家計の内訳と組み方をおさらいする
家計の収支を考えるにあたり、その内訳や項目、組み立てる際のポイントなどをおさらいしましょう。
家計費の基本を知る
家計費とは、家計において日常生活を維持するのに必要な費用のことです。個人や家族が生きる上で、不可欠な支出です。実際にかかった1年間の支出額は、「年間の可処分所得」から「年間の貯蓄額」を差し引くことで把握できます。
収入
会社員であれば給与やボーナス、自営業であれば事業収入などが収入となります。「可処分所得」とは、収入の中から実際に使うことができるお金のこと。いわゆる「手取り収入」がこれに当たります。
会社員の場合:可処分所得=(給与収入)-(社会保険料)-(所得税・住民税)
自営業の場合:可処分所得=(事業収入)-(社会保険料)-(所得税・住民税)-(必要経費)
支出
一般に家計費では、支出を「固定費」と「変動費」に分けて考えます。支出項目の分類は、およそ以下の通りです。
<固定費>
- 住居費:住宅ローン、家賃・共益費など
- 水道光熱費:水道代、電気代、ガス代など
- 情報通信費:電話料金(固定・携帯)、プロバイダ料金、新聞代、郵便料金など
- 自動車関連費:ガソリン代、駐車場代、ローン、任意保険など
- 教育費:学費、教材費、給食費、学習塾・習い事の月謝、書籍代、セミナー費など
- 保険料:生命保険、医療保険、学資保険、個人年金保険など
<変動費>
- 食費:食材費、外食費など
- 被服・理美容費:洋服代、クリーニング代、理・美容院代・化粧品代など
- 日用品費:生活用品代、オムツ代など
- 交通費:公共交通機関の運賃、タクシー代など(※定期代は固定費)
- 医療費:治療費、薬代など
- 交際費:会社の歓送迎会、お中元・お歳暮代、冠婚葬祭費など
- 趣味娯楽費:レジャー費、マンガ・ゲーム・おもちゃ代、嗜好品代(煙草・酒など)など
- 小遣い:夫・妻・子供の自由に使えるお金
支出の優先度とバランスをチェック
理想的な支出割合と実際の支出額を比較してみることは、家計のむだを見つけるのに役立ちます。とはいえ、理想の支出割合はあくまで参考のための目安。自分の家庭の状況に合わせて、加減することが必要となります。
ファイナンシャルプランナー大竹のり子氏は、「自分の家庭の優先順位」をはっきりさせることを勧めています。それぞれの家庭の価値観や子供の年齢などのライフイベントによって、支出項目の優先順位を決めます。優先順位と支出のバランスの悪いところが、見直すべき家計の無駄です。
他人と自分の価値観は違って当然。それにもかかわらず、他人基準で家計を組み立てているようでは、永遠にゆとりは生まれず、ずっとお金の不安を持ち続けたままにもなりかねません。それは年収が高くなっても同じだということを理解しておきましょう。
(引用元:【FP伝授】理想の家計の割合 貯金上手は価値基準でメリハリ 貯金美人になれるお金の習慣|FPwoman)
参考
FPが理想的な家計を解説!手取りに対する支出の割合を家族構成別にご紹介 | マネタス
公平なお小遣い額を決めるためのポイント
我が家の妥当なお小遣い額が見えてきたら、次なるステップは夫婦の間の公平感ではないでしょうか。お互いに納得できる額を決めるために、押さえておきたいポイントをまとめます。
夫婦の財布はひとつにするのがベター
シングルインカムの家庭では、家計の収支は比較的つかみやすいもの。共働き家庭の場合、収入が2人分で家計に余裕が生まれるというメリットがある反面、全体のお金の流れが不明瞭になりがちです。
それぞれの支出はそれぞれの収入から、という家庭も多いでしょうが、結婚してひとつの世帯になれば、共通の支出や家族全体に関わる支出が生じます。情報共有し、一緒に家計プランを組んだ方が合理的です。
「お小遣い」とはどんな支出かはっきりさせる
お小遣いとは、生活費とは別に個々人が自由に使えるお金のことです。普段「お小遣い」として支出しているお金には、本来別の支出に分類されるべき使途のものが少なくありません。
例えば、お小遣いから支出されることの多い昼食代や床屋・美容院代・化粧品代は、生活費の中の「食費」や「被服・理美容費」に当たります。飲み会の出費なども、会社の歓送迎会など半ば義務のようなものは「交際費」、個人の付き合いで出かけるものは「小遣い」に分類されます。
生活費とお小遣いが混ざってしまうと、夫婦間で不満が生じやすくなります。お小遣いとして支出すべき使途をはっきりさせて、他の支出から切り離しましょう。
目標や使い道のルールを共有する
「お小遣いとして支出すべき使途」がはっきりしたら、そのルールは夫婦共通のものとしましょう。一方はお小遣いからの支出で家計管理を担う方は生活費からの支出だったり、お小遣いに昼食代が含まれている方といない方があったりすると、お小遣いの額面と実際の支出感覚にすれ違いが生じ、不公平感のもととなってしまいます。
また、どれだけ貯蓄に回したいか、それをどんなタイミングで使うかなど夫婦の認識にへだたりがあれば、これもお小遣い額に対する不満につながってしまうでしょう。貯蓄目標や大きな出費の生じる時期なども、共有しておきましょう。
参考
収入の1割めど 夫婦「小遣い制」でお金ためるコツ マネー研究所|NIKKEI STYLE
夫婦円満にお小遣いを決めるには?FPとはじめる賢い生き方|All About
まとめ
お小遣いの額をどう決めるか、それはいわば家族の間での利己と利他のせめぎ合いのようなもの。公平感と納得感を持って決めるポイントは、家計に対する当事者意識と情報共有、話し合いにあるのではないでしょうか。子供を含めた家族みんなで、家庭の財政検討会議を開いてみてもいいのかもしれません。