運動会は学校生活のメインイベントと言っても良いでしょう。祖父母が来て一緒に観戦するというご家庭もあるかと思います。その運動会ですが、いつ始まったかは知っていますか。実は最初の運動会が開かれたのは戦前のことと言われています。運動会の歴史を紐解いてみましょう。
日本初の運動会はいつ?
日本で最初の運動会は、明治7(1874)年2月、東京・築地の海軍兵学寮で行われた「競闘遊戯会(きそいあそび)」だと言われています。(出展:『図説明治事物起源事典』)その当時はまだ運動会とは言っておらず、「競闘遊戯会(きそいあそび)」と言っていました。また、この運動会は子供に向けたものではなく、軍人向けのものでした。当時、海軍の幹部を育てるための学校であった海軍兵学校はイギリス海軍式教育を導入しており、その指導をしていたのが、外国人講師のアーチボルド・ルシアス・ダグラス氏でした。イギリス出身のダグラス氏の(イギリスで行われている)アスレチック・スポーツをしたいという願いから運動会が開催されたのです。その後、1984年には「体操伝習所」(体育教師のための学校)で「東京体育会」が開かれました。そして師範学校、中学校、小学校へと広がっていくのです。
運動会の種目は?
当日は兵学寮の寮生含め約200人が参加したと言われており、とても盛況だったようです。大人の体力比べで始まった運動会ですが、後に学校教育として用いられる様になってきます。下記は当時開催された競技種目です。競技には賞品も出たそうです。このなかには、現在でも人気の競技種目もあります。プログラムの最後は「豚追い競争」だったのですが、非常に盛り上がったそうです。これは子豚の体に油を塗ってぬるぬるしたところを捕まえる競技で、なかなかつかまらなかったようですが、ようやく1人の生徒が捕まえることに成功したという逸話が残っています。
【開催された種目】
・徒競走
・障害物競争
・幅跳び
・高跳び
・玉投げ
・負ぶい競走
・二人三脚
・競歩
・目隠し競争
・三段跳び
・豚追い競争
・卵拾い競争
・水桶運び競争