.9万円 |
葛飾区 | 8.0万円 | 9.6万円 | 11.3万円 |
江戸川区 | 8.4万円 | 10.3万円 | 12.4万円 |
(東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる | SUUMOより筆者作成)
2人以上で暮らすのであれば1LDK、可能であれば2LDK以上という選択が多くなるでしょう。城東・城北エリアであれば予算内で暮らすこともできそうという結果になりました。
東京近郊に住宅を買うとしたら?
家賃と同様の予算で住宅を買う場合は、以下のようなシミュレーションとなります。頭金なし、毎月同額を返済していくことを前提とします。
35年ローン | 金利 | 毎月の返済額(万円) | 返済総額(万円) |
物件価格が4,000万円の場合 | 変動 0.975% | 11.24 | 4,723 |
固定10年 1.5% | 12.25 | 5,144 | |
全期間固定 2% | 13.25 | 5,565 |
(ローンシミュレーター |cowcamo より筆者作成)
2020年現在、東京都内の不動産価格は高騰傾向にありますので、4,000万円の住宅となると、都内よりは近郊に出ていくことになるでしょう。「通勤できるか」「子どもの教育はどうするか」ということをある程度想定しておく必要が出てきそうです。
生活費はどのくらい出ていく?
生活費については、政府統計の家計調査をもとにしました。それによると、以下のような数値になります。
- 水道・光熱費:約10,000円
- 日用品・雑費:約20,000円
- 通信費:約15,000円
実感よりも少ない金額だと思った方も多いのではないでしょうか。2018年の家計調査を見ると、平均年齢は59.3歳、有業者は約5割、持ち家率も約5割となっています。つまり引退世代が多く含まれているため、収入・出費ともに少なめの可能性があります。現役世代が参考にするには、全体的にやや金額が低めに出ていることになるでしょう。一人暮らしの予算を家族の人数で乗算する感覚でいた方が良いかもしれません。
参考
奨学金や教育ローンの返済は?
自分の奨学金を自分で返済する場合は、返済額を事前に確認しておきましょう。返済額は借りた金額によっても異なりますが、日本学生支援機構がおおよその目安を示しています。
(例)毎月3万円の奨学金を4年間(48か月)貸与を受けた(総額144万円)場合
貸与総額144万円 ÷ 割賦金の基礎額11万円 = 13.09 → 156回(13年間)で返還
(引用元:返還期間(回数) |独立行政法人日本学生支援機構)
144万円を156回で返還するので、1回あたりの金額はおよそ9,230円となります。自分の借りている金額と照らし合わせると、おおよその見当が付くのではないでしょうか。また、利子ありの奨学金やローンを借りている場合は、利子の計算も必要になるので注意してください。
子供の教育費は?
子どもの教育費は、中学から私立に通わせるのか、大学まで国公立で通すのかなどによって大幅に変わってきます。すべて国公立コースで総額700万円程度、中学から私立にした場合は倍以上かかるというのが相場のようです。どのタイミングでいくらくらいの資金が必要なのかを事前に知っておき、出費の少ない乳幼児のうちに資金を準備しておきましょう。
参考
教育費にかかる費用(教育費の平均額はどのくらい?)ライフプランシミュレーション|ノムコム
まとめ
手取り35万円の額面給与、控除額、生活費などについてご紹介しました。額面を見るとそれなりの金額になりますが、住宅費などの福利厚生が厚い会社であれば早いうちにこの水準まで到達できるかもしれません。今回の記事を、今後の生活のご参考にしてください。
参考