夏休みの宿題になることも多い「平和作文」。「考えたこともない、分からない」というリアクションの子供もいるでしょう。本記事では、漠然として自分の身に置き換えて考えるのが難しい「平和」を作文に落とし込むためのコツを紹介します。
もくじ
どんな作文でも使える、書き方のコツ
コンテスト形式で行われる作文募集の題材は、どれも子供にとってやや難しいものです。身近な戦争体験者が少なくなっている現代では、平和作文に何を書けば良いのか悩む子供も多いでしょう。そういうときには、まず作文の構成について考えてみましょう。
全体を大きく4つか3つに分ける
分かりやすい文章を書くコツはいくつかありますが、その中の一つに構成を練ることがあります。日本語の文章では、全体を4つに分ける「起承転結」もしくは3つに分ける「序破急」がよく使われます。
起承転結は一つのエピソードから話題を膨らませていく方法です。
- 起:書き出しのエピソード
- 承:起に関係する新しいエピソード
- 転:「しかし」「ところが」などで話題を変える
- 結:全体をまとめる締めの文章
平和作文であれば「起」に平和に関する小ネタを持ってきて、そこから書き手の考えを膨らませていきます。「起承」に使うエピソードを二つ、「転」に使う自分の意見や第三者の反論などを用意すれば書く準備は完了です。
起承転結以外に使いやすい構成は全体を3つに分ける「序破急」です。序破急は広告など、手短に主張を伝える際によく使われます。
- 序:明日は大事なテストがあるのにお腹が痛くなりそう
- 破:水なしで飲める下痢止めがあるよ!
- 急:心強い!
見ての通り非常にシンプルな構成ですので、どうしても伝えたい内容が一つだけある場合や主張の強い文章を書きたい場合に使うと良いでしょう。
何か一つのエピソードを中心に据える
子供の場合、常にどうしても主張したい意見を持っているとは限りません。むしろ「作文を書いてください」と言われてから、手探りで考える子供の方が多いのではないでしょうか。
そういうときは、まずエピソード探しからやってみましょう。「これをきっかけに平和について考えました」「調べていて心に残ったのでみんなに紹介したいと思いました」といったエピソードはあったでしょうか。
「調べてみたらおもしろかったけれど何か一つに絞って書くのは難しい」「新鮮味のある話題が出せない」という人もいるかもしれません。そのような場合は、再度構成に立ち戻って考えてみましょう。ここでは作文に当てはめやすい起承転結を使ってみます。
起承転結の構成を使うときは「当たり前のこと」を「転」に持ってくると良いという人もいます。平和作文でいえば「どうして平和は大切なのか」という子供の素朴な疑問や「みんなで頑張って戦争をなくそう」という主張など、大人にしてみれば「そんなの当たり前じゃないか、もう答えは出ている」という内容です。起承転結に当てはめてみましょう。
- 起:エピソード1
- 承:エピソード2
- 転:しかし世界から戦争はなくならない
- 結:全体をまとめる締めの文章
こうすると「起承」や「結」に入れると収まりが良くなりそうな内容が見えてこないでしょうか。すぐにエピソードが見つからない場合はこのような方法を取ってみてください。