第1子が中学受験をする場合はどのくらいの年収が必要?
では第1子が中学受験をする場合は、どのくらいの世帯年収が必要なのでしょうか。計算する上で、いくつか条件を絞ります。
【計算上の仮定条件】
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ただし、下記数値はあくまでも目安です。実際の家計負担状況は家庭ごとに異なることをご理解ください。
子供が1人の場合
40代の両親と子供1人の3人家族の場合を考えてみましょう。世帯年収概算は次のような計算式で求めます。
【子供が1人の場合の世帯年収概算の求め方】
世帯年収概算=学費概算÷9.2% |
9.2%はあくまでも平均的消費支出割合なので、実際とは乖離があるでしょうが、概算値を求めるのには適しています。仮定条件と計算式をもとに、子供が1人の場合世帯年収概算をまとめたのが次の表になります。
【子供が1人の場合の学費概算と世帯年収概算】
第1子の学年 | 学費概算 | 世帯年収概算 |
小学4年生 | 66万~98万円 | 717万~1,065万円 |
小学5年生 | 79万~111万円 | 859万~1,207万円 |
小学6年生 | 111万~150万円 | 1,207万~1,630万円 |
私立中学1年生 | 157万円 | 1,707万円 |
私立中学2年生 | 116万円 | 1,261万円 |
私立中学3年生 | 125万円 | 1,359万円 |
私立高校1年生 | 128万円 | 1,391万円 |
私立高校2年生 | 98万円 | 1,065万円 |
私立高校3年生 | 86万円 | 935万円 |
子供1人を私立中高一貫校に通わせるために必要な世帯年収概算の最低値の平均は1,167万円です。
子供が2人の場合
40代の両親と子供2人の4人家族の場合を考えてみましょう。世帯年収概算は次のような計算式で求めます。
【子供が2人の場合の世帯年収概算の求め方】
(最低値)世帯年収概算=第1子学費概算÷9.2%+第2子学費概算
(最高値)世帯年収概算=(第1子学費概算+第2子学費概算)÷9.2% |
子供が1人増えればそれだけ生活費の支出は増えます。そこで、子供1人のときと変わらない支出額を保つ努力をする場合の最低世帯年収概算と、余裕を持って生活を送れる最高世帯年収概算を求めます。
【子供が2人の場合の学費概算と世帯年収概算】
第1子の学年と学費概算 | 第2子の学年と学費概算 | 世帯年収概算 |
小学4年生
66万~98万円 |
小学2年生
27万円 |
744万~1,359万円 |
小学5年生
79万~111万円 |
小学3年生
29万円 |
888万~1,522万円 |
小学6年生
111万~150万円 |
小学4年生
66万~98万円 |
1,273万~2,696万円 |
私立中学1年生
157万円 |
小学5年生
79万~111万円 |
1,786万~2,913万円 |
私立中学2年生
116万円 |
小学6年生
111万~150万円 |
1,372万~2,891万円 |
私立中学3年生
125万円 |
私立中学1年生
157万円 |
1,516万~3,065万円 |
私立高校1年生
128万円 |
私立中学2年生
116万円 |
1,507万~2,652万円 |
私立高校2年生
98万円 |
私立中学3年生
125万円 |
1,190万~2,424万円 |
私立高校3年生
86万円 |
私立高校1年生
128万円 |
1,063万~2,326万円 |
子供2人を私立中高一貫校に通わせるために必要な世帯年収概算の最低値の平均は1,260万円です。
子供が3人の場合
40代の両親と子供3人の5人家族の場合を考えてみましょう。世帯年収概算は次のような計算式で求めます。
【子供が3人の場合の世帯年収概算の求め方】
(最低値)世帯年収概算=第1子学費概算÷9.2%+第2子学費概算+第3子学費概算
(最高値)世帯年収概算=(第1子学費概算+第2子学費概算+第3子学費概算)÷9.2% |
子供が2人の場合と同様に、世帯年収概算の最低値と最高値を求めてみましょう。
【子供が3人の場合の学費概算と世帯年収概算】
第1子の学年と学費概算 | 第2子の学年と学費概算 | 第3子の学年と学費概算 | 世帯年収概算 |
小学4年生
66万~98万円 |
小学2年生
27万円 |
幼稚園年長
0万~22万円 |
744万~1,598万円 |
小学5年生
79万~111万円 |
小学3年生
29万円 |
小学1年生
34万円 |
922万~1,891万円 |
小学6年生
111万~150万円 |
小学4年生
66万~98万円 |
小学2年生
27万円 |
