大学無償化制度を在学生が利用するには?【対象・内容・手続き方法】

2020年4月から、大学の無償化制度がスタートします。新入生だけでなく在学生も制度を利用することができますが、支援対象となるための要件や支援の内容、手続き方法には異なる部分があり、注意が必要です。制度利用を検討する在学生のために、押さえておきたいポイントをまとめました。

大学無償化=高等教育の修学支援新制度がスタート

制度の二本柱は「授業料等の減免」と「給付型奨学金」

2020年4月1日から、高等教育の就学支援新制度、いわゆる大学の無償化がスタートします。支援の内容は次の2つ。高校を卒業して大学に入学する新入生、すでに大学に在籍している在学生のどちらも受けることができます。

<支援内容>

  1. 授業料・入学金の免除または減額
  2. 給付型奨学金の支給

国公立大学・短大、高専は全てが対象校に

支援対象となる学校は、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の4種類。対象校となるためには学校の教育体制や財務状況などについていくつか要件があり、審査を通った対象校が2019年9月に発表されました。2020年度の対象校リストは以下から確認できます。

支援対象校の大学・短大・高専・専門学校はこちらです!-高等教育の修学支援新制度|文部科学省

国公立大学・短大、高専は全てが対象。私立大学・短大は96.5%に当たる857校が、専門学校は62.2%に当たる1,689校が対象です。次年度以降も、対象校は増えていくと見込まれます。

参考

学びたい気持ちを応援します-高等教育の修学支援新制度|文部科学省

高等教育無償化の対象校が決定、11月から在学生の申請対応へ | Between情報サイト

支援を受けるための要件は?

学生が支援を受ける際の要件には、世帯の家計と学生本人の学力の2つがあります。

要件①:世帯の収入

支援対象となる学生は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生です。世帯年収の目安を以下に示します。

支援対象 年収の目安 支援額
住民税非課税世帯の学生 ~約270万円 満額
住民税非課税世帯に準ずる

世帯の学生

~約300万円 満額の2/3
~約380万円 満額の1/3

上記の年収目安は、両親・本人(18歳)・中学生(15歳)の4人世帯の場合の例です。基準を満たす世帯年収は、本人の年齢や家族構成などによって異なります。支援の対象になるか、どのくらいの支援が受けられるかは、日本学生支援機構のホームページ「進学資金シミュレーター」でおおまかに調べることができますから、確認してみましょう。

要件②:学生の意欲や成績など

学費減免や給付奨学金などの支援は、学生が学校でしっかりと学び、社会で活躍することをサポートするのが目的です。そのため、進路意識や学習意欲、学修状況を見極めた上で支援するか決定されます。在学生の場合、学業成績などが以下のいずれかに該当することを要件とします。

  1. GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属すること
  2. 修得した単位数が標準単位数以上であり、かつ、将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書により確認できること

支援の打ち切りや返還が求められることもある

支援制度の主旨から、学修の状況については在学中を通じて一定の要件が課されます。この要件に満たない場合、支援の打ち切りや返還が求められることもあります。また、学業成績が以下の「廃止」に該当する場合は、支援の申し込みをしても採用されません。

廃止(支援の打ち切り)

下記の1~5に該当した場合、支援は打ち切られます。

  1. 退学・停学(無期限又は3ヶ月以上)の処分を受けた場合
  2. 修業年限で卒業又は修了できないことが確定した場合
  3. 修得した単位数(単位制によらない専門学校にあっては、履修科目の単位時間数)の合計数が標準単位数の5割以下である場合

(※標準単位数=卒業に必要な単位数÷修業年限×申込者の在学年数)

  1. 履修科目の授業への出席率が5割以下であるなど、学修意欲が著しく低い状況にあると認められる場合
  2. 連続して「警告」を受けた場合

警告

次のいずれかに該当する場合、支援は継続されますが、学業成績の向上に努力するよう指導する「警告」を受けることになります。

  1. 修得した単位数の合計数が標準単位数の6割以下である場合(「廃止」区分の2に該当するものを除く)
  2. GPA等が学部等における下位4分の1の範囲に属する場合
  3. 履修科目の授業への出席率が8割以下であるなど、学修意欲が低い状況にあると認められる場合(「廃止」の区分の3に該当するものを除く)

返還が求められる場合

次に該当する場合には、支援を打ち切った上で、奨学金の返還や減免を受けた授業料等の徴収が必要となります。

  1. 学業成績が著しく不良な場合(災害・傷病等のやむを得ない事由がある場合は除く)
  2. 大学等から退学・停学(無期限又は3ヶ月以上)の処分を受けた場合
  3. 虚偽の申請など不正の手段により支援を受けた場合

参考

学びたい気持ちを応援します-高等教育の修学支援新制度|文部科学省

大学等への修学支援の措置に係る学修意欲等の確認の手引き(大学等向け)|文部科学省

【大学生等対象】申込資格・選考基準|JASSO