我が子の作文力をアップするために親ができること
塾で作文講座を受けていても、合格できる作文を書くためには家庭での自主練習が必要です。では、我が子の作文力を上げるために、親が家庭でできることをご紹介します。
客観的に検証し、1点単位で採点する
作文問題は正答が一つではないため、添削するのが難しく、せっかく解いても採点しないままになってしまうことがあります。それでは子供が作文練習を頑張っても、弱点を見つけ出すことができないため、今後の学習目標を決めることができません。
そこで、親御さんが客観的に検証し1点単位で採点するのがおすすめです。都内大手進学塾の講師として多くの生徒を合格へ導いた人気講師ケイティさんの採点方法を参考に下記表でまとめました。
【ケイティ式作文問題採点方法】
内容 | 加点(プラス) | 減点(マイナス) |
表現に違和感がない
|
+7割 | - |
3部構成がまとまっている | +1割 | - |
出題意図に沿っている | +2割 | - |
問題条件を満たしていない | - | 1条件につき-10点 |
原稿用紙の適切な使い方を守っていない | - | 1か所につき-3点 |
誤字・脱字がある | - | 1か所につき-1点 |
参考
家庭学習が合格のカギ!適性検査を添削するコツ(2018.12.25)|適性検査 徹底攻略ブログ
適性検査は「加点した後、減点する方法」で採点しましょう。100%正確に採点しなくてもいいので、練習問題の数を多くこなし親子で振り返ることが大切です。ただし、減点ははっきりと間違いが分かるため、1点単位でしっかり引きましょう。1点単位で採点すると試験を受けているという意識を育むことができるため、緊張感をもって問題に取り組めます。
日常会話で意見や理由を求める
作文力を上げるために家庭内の日常会話のレベルを上げてみましょう。
例えば学校で起きたことを親御さんに話すときに、その場にいなかった親御さんが状況を理解できるような説明を求めたり、それにより自分の感情がどう動いたのかを聞くといいでしょう。このときに大切なのは、親御さんの子供の思考を導く質問の工夫です。子供が話している途中で抜け落ちていることを拾って質問し、説明途中で情報を整理するような相槌をところどころに入れましょう。
また、ニュースや新聞から世の中で起きていることを正しく理解できるように、親御さんがかみ砕いて説明し、それについての子供の意見を求めるのもいいでしょう。このとき親御さんが意見のアドバイスをするのもおすすめです。子供は経験値が少ないため、さまざまな意見を聞くことで徐々に自分の納得のいく根拠を作り上げていくことができます。
良作を選別し、文章の書き方に興味をもたせる
文章で相手を納得させるためには、正しい言葉や表現を使いこなす必要があります。使える言葉を増やすには、多くの本を読むことが大切です。そして得た表現をまねして作文に使ってみましょう。
プロの作家が書いた本の中には、美しく優れた文章が多く含まれています。良作をたくさん読むことで、一つのことを伝えるのにも多彩な表現方法があることを学ぶことができます。また、文章の持つ魅力を知ることができれば、文章を書くことへの抵抗もなくなります。
そこで親御さんは、お子さんの興味のある分野から良作を選んであげましょう。分厚い本や古典作品を選ぶ必要はありません。読書習慣を身につけるためには、お子さんが楽しんで読書することが大切です。
過去問や練習問題をたくさん解けるよう準備する
公立中高一貫校の出題傾向を捉えるために、過去問題集を繰り返し解きましょう。過去問というと最初から合格点を取りたいと思うかもしれませんが、最初はとにかく解くということが大切です。
そして、解答を見て真似して作文を一度書いてみましょう。自分の解答との違いを浮き彫りにすることができます。その後、問題の出題意図が理解できたら、繰り返し解いて徐々に解き方を体に染み込ませていきましょう。
作文力を磨く通信教育や通塾もおすすめ
我が子の作文力をアップするためには、親御さんがご家庭で採点するといいのですが、合格する採点方法が分からないと悩む親御さんもいらっしゃるでしょう。塾に通っている場合であっても、過去問演習は家庭任せである場合が多く見られます。
家庭での作文採点ができない場合は、公立中高一貫校の作文対策を行う通信教育講座に申し込んでみるのもいいでしょう。
【作文講座のある通信教育】
また、実際に講師に作文を習いたい場合は、対面式の作文教室に通ってみましょう。下記は一部例で、お住まいの地域ごとに教室がありますので調べて体験教室に参加するのがおすすめです。
【作文教室の一例】
まとめ
公立中高一貫校の作文対策は、親子で取り組むことが非常に大切です。良作から文章をまねすることと同じように、子供は親御さんとの会話から自らの主張を組み立てるヒントを得ます。
忙しく子供にかかりきりになれない親御さんも多いかと思いますが、お子さんと話すときにはいったん仕事や家事の手を止めて、集中して最後まで聞き、質問をするよう心がけましょう。
参考
【公立中高一貫校】合格する子に共通する5つの能力(2019.2.3)|適性検査 徹底攻略ブログ