1,300万~2,989万円 |
私立中学1年生
157万円 |
小学5年生
79万~111万円 |
小学3年生
29万円 |
1,815万~3,228万円 |
私立中学2年生
116万円 |
小学6年生
111万~150万円 |
小学4年生
66万~98万円 |
1,438万~3,957万円 |
私立中学3年生
125万円 |
私立中学1年生
157万円 |
小学5年生
79万~111万円 |
1,595万~4,272万円 |
私立高校1年生
128万円 |
私立中学2年生
116万円 |
小学6年生
111万~150万円 |
1,618万~4,283万円 |
私立高校2年生
98万円 |
私立中学3年生
125万円 |
私立中学1年生
157万円 |
1,347万~4,130万円 |
私立高校3年生
86万円 |
私立高校1年生
128万円 |
私立中学2年生
116万円 |
1,179万~3,587万円 |
子供3人を私立中高一貫校に通わせるために必要な世帯年収概算の最低値の平均は1,329万円です。
世帯年収が少ない場合でも私立中高一貫校に通える支援制度
40代のファミリー層の平均年収が約740万円である中で、中学受験をする家庭は1,000万円を超える収入を得ている必要があることが分かりました。しかし、実際には1,000万円を超えていない家庭であっても私立中高一貫校に子供を通わせるご家庭もあります。
教育・中学受験情報を取り扱うエデュナビのアンケート調査の結果、中学受験を目指すご家庭のうち、世帯年収が1,000万円以下のご家庭は44.2%もいらっしゃることが分かりました。そのため、世帯年収が1,000万円ないと中学受験が無理というわけではないことが分かります。
世帯年収は少ないけれど、周囲の助けを借りずに子供を私立中高一貫校に通わせたい方のために、学費支援制度をご紹介しましょう。
参考
中学受験、世帯年収いくらで私立中高一貫校は可能なの?(2019.9.2)|エデュナビ
学校の特待生や奨学金制度
私立中学校にはそれぞれ特待生制度や奨学金制度が用意されています。支援を受けられる対象や支援額、支援条件、選抜方法は各学校により異なりますので、志望される学校情報をご確認ください。下記参考は、学費支援制度を行う学校の一部をご紹介しています。ご覧いただき志望校選びのご参考になさってください。
参考
私立高等学校の授業料実質無償化制度
国は、世帯年収約910万円未満の家庭の高等学校に通う子供を対象に、高等学校等就学支援金を支給しています。この場合、高等学校の運営が国公私であることは問われていません。
参考
しかし、国の支給額より学費が高い学校もありますので、それを補うために実施されるのが各自治体の私立高校授業料の実質無償化制度です。国とは異なり、自治体の財源によって助成額が異なりますので、お住まいの地域の自治体にお問い合わせの上ご確認されることをおすすめします。
下記参考では、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県で助成の内容を比較していますので、お住まいの方は参考にしてみてください。
参考
私立高校の授業料実質無償化で受験は変わる?【2019年度版】(2019.6.7)|エデュナビ
2020年4月からの「私立高等学校の授業料の実質無償化」リーフレット(令和元年5月)|文部科学省
まとめ
学費支援制度を使えば、私立中高一貫校に子供を通わせることはできますが「受験貧乏」に陥る可能性は高いのが現状です。学校に通うには学費以外の教育費や生活費、交通費がかかりますので、経済的負担は当記事でご紹介した以上にかかると考えてください。
私立中高一貫校は教育環境や学習カリキュラムがしっかり整っているため、子供を社会で活躍できる人材に育てるのに適していますが、家庭環境が貧困に陥ることは決して子供の幸せにはならないかもしれません。人生の選択を行う前に、しっかりとご家族で相談しましょう。
参考
中学受験にかかるお金はどのくらい?(2017.4.14)|エデュナビ
東京都内の私立中学の平均年収が凄すぎー1000万円は厳しい!?|NAVERまとめ
どのくらい収入があったら、中学受験を考えられますか?(2019.1.27)|ウィメンズパーク
年収600万では中学受験は無理?!中学受験お金の現実(2019.6.5)|たまひよ
【中学受験】世帯年収600万からの中学受験攻略(2018.9.10)|星一徹式ゲリラ中学受験
子どもを中学受験させる家庭の世帯年収はどのくらい?(2018.4.6)|かしこい塾の使い方
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