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日商簿記2級は、最近の試験範囲改定にともない難易度が上がり、合格率が低迷する傾向が見られます。ここ数年、簿記2級ではどのような問題が出されているのでしょうか? この記事では、簿記2級過去問の出題傾向と、新しく追加された論点にも対応したおすすめの過去問集・予想問題集をご紹介します。
もくじ
簿記2級過去問の出題傾向
簿記2級を取得すると、高度な商業簿記と工業簿記を習得でき、財務諸表から企業の経営状態を把握する能力が身につきます。簿記2級の検定試験は大問5問で構成され、商業簿記から3問、工業簿記から2問出題されます。満点は100点で、各大問20点の配点です。合計70点以上得点できれば合格です。
第1問:仕訳
第1問は、毎回仕訳問題が出されます。与えられた勘定科目から選択し、適切な金額で処理する能力が求められます。仕訳は「習うより慣れよ」で、なるべく多くの問題を解いていくうちに、徐々に理解が進んでいきます。特に、試験範囲改定で新しく追加された論点と頻出仕訳を重点的に練習しましょう。
仕訳をマスターすると、第2問・第3問の解答もスピードアップできるようになります。簿記2級合格への基礎力となる仕訳は、過去問や演習問題とは別に早いうちから練習を積んでおくことをおすすめします。また、第2問・第3問で難問が出される可能性もあるので、なるべく第1問で得点を稼いでおくと安心です。できれば満点を目指しましょう。
第2問:伝票会計または個別論点
第2問は、伝票会計または個別論点が出題されます。
伝票会計の試験範囲は3伝票制のみで、与えられた伝票をもとに仕訳日計表を作成し、総勘定元帳などに転記する問題が出されます。出題傾向がワンパターンのため、過去問で対策しやすい問題です。伝票会計が出題されれば、得点稼ぎのチャンスとなりえます。
しかし、試験範囲改定以降は、伝票会計よりむしろ個別論点の方が多く出題されています。個別論点は、銀行勘定調整表・株主資本等変動計算書・固定資産・外貨建取引・有価証券・商品売買など多岐にわたり、論点によっては難問となることもあります。
個別問題対策として、常日頃からテキストで基礎をまんべんなく押さえ演習問題をコツコツと解いておきましょう。
第3問:財務諸表作成問題など
第3問は、財務諸表作成や精算表作成に関する問題が出されます。最近では、連結精算表の作成など超難解な問題が出される傾向があります。難問の中にも必ず基本的な事項を問う小問がいくつか含まれています。それらで確実に点数を取りましょう。深追いはせず、解ける問題で部分点を狙います。また、転記ミスや計算ミスなどのケアレスミスをなくし、失点を防ぐ努力も大切です。
第4問:費目別計算など
第4問では、費目別計算・部門別計算・単純個別原価計算・本社工場会計・標準原価計算などに関する問題が出されます。回によって多少難易度が異なるものの、比較的対策の取りやすい基本的な問題が出される傾向です。第4問でなるべく得点を稼ぎましょう。
費目別計算は、暗記項目が多く苦手意識を持つ人も少なくありませんが、コツをつかめば確実に点数が取れます。暗記項目はすきま時間を利用して覚え、自宅では理解に時間のかかる問題にじっくり取り組むなど、効率的に勉強を進めましょう。
そのほかの論点は、それぞれある程度決まった出題パターンがあるので、過去問や演習問題にしっかり取り組むことで対策できます。
第5問:総合原価計算など
第5問は、総合原価計算や標準原価計算、直接原価計算などが出題されます。どれが出ても良いよう、まんべんなく学習しましょう。最近は、基本的な問題にひとひねり加えた問題が出される傾向があります。過去問と似たような問題が出ても油断せず、問題を最後までよく読み、数字や処理方法の意味をよく考えた上で落ち着いて解きましょう。