【中学生のネタ一覧】共感した出来事を調べてみよう
中学生は性指向や虐待など、経験がなくとも共感できる人権問題をテーマに選んでみましょう。おすすめのテーマをご紹介します。
女性差別
「女子に対する差別」とは,性に基づく区別,排除又は制限であつて,政治的,経済的,社会的,文化的,市民的その他のいかなる分野においても,女子(婚姻をしているかいないかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し,享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。
(引用元:女子差別撤廃条約全文 第1部 第1条|内閣府男女共同参画局)
女性差別というと、日本では女性の就業待遇が男性よりも良くないという点が注目されがちです。しかし、世界では女性であるというだけで危険な目にあう残酷な事件が起きています。なぜ女性が差別されるのでしょうか。女性の立場や地位について、国際的に比較しながら、女性差別をなくす解決策を探してみましょう。
教育現場で行われる体罰
教員が、児童・生徒に対して、戒めるべき言動を再び繰り返させないという、教育目的に基づく行為や制裁を行うことを懲戒という。(中略)懲戒のうち、教員が、児童・生徒の身体に、直接的又は間接的に、肉体的苦痛を与える行為を体罰という。
(引用元:第3章 体罰、不適切な行為の防止 4 体罰の定義|東京都教育委員会、P38)
教育現場での体罰は減少しているとはいわれるものの、なくなることはありません。なかには子供への体罰を肯定する大人もいます。果たして、許される体罰は本当にあるのでしょうか。
家庭で行われる児童虐待
「躾」と称し、家庭の中で我が子の人権を無視した行動をとる親がいます。児童虐待の定義に当てはまる行動は、どれも残酷です。果たして親の行う残酷な行為は、我が子の将来に必要な躾なのでしょうか。大人として理性を保った行動であるのか、無意識に子供を傷つけていないか。自分の親子関係も思い浮かべながら児童虐待について考えてみましょう。
家庭や福祉施設で行われる高齢者虐待
人は最期の瞬間を迎えるまで、周囲から尊重され、尊厳をもって生きる権利があります。しかし高齢により自分だけで生活するのが難しくなると、周囲の助けが必要になります。介助が必要になった高齢者に対し、介護者たちがさまざまな手段で虐待する事例が起きています。
高齢者虐待の事例はどれも、読んでいて心が痛むことばかりです。祖父母と同居されている人は、その人たちの尊厳を守って暮らしを支えているか考えてみると良いでしょう。同居されていない人は、外で出会う高齢者の方にどのように接しているでしょうか。
この問題は、将来自分の身にも起こる可能性があります。今からできる対策はないか考えてみてはいかがでしょうか。
インターネットによる人権侵害
高度情報化社会の現代、未就学児もインターネットを利用するようになりました。しかし、それにともなって、インターネット上で他人を誹謗中傷したり、個人情報を無断で掲載するといった人権侵害の事例が多発しています。
国はさまざまな活動や法律を通じて、情報社会で正しく生きるための考えや行動を学ばせようと情報モラル教育に取り組んでいます。
今後、学校教育の一環としてインターネットを活用することも増えていく中で、どうすれば人と気持ちよく付き合っていくことができるのか、考えてみましょう。
参考
平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)(平成31年2月)|内閣府
性的少数者への偏見や差別
性的指向あるいは性自認に関するマイノリティのことを指す。性的少数者の中の一部の方のアイデンティティに関する言葉の頭文字がLGBTである。
L Lesbian (レズビアン(女性同性愛者))
同性を好きになる女性 G Gay (ゲイ(男性同性愛者))
同性を好きになる男性 B Bisexual (バイセクシュアル(両性愛者))
性別に関わらず、異性を好きになることもあれば同性を好きになることもある人 T Transgender (トランスジェンダー(性別越境者))
こころの性とからだの性が一致していない人
(引用元:性的指向・性自認について|人事院、P1)
恋愛する相手が異性と決まっていないと、どうして嫌悪されるのでしょう。人が人を思う気持ちに偏見を持ち、それを理由に人権を侵害することは許されるのでしょうか。
また、男らしさや女らしさとは何でしょう。人が人らしく生きる上で、性別に固執することはそれほど重要なのでしょうか。
人が幸せに生きるとはどういうことかをしっかり考えてみましょう。
社会的弱者に対するハラスメント
ハラスメントはいろいろな場面で起こり、多くの人が心ない嫌がらせに人権を侵害されたと感じています。ハラスメントの中でも特に重大な問題なのが、社会的立場における上位者が下位者にかける圧力です。
例えば、客が店に対して自己中心的で理不尽な要求をするのは、社会的弱者に対する圧力の一つです。このような事例ではほとんどの場合、被害者は人権侵害だと感じず、加害者も相手の気持ちを踏みにじったことに気づいていないため、ハラスメントは取り締まるのが難しい問題といえます。
しかし、どのような立場であっても、互いの尊厳を守り、相手を思いやる言葉遣いや気配りを忘れなければ、本来ハラスメントは起きないはずなのです。
どうすればハラスメントのない社会を築けるのか、被害者の気持ちに立って考えてみましょう。
災害被害者や関係者への偏見や差別
平成23(2011)年の東日本大震災や、平成28(2016)年の熊本地震のような大規模災害が発生した際、長期間避難生活を余儀なくされた被災者やその関係者に対して、さまざまな形で悪意ある風評被害が起きました。
自然災害に見舞われる危険はいつ誰にでもあります。しかし、実際に災害にあわれた方を追い込むとはどういう料簡なのでしょうか。このような思いやりのない行動で今後被災者やその関係者が傷つくことがないよう、具体的な解決策を模索してみましょう。
【高校生の人権作文】事件の背景を掘り下げて書こう
高校生になるとより学習範囲の深度が増し、物事を調べる力や情報を分析する力が磨かれていきます。そのため、高校生の人権作文は信頼できる情報をどのように収集したかというところまで書くのがおすすめです。
社会で起きている人権問題を取り上げる場合、それによって傷ついた人が読むことを前提に、事実誤認がないようにしっかりと裏付ける証拠を収集する必要があります。インターネット上の情報のみを参考に書くのではなく、専門的な書籍を読んで情報の信頼性を高めると良いでしょう。
このとき、著作権を侵害しないように引用文献を明示することを忘れないようにしましょう。