「○○年○月 株式会社××を退社」と履歴書に書いてから、「退職のほうが良いのかな?」と不安になったことはないでしょうか。履歴書を書く上で、「退職」と「退社」はどちらの方が適切なのでしょうか。また、履歴書には退職の理由を書いた方が良いのでしょうか。本記事では、履歴書を書く際の「退職」「退社」にまつわる疑問について解説します。
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もくじ
退職と退社、どう違う?
まずは、「退職」と「退社」についてご説明します。この2つの言葉は、どう違うのでしょうか。
会社で働くのを辞めるのが「退職」
勤めている職をやめること。現職をしりぞくこと。「定年で退職する」
(引用元:退職(たいしょく)の意味 | goo国語辞書)
「退職」は、職業を退くことを指します。会社や団体などで働くのを辞めることで、一般的にいう「仕事を辞める」「会社を辞める」ということです。
「退社」はその日の仕事を終えて帰宅することも含む
1 勤務している会社を辞めること。「一身上の都合で退社する」「定年退社」⇔入社。
2 その日の勤めを終えて会社から退出すること。「五時半に退社する」⇔出社。
(引用元:退社(たいしゃ)の意味 | goo国語辞書)
「退社」も「退職」と同様の意味で使われることがあります。ただし、日々の業務の中で「会社を出て帰宅する」という意味としても使います。使い方によっては誤解を招くので注意しましょう。
例えば、職場に電話がかかってきて「○○さんをお願いします」と言われたとします。「○○は本日退社しました」と言えば意味を汲み取ってもらえますが、「○○は退社しました」と答えると、退職した・帰宅したのどちらの意味にも取れてしまい、相手を混乱させてしまうことがあります。
履歴書では「退職」を使おう
上記のような理由から、履歴書では、誤解を避けるために「退職」を用いることが一般的です。ただし、「退社」が誤用というわけではありません。以前から「退社」は「退職」と同義に使われていたことが、古い文芸作品からも分かります。
その頃村山龍平の『国会新聞』てのがあって、幸田露伴と石橋忍月とが文芸部を担任していたが、仔細あって忍月が退社するので、(あるいは既に退社していたのか、ドッチだか忘れてしまったが、)その後任として私を物色して、村山の内意を受けて私の人物見届け役に来たのだそうだ。
(引用元:内田魯庵 斎藤緑雨 | 青空文庫)
昨年の春、健康いよいよ害ねて、今は、明確に退社して居ります。百日くらいまえに私はかれの自宅の病室を見舞ったのでございます。
(引用元:太宰治 虚構の春 | 青空文庫)
そのため、すでに履歴書を書き終えており、「退職」の意味で「退社」を使っていても心配する必要はありません。履歴書上では職業を辞めたことだと意味が通るので、そのまま提出してください。ただし、これから履歴書を書くという人は誤解を招かないよう念のため「退職」を使うようにすると良いでしょう。
職歴欄での退職の書き方
履歴書では、退職に理由を書き添えることが一般的です。自分の退職についてどのように説明すればいいのか、3つのケースに分けて解説します。
自己都合退職
退職理由で最も多いのは、自己都合退職ではないでしょうか。転職・引っ越し・留学などの理由で、自ら希望して退職する場合がこれに当てはまります。この場合は、退職理由を「一身上の都合により」と記載します。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
2012 | 4 | 株式会社○○入社 |
本社営業部にて法人営業を担当 | ||
2019 | 10 | 一身上の都合により退職 |
会社都合退職
解雇(自己の重大な責任によらないもの)・業績悪化・倒産など、会社側で人員を整理せざるを得ない事情があって退職を打診された場合は、会社都合退職になります。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
2012 | 4 | 株式会社○○入社 |
本社営業部にて法人営業を担当 | ||
2019 | 10 | 会社都合により退職 |
もしかしたら、「会社から退職するように言われたのに、離職票を見たら自己都合退職になっている……」という人もいるかもしれません。このような場合は、自己都合退職扱いのまま転職するか、会社に会社都合退職であることを認めさせるか、どちらかを選ぶことになるでしょう。
すぐに転職活動を行うため失業保険の給付を希望しない人は、そのままにしておいても問題はありません。離職票の喪失原因欄に合わせて履歴書の退職理由も「一身上の都合により」としておき、面接などで詳しい理由を尋ねられた場合は、事情を説明できるようにしておくと良いでしょう。
しかし、求職期間が長引きそうなので失業保険の受給を早めにもらいたいと希望する人もいるでしょう。このように、会社都合退職であることを認めさせたい場合は、雇用保険審査官(都道府県労働局)に「審査請求」を行います。しかし、これは手続きが煩雑で時間がかかることも多いため、身近に相談できる人がいれば一度相談してみることをおすすめします。
参考
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要 | ハローワークインターネットサービス
期間満了退職
契約社員・臨時社員など、入社時に契約期間が決まっていた人が当てはまります。契約期間終了とともに退職した場合は、会社側から更新の打診があってもなくても、期間満了退職となります。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
2012 | 4 | 株式会社○○入社(契約社員) |
本社営業部にて営業事務を担当 | ||
2019 | 10 | 契約期間満了により退職 |
履歴書の退職理由は簡潔にまとめよう
このように、履歴書の退職理由は1行で簡潔に書くことが望ましいとされています。そのため、1行でまとめられるのであれば、ほかの書き方をすることもできます。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
2012 | 4 | 株式会社○○入社 |
本社営業部にて法人営業を担当 | ||
2019 | 10 | 配偶者の転勤に伴い退職 |
上記の例は、本来であれば「一身上の都合により」となるところを「配偶者の転勤に伴い」と書いています。同様に「親の介護のため」「海外留学のため」など、短い理由を添えることもできます。
一方、転職を繰り返している人は、退職理由を書くのが難しいという問題があります。すべてが自ら希望した転職の場合は、「自己都合により退職」を何回も書かなくてはならなくなるからです。たしかに簡潔ではありますが、同じ理由を何回も繰り返すとマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
退職理由においても、前向きで応募企業にとってメリットのある内容でしたら問題ありませんが、すべてが類似した理由で退職されている場合、採用担当者は、自社においても同様な理由で、すぐに辞めてしまうのではと懸念することがあります。
退職理由について、職務経歴書や履歴書に記載するか否かは、自由です。特に転職回数が多く、「自己都合による退職」とすべての企業に記載することで、転職回数が目立ちますので、この場合あまりお勧めしません。
(引用元:職務経歴書や履歴書に退職理由は書かない方がいい? / 【応募】の転職Q&A一覧 | マイナビ転職)
そのため、退職年月は記入しつつも、退職理由はあえて省くことをすすめるキャリアアドバイザーもいます。記入例は、以下のようになります。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
2012 | 4 | 株式会社○○入社 |
本社営業部にて法人営業を担当 | ||
2019 | 10 | 株式会社○○を退社 |
ただし、採用担当者から見ると「この人はあえて退職理由を省いているんだろうな」と推察できますので、どういった理由で転職を繰り返しているのかは別添資料で説明できると良いでしょう。別添資料については次の章で解説します。