【2020年新制度スタート】私立高校の授業料無償化とは? ( 2 )

私立高校の授業料無償化に伴うメリット

私立高校も授業料が無償化になるメリットは以下の3つです。

家庭の経済的負担が軽減される

私立高校は、国公立の高校よりも年間に支払う額が高く、多かれ少なかれ教育費を圧迫するのは、言うまでもありません。

前述の条件を満たした世帯に対し、一人当たりの年間の授業料が支給されます。このような制度のおかげで、家庭の経済的負担が軽減されるのは、「何かと助かる」という声も挙がっています。

我が子が高校へ通っている途中で、何らかの理由で親が働けなくなった場合もこの制度によって、安心して我が子を高校卒業まで通わせることができます。

高校と大学の選択肢が広がる

これまで「うちの親の収入が低いから、行きたい高校を諦めた……」という生徒も授業料無償化の対象となれば、家計のことをあまり気にせず、私立・国公立関係なく自分が行きたいと思う学校を選べるようになります。

特にスポーツの強豪校などの何らかの活動や取り組みに強化した高校へ「行きたい!」という意識が高い生徒には、私立高校の授業料無償化の制度によって自分の「強み」を活かせ、活躍できる場を広げられます。

成績優秀者が平等に質の良い授業を受けられる

中学で学年およびクラスで成績が優秀という生徒でも、家計の事情で「公立しか選べない」というケースもあります。

そんな伸びしろのある生徒も、平等に授業料無償の恩恵を受けられ、自分の学力レベルと適性にマッチした私立高校に入りやすくなります。加えて、質の高い授業を受けられるので、大学受験などのといったモチベーションアップへとつながるのは言うまでもありません。

私立高校の授業料無償化に伴う問題とは?

私立高校の授業料が無償化されるのは、前述の通りメリットもありますが、その一方でリスクが生まれてしまう可能性もあります。

親が働けるのに収入制限をする?

子供を私立高校へ通わせている人の中には、ある程度の収入があるため、授業料無償化の手続きをせず、学費のために日々一生懸命働いている人も多くいます。私立高校の授業料が無償化の制限が拡充され、かつ無償化の生徒が身近に増えることで、「自分が働いていることが損ではないか……」と「働き損」を感じるようになるかもしれません。

そのような中で、今までバリバリ働いていた人が、授業料無償化の適用を考えて、意図的に仕事をセーブしたり、退職したりするという人もいるかもしれません。

離婚率が高くなる?

私立高校の授業料無償化は、主に世帯の年収で適用されるか否かで制度が利用できます。共働きの場合であれば、夫と妻の合算した年収を適用。今後の授業料無償化の拡充で生じる問題が、共働き世帯の偽装離婚の増加と言われています。ダブルインカムだと授業料が無償化の適用を受けられませんが、いったん偽装離婚し、我が子を年収760万円未満の片方の親の戸籍に入れることで無償化の適用を受けようとするパターンもあり得るかもしれません。

正規に授業料を払っている層から反感を買う?

個人情報の兼ね合いもあるので、学校側は誰が授業料無償化の適用になっているかということは、公表していません。ただし、授業料無償対象の生徒が同級生に「うちの親が、授業料無償の書類を書いていた」などとうっかり発言してしまうと、その情報がほかの人たちに拡散されることも。「親の給与が安いくせいに私立に行くなんて……」などと思う人も少なからずいます。このような場合、授業料を正規に払っている層から、反感を買ってしまうというリスクも潜んでいます。

私立高校の授業料無償化の注意点

文部科学省が管轄している「高等学校等就学支援金制度」は、あくまでも高校の授業料としての支給であり、学校の施設維持費・修学旅行費・学用品費といった授業料以外の費目は、対象外となります。

私立高校の場合、高校のパンフレットや公式ホームページなどに年間に納入する学費の内訳(授業料・施設維持費・教材費・実習費など)を掲載しているので、チェックしておきましょう。

そして、高等学校等就学支援金制度を申請したら早いタイミングで「無償」対象となるという解釈をしている保護者の方も少なからずいますが、初年度(=入学した年度)は国や自治体が具体的な金額を出してから提示するため、受給までに時間を要します。

そのため、保護者は、授業料を立て替えることになるので、入学時に年間の授業料に相当するお金を用意しておきましょう。

まとめ

私立高校の授業料無償化は、文部科学省が管轄している制度であり、2010年に施行しました。どの生徒も保護者の年収に関係なく、平等に質の良い教育が受けられることを目的としています。2020年度には、世帯年収590万円未満の世帯に対し、上限額の引き上げが決定。年間の私立高校授業料に相当する年間の授業料が無償となります。それによって、生徒の高校の選択肢がますます広がることが予想されます。申請については、毎年行う流れとなり、マイナンバーがわかる書類の用意する運びとなります。

今後の私立高校の授業料無償化に関する情報に変更があるかもしれませんので、こまめに最新情報をチェックしていきましょう。

参考

油断禁物…高校授業料無償化でも必要な費用を算出してみた|日刊ゲンダイDIGITAL

「高校無償化」の意義|参議院

高校生等への修学支援リーフレット – 1418201_2_1.pdf|文部科学省

【教育動向】高校授業料の無償化、所得制限3年目の状況は?(1/2ページ)|産経ニュース

「高等教育無償化の課題」(時論公論)|時論公論|解説アーカイブス|NHK 解説委員室

この記事をかいた人

オダルミコ

オダルミコ

都内在住のライター。子育て・教育・ライフスタイル・働き方を中心に心をこめて執筆をしています。ライティングを通して、知識が増え、視野が広がることに生きがいを感じています。プライベートではティーンエイジャーの娘と息子の母です。