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受験期になると「偏差値」という言葉を聞かない日はないと言っても過言ではありません。「成績の指標」として話題に上がるものの、本当の意味で志望校選択や受験勉強のプランニングに役立てられている人は少ないのではないでしょうか。
本記事では受験生の保護者がおさえておきたい基礎知識に限定して、偏差値の仕組みや偏差値を参考にするときの注意点、大学の偏差値ランキングをご紹介していきます。志望校選びや受験勉強のために、偏差値を正しく理解しましょう。
偏差値とは
模試の結果は偏差値という形で返ってきます。そんなよく見る偏差値を理解するための概要をご紹介します。
学力を測るために使用する理由
そもそも、なぜ模試の結果表に偏差値が使われているのでしょうか? 3つの理由を説明します。
客観的に実力が分かる
偏差値は、ある集団の中でどれくらいの位置にいるのかを正確に示すことができる数値です。成績を示す数値には、ほかにも点数・順位・平均点がありますが、例えば同じ80点でも、ほかの受験生たちもほとんど80点以上だったときと、ほとんど50点以下だったときでは、80点の位置づけは違ってきます。
しかし、偏差値であれば受験生の得点分布を加味した上で正確な位置を示してくれるので、客観的に生徒は実力を把握することができるのです。
志望校選びの参考になる
受験となると、自分の学校以外の生徒とも競うことになります。志望校を受験する可能性のある生徒の中で、自分はどのくらいの位置にいるのかがわかれば、合格可能性の目安となるので志望校選びの参考にすることができます。実力以上の学校を無理して受験するということも防げますし、偏差値が上がることによって志望校をランクアップするなどといった選択肢を増やすことができます。
数値目標ができてモチベーションが上がる
具体的に「偏差値60を目指そう」という数値目標を持つことで、自分自身で受験勉強へのやる気を上げたり、動機付けしたりすることができるようになります。模試での偏差値の推移によって達成状況も分かるので、「合格者偏差値70の大学を目指そう」、「偏差値をあと5上げるために、この教科を頑張ろう」などというように、受験勉強の戦略にも役立てることができます。
偏差値と平均点の違い
[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”受験生”] 平均点と偏差値ってどう違うの? [/speech_bubble]こんな素朴な疑問を抱くこともあるかもしれません。どちらも学校のテストや模試で使われる数値ですが、平均点は複数のテストの点数を足して、テストの回数で割った数値です。平均点より自分の得点の方が高かったら、受験者の中でも良い得点だったといえます。
しかし、例えば自分の得点が65点で平均点が50点のテストにおいて、受験生の得点が50点付近に集中していたときと、得点にバラつきがあったときとでは、65点の得点の持つ意味合いが異なってきてしまいます。平均点との差だけでは、その集団の中での自分の位置までは分からないのです。
他校の生徒とも競うことになる受験の指標としては、全体の中での自分の位置が分かる偏差値の方が向いているといえるでしょう。ちなみに、平均点より自分の得点が上ならば、偏差値は50以上。下ならば偏差値は50未満となります。
偏差値の仕組みについて解説
なんとなく偏差値のことがわかってきたのではないでしょうか? さて、実際にはどのような計算式で偏差値を算出するのでしょう? その仕組みを分かりやすくご紹介します。
偏差値の計算はどのようにされている?
