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京都市立芸術大学は、京都府画学校を起源とする、歴史のある公立の芸術大学です。また、「京都」という歴史と伝統ある立地条件も、芸術を学びたい人にとっては魅力的な要素でしょう。
今回の記事では、京都芸術大学の著名な卒業生の、卒業後のキャリアを詳しくご紹介します。
もくじ
京都市立芸術大学・芸術家の卒業生
京都市立芸術大学には、美術学部と音楽学部の2学部があります。まずは、美術学部を経て芸術家として活動している4名の著名人をご紹介します。
草間彌生さん
前衛彫刻家、画家、小説家として幅広い芸術活動をしている草間彌生さんは、京都市立美術工芸学校絵画科(現在の京都市立芸術大学)を卒業しています。
草間さんは10歳のころから、スケッチや幻想的な絵画を描き始めており、大学入学前の16歳のときに信州の美術展覧会で入選。大学卒業後は、地元の長野県松本市や東京で個展を開くなど活動の幅を広げていきました。
1957年からは、活動拠点をニューヨークに移してインスタレーションやハプニングなどのパフォーマンスを展開。1960年代後半には、世界的に反戦ムードが高まる中でボディペインティングやファッションショーを通して反戦運動にも参加します。このころには、「前衛の女王」の異名を持っていました。
その後も、美術活動のかたわら、映画製作や小説の執筆など幅広い分野で活躍。国内外で高い評価を得ており、これまでにフランス芸術文化勲章、紺綬褒章、文化勲章などが贈られています。
森口邦彦さん
重要無形文化財「友禅」の分野で人間国宝に認定されている森口邦彦さんは、京都市立美術大学日本画科(現在の京都市立芸術大学)を卒業しています。
大学卒業後は、フランス政府給費留学生としてフランスに留学し、パリ国立高等装飾美術学校を卒業しました。帰国後は、同じく「友禅」の分野で人間国宝の父、森口華弘さんのもとで腕を上げていきました。
その後、フランス政府芸術文化シュヴェリエ賞、京都府文化賞、紫綬褒章、旭日中綬章など数多くの賞を受けました。また、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館など日本国内にとどまらず、ローザンヌ市立装飾美術館、デンマーク工芸博物館、ニューヨークメトロポリタン美術館など、海外にもコレクションが展示されています。
村山明さん
木工芸の分野で人間国宝に認定されている村山明さんは、京都市立美術大学彫刻科(現在の京都市立芸術大学)を卒業しています。
大学卒業後は、当時木工芸界の第一人者だった黒田辰秋さんに師事。技術や流れを組みながらも、自身の造形を確立していきます。村山さんの作品のほとんどは、欅(けやき)が使われています。強度が高く木目が美しいことから、日本では古来から建築や家具の材料として利用されている材料です。
2003年に人間国宝となり、翌年には京都府文化賞功労賞を受賞。また、2005年には紫綬褒章も受賞しました。なお、師の黒田辰秋さんは、木工芸で初の人間国宝になった方でした。
外尾悦郎さん
スペイン、バルセロナにある世界遺産サグラダ・ファミリアの主任彫刻家を務める外尾悦郎さんは、京都市立芸術大学美術部彫刻科を卒業しました。
その後、定時制高校で非常勤講師を務めますが、ヨーロッパに石堀の修業に向かいました。そこでサグラダファミリアと出会い、引き込まれ、働かせてもらうように頼み込みます。1978年から携わり始めて、これまで40年以上の月日が経っています。
近年は、サグラダ・ファミリア教会内の彫刻「生誕のファサード」の主任彫刻家として関わっているほか、生誕のファサードの中にあるロザリオの間の修復にも関わったほか、「イエスの塔」の制作にも取り組んでいます。