思春期症候群とは?思春期に起こりやすい悩みや心の病 ( 2 )

思春期特有の心の病とは?

思春期には心に悩みを感じる一方で、心の病を抱えることもあります。思春期特有の心の病を見てみましょう。

摂食障害

女の子に起こりやすいのが、摂食障害です。思春期には自分の体型やスタイルを気にする女の子が増えます。体型にこだわるあまり、食事を摂ることを拒否したり、逆に食べ過ぎるなどの症状が起こります。

「拒食症」の場合、心が食事を拒否してしまうので、病気などがあるわけではないのに異常なやせ状態が何か月も続きます。しかし自分のやせ状態を異常だと認識せず、むしろ女性らしいふっくらした体形でなくなることに対して嬉しく感じてしまうのです。

「過食症」は拒食の最中に見られることが多く、無茶食いを繰り返す症状が出てしまいます。食べた後はしばしば気分が落ち込み、絶望感や葛藤を感じます。

思春期妄想症

思春期妄想症とは、「自分の目つきが怖いから相手が不快な思いをしている」といった自己視線恐怖、「みんなが自分を臭いと思ってる」といった自己臭症、「自分の鼻の低さが気になって一日に何度も見てしまう」といった醜形恐怖により対人関係を避けたり、引きこもるものです。

統合失調症

100人に1人弱の割合でみられる、思春期後期~成人期に多い病気です。幻覚や、「盗聴器が仕掛けられている」といった妄想、「自分の考えが相手に漏れている」といった自我障害、話にまとまりがない思考障害などの症状があります。

思春期うつ病

思春期うつ病は、「やる気がなくなる」「悲しくなる」といった気分の落ち込みが出たり、不眠、食欲低下、イライラ、集中力の低下といった症状が起こります。ほかにも体の不調を訴えたり、アルコールやドラッグ、自殺企図などがみられる場合もあります。あまり知られていませんが、実は思春期の2~8%の子供にみられるといわれています。

そのほかの症状や病は?

そのほかにも思春期にみられる病気や症状を見てみましょう。

うつ病のほかにも、躁状態とうつ状態を繰り返す双極性障害(躁うつ病)があります。躁状態がひどくなると、買い物をしまくったり、友人に電話をかけて誇大妄想的な話をするなどの症状が出ます。

10人に1人の思春期の子が強い不安に悩んでいるといわれています。その中でも日常生活に支障をきたす場合、「不安障害」のケースがあります。

不安障害にはいくつか種類があります。少人数のグループでいるときに、自分の発言や行動がその場にふさわしくなく、嫌われているのではないかと思って避けるのが「社交不安障害」です。日本では以前対人恐怖といわれてきました。

突然動悸がして息苦しくなり、死ぬのではないかと不安にかられ、やがて治まりますが、この発作を繰り返すのが「パニック障害」です。なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も起きたり、早朝に目が覚めてしまう「不眠症」もあります。

このように、思春期にはさまざまな症状や心の病がみられることがあります。

参考

思春期のこころの病“悩み”と“病”の見分け方|NHK厚生文化事業団

親ができること

思春期で心が揺れ動く子供に対して、親は何ができるでしょうか。

話を聞いてあげる

今までは子供に指示を出して言うことを聞いてもらっていたという人もいるでしょう。大人に向けて成長していく思春期で大切なのは、子供の話を聞くことになります。

子供が自分の考えを話してきたら、まずは聞いてあげましょう。いつまでも子供扱いをするのではなく、一人の人間として子供の話に耳を傾けましょう。

考えが幼いと感じることや、あぶなっかしいと思うこともあると思います。それでも最初からすべて否定したり、頭ごなしに叱ったりしてしまうと、子供は自信をなくしてしまいますし、反発心も強くなります。子供が大人になっていくお手伝いをするという視点で、まずはいったん話を聞いてから親も話をしましょう。

休むことが大切

ただでさえ心が不安定な思春期ですから、子供自身も安心感を心の中では求めています。子供が弱気になったり、悲しんだり苦しんでいるときには、寄り添ってあげるといいでしょう。家庭が子供にとって安心できる場所であることも大切です。

子供が悩んでいたら、自分の体験談や失敗したこと、悩んで乗り越えたことなどを話してもいいでしょう。「悩んでいるのは自分だけではない」と思えると、子供も勇気が出てきます。

心配なら受診も選択肢

ただでさえ心に揺れの多い思春期ですから、子供の悩みが人生の悩みなのか、心の病なのかを見分けるのは親でも難しいところがあります。親としては判断に迷ってしまうものですが、両方の可能性を考えながら、子供の様子をよく観察してみましょう。

受診の目安というのははっきり言えるものではありませんが、心の病は本人も苦しむので、受診した方が良いでしょう。NHK厚生文化事業団の「思春期のこころの病“悩み”と“病”の見分け方」では、受診の目安として次のような状態を紹介しています。

  • 本人が感じている苦痛がとても強い。
  • 学校生活や家庭生活に、著しく支障をきたしている。
  • 社会とのかかわりがほとんどない。

(引用元:思春期のこころの病“悩み”と“病”の見分け方|NHK厚生文化事業団

授業に出られなかったり、お風呂に入らない、痩せてきて体力がないなど、学校や家庭生活に支障をきたしている場合は考えても良いでしょう。また、本人がとても苦痛を感じていたり、部屋から出ないでずっと自分の部屋にいる場合も受診を考えてもいいでしょう。一方で、親しい友人がいたり、好きなことに没頭するなど意欲的な場合は、見守ってよいこともあります。

まとめ

関わり方や、判断が難しい思春期の子供の心。親としては接し方に悩んでしまうこともあるでしょう。親自身も休みを取りながら、揺れ動く心を持つ思春期の子供と一緒に過ごしていきましょう。

参考

思春期のこころの病“悩み”と“病”の見分け方|NHK厚生文化事業団

思春期妄想症|メンタルクリニックいたばし

思春期のこころの発達と問題行動の理解|厚生労働省 e-ヘルスネット

平成27年度思春期のここが肝心!~思春期の理解と関わり方~|石川県教育委員会

思春期のこころを育むためのガイド|京都市こころの健康増進センター

思春期症候群とは|井之上整骨院

思春期に多い心の病気|ひよしの丘クリニック

拒食症・過食症・摂食障害・食行動異常の心理学|心理学総合案内こころの散歩道

この記事をかいた人

mariko_miyano

"【職業と経歴】 ライター、コラムニスト/84年生まれ。東京女子大学哲学科卒業。野村證券で営業経験後、2011年よりライターへ。育児、教育、女性の社会問題、ブックレビューなど執筆。趣味は哲学、禅、神社仏閣巡り。3児の母。 【資格】 中学高校社会科公民教員免許 2級FP技能士 証券外務員一種 【サイト】 ブログ→http://miyano0928.hatenablog.com/ Twitter→https://twitter.com/Miyano0928"