偏差値の求め方はさほど複雑ではありません。公式にあてはめるだけで簡単に算出できますが、偏差値を計算する際に必ず知っておきたい数値があります。まずは、必ずおさえておくべき標準偏差という数値から説明しましょう。
標準偏差とは
標準偏差とは、データ(得点)のバラつき具合を表す数値です。得点のバラつき具合が大きいほど、標準偏差も大きくなります。例えば、あるテストを受けた人の得点が全員同じであった場合、つまり、全員の得点が平均値であった場合、得点のバラつき具合がないので、標準偏差は0となります。
標準偏差を求める方法
- 平均点、得点と平均点との差を算出する
- 平均点との差の平方数(=平均点との差を二乗する)を算出する
- 平均点との差の平方数の平均(=分散)を算出する
- 分散の平方根(=電卓で√を押したら出る数値)が標準偏差
標準偏差さえ出してしまえば、あとは簡単な公式にあてはめるだけで偏差値を算出することができます。
偏差値の計算方法
偏差値の計算方法
偏差値=(自分の得点-平均点)÷ 標準偏差×10+50
この公式に具体的な数値をあてはめて、偏差値を算出してみましょう。得点のバラつき具合である標準偏差の違いによって、どれくらい偏差値が違ってくるのかも一緒に確かめてみます。
例:平均点50点のテストで、70点だった花子さんの偏差値
標準偏差が10の場合 | (70-50)÷10×10+50=70 ↓ 花子さんの偏差値は70 |
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標準偏差が20の場合 | (70-50)÷20×10+50=60 ↓ 花子さんの偏差値は60 |
平均点が同じであっても、標準偏差の数値が大きいときよりも小さいとき、つまり、集団内の得点のバラつきが小さいときの方が高い偏差値が出るということが分かります。
偏差値の分布について
偏差値の算出は、統計学に基づいています。模試の受験者の得点も統計学に基づいた分布図に表すことができ、その形は中央の平均点付近、つまり偏差値50付近が一番高くなり、左右対称の「釣り鐘型」の図になります。これを正規分布といいます。
参加者の多い全国模試の得点も基本的には正規分布となります。データが正規分布する場合、偏差値60以上だと全体の上位15.866%以内に入ります。約6人に1人の割合となり、例えば参加者1,000人のテストで偏差値60だと、だいたい158位に入ると分かります。
これが偏差値80以上になると、全体の上位0.13%に入り、1,000人に1人の割合となります。例えば、参加者1,000人のテストで偏差値80だと、だいたい1位か2位となるのです。また、受験者が異なる母集団の偏差値を比較してもあまり意味はありません。なぜなら、模試の受験者層も問題も異なるからです。
正規分布とは
正規分布について、もう少し詳しく解説します。正規分布とはガウス分布ともいい、その形の特徴としては、「中心を平均値とし、左右対称の釣り鐘型」であるということでした。この形を式で表す場合、平均や分散を基にした確率密度関数で表します。このあたりは統計学の守備範囲となるので、軽くおさえておく程度で良いでしょう。
それよりも、正規分布でデータを分析するメリットをおさえておきたいものです。「大規模な模試の得点」もそうですが、「東京都の小学6年生男子の体力テストの結果」「日本人女性の身長・体重」など、世の中の現象の多くは、その確率変数が正規分布に従うと見なせます。
そのため、その平均と標準偏差がわかれば、多くの現象について「どのようなことがどれくらいの確率で発生するか」ということを算出することができるのです。模試の結果の偏差値から合格可能性を算出することができるのも、データが正規分布していることが前提となっているのです。
偏差値の分布について解説
受験者数の多い模試の得点データは基本的に正規分布になりますが、受験者数の少ない模試では、きれいな釣り鐘型の正規分布にはなりません。例えば10人しか受けていないテストで、参加者全員の得点がたまたま低かった場合、平均点が下がり、釣り鐘の形が左よりにずれてしまうので要注意です。
つまり、偏差値の利用価値が高いのは、あくまで得点データが正規分布しているときなのです。きれいな正規分布になるときは、偏差値と順位が以下のとおり対応します。
偏差値60以上、または40以下 | 全体の15.866% |
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偏差値70以上、または30以下 | 全体の2.275% |
偏差値80以上、または20以下 | 全体の0.13499% |
偏差値の最高はどのくらい?
得点が正規分布していることを前提とした場合、偏差値40~60の間に約68.3%、30~70の間に約95.4%、20~80の間に約99.73%が入るので、ここから考えると算出される偏差値は、普通は25~75の範囲と考えて良いでしょう。
しかし、得点分布が正規分布から外れていると、極端な「偏差値」になることもあります。例えば、模試を受けた100人のうち、99人が0点となり、1人だけが100点をとったとする場合、算出される偏差値は149.5となり、なんと100を超えてしまいます。また、これとは逆に、100人のうち99人が100点、1人が0点だったとき、0点の人の偏差値は-49となり、マイナスの値をとってしまうのです。
ただ、このように偏差値が0~100の範囲から外れることは非常にまれで、その割合は約0.000047%となり、約200万分の1しかありません。