人を思いやる心を育てる、人権作文。読者の心を動かす良い人権作文を書く秘訣は「書き出し」にあります。当記事では、まず人権作文の趣旨と基本構成をご説明します。そして読者の印象に残る人権作文の3つの条件と、読者を文章に惹き込む書き出しテクニックを6つご紹介します。
もくじ
人権作文の趣旨は「人権感覚の教育」
人権とは、簡単にいうと「人が幸せに生きる権利」です。日本国憲法第十四条第一項や世界人権宣言(仮訳文)第一条では、人権を、すべての人が生きながらにして平等に尊重されるべき権利として保障しています。
法務省と全国人権擁護委員連合会が「全国中学生人権作文コンテスト」を実施する趣旨は、次のとおりです。
次代を担う中学生が人権問題について作文を書くことによって,人権尊重の重要性,必要性についての理解を深めるとともに豊かな人権感覚を身に付けること,及び入賞作品を国民に周知広報することによって,広く一般に人権尊重思想を根付かせることを目的とする。
(引用元:第38回全国中学生人権作文コンテストを実施します|法務省)
人権尊重とは、簡単に言えば「人を大切に思う心」のことです。では、人権感覚とはどのような感覚でしょう。兵庫県立教育研究所の作成資料では、次のように書かれています。
人権感覚とは、人権の大切さや価値、人権が擁護され、実現されている状態を感知してこれをよしとし、反対に、これが侵害されている状態を感知してこれを許せないとするような、そんな価値志向的な感覚
(引用元:2 人権教育の目標|兵庫県立教育研修所、P2)
つまり人権作文の趣旨とは、人権が侵害されているさまざまな問題を考えることで、人が幸せに生きることの大切さを理解し、さらに人を不幸にする行為は許せないと感じる気持ちを育てることなのです。
人権課題については、法務省や内閣府がホームページに掲載しています。その中から、子供でも書きやすい人権作文のテーマを選別したのが下記の記事です。人権作文の具体的な内容をご紹介していますので、ご覧ください。