在学生への支援の内容は?
支援①:承認の翌年度からの授業料減免
在学生が受けられる支援のひとつは、授業料の減免です。大学2年次以降から支援を受ける場合は、入学金の免除や減額は受けられません。また、減免されるのは申し込みが承認された後、次の年度の授業料から。前年度までにすでに支払った入学金や授業料は、減免の対象外です。
支援②:給付型奨学金
在学生が受けられるもうひとつの支援は、給付型奨学金の受給です。給付型奨学金制度は2017年度入学者から導入されましたが、今回の新制度により、対象者の範囲が広がりました。対象者として採用されれば、新年度から奨学金の支給がスタートします。また給付型奨学金の対象者となれば、授業料の減免も受けることができます(申し込みは別途必要です)。
すでに日本学生支援機構の既存の給付型奨学金を受けている学生は、要件によって新しい給付型奨学金奨学金への切り替えが可能です。貸与奨学金を受けている学生も、新しい給付型奨学金奨学金に申し込むことができます。給付型奨学金の受給が決定した場合は、第一種奨学金(無利子)を受けられる上限額が変更になります。
支援の金額
授業料等減免の上限額
授業料等減免の上限額は、次の表の通りです。在校生の場合は、授業料のところを参考にしてください。表は住民税非課税世帯の学生の場合で、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、2/3または1/3の支援額となります。また実際の減免額は学校によって異なります。
<昼間制(年額)>
国公立 | 私立 | |||
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
短期大学 | 約17万円 | 約39万円 | 約25万円 | 約62万円 |
高等専門学校 | 約8万円 | 約23万円 | 約13万円 | 約70万円 |
専門学校 | 約7万円 | 約17万円 | 約16万円 | 約59万円 |
<夜間制(年額)>
国公立 | 私立 | |||
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 約14万円 | 約27万円 | 約14万円 | 約36万円 |
短期大学 | 約8万円 | 約20万円 | 約17万円 | 約36万円 |
専門学校 | 約4万円 | 約8万円 | 約14万円 | 約39万円 |
<通信課程(年額)>
私立 | ||
入学金 | 授業料 | |
大学・短期大学・専門学校 | 約3万円 | 約13万円 |
給付型奨学金の給付額
給付型奨学金の給付月額は、次の表の通りです。表は住民税非課税世帯の学生の場合で、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、2/3または1/3の支援額となります。国公立と私立、自宅生と自宅外生で金額が異なります。また生活保護世帯で自宅から通学する学生、児童養護施設等から通学する学生は、カッコ内の金額が支給されます。
<昼間制・夜間制(月額)>
国公立 | 私立 | |||
自宅生 | 自宅外 | 自宅生 | 自宅外 | |
大学・短期大学・専門学校 | 29,200円
(33,000円) |
66,700円 | 38,300円
(42,500円) |
75,800円 |
高等専門学校 | 17,500円
(25,800円) |
34,200円 | 26,700円
(35,000円) |
43,300円 |
<通信課程>
私立 | ||
自宅生 | 自宅外 | |
大学・短期大学・専門学校 | 51,000円 |
参考
学びたい気持ちを応援します-高等教育の修学支援新制度|文部科学省
支援を受けるための手続きは?
授業料減免はそれぞれの学校へ
授業料の減免は、それぞれ在籍している学校へ申し込みます。審査結果は学校から本人に対して通知されます。申し込み締め切り日は学校によって異なりますので、確認しましょう。
給付型奨学金は学校+日本学生支援機構(JASSO)へ
給付型奨学金は、学校から関係書類をもらった上で、学校と日本学生支援機構(JASSO)の両方で手続きをする必要があります。申し込みは次の手順で行います。
- 申し込み
学校を通じて募集の案内がある。在籍の学校から必要書類を受け取り、申し込み期限までに必要書類を学校に提出、インターネット(スカラネット)でJASSOに申し込み。
- マイナンバーの提出
学校を通さずに、所定の様式によりJASSOへ直接郵送。
- 推薦
学校が申込者の学業成績・学習意欲を確認し、JASSOに推薦を行う。
- 選考結果の通知
学校を通じて選考の結果を通知。採用となった場合、4月または5月から奨学金の支給が始まる。
- 現況届の提出
進級後、通学形態等について「現況届」を提出する。また毎年1回年度末に、学業に関する基準を満たしているか「適格認定」を受けることになる。
2020年4月からの奨学金給付については、2019年12月18日が在学生の申し込み期限でした。今後も継続して募集の案内があるはずですから、申し込みを考える人は案内を見逃さないようにしましょう。
参考
学びたい気持ちを応援します-高等教育の修学支援新制度|文部科学省
まとめ
大学などに進学したものの経済的な負担を感じている在学生とその家庭にとって、無償化制度は助けになる制度です。現在貸与奨学金を借りている学生も、給付型奨学金の支給が受けられれば、現在の生活費不足や将来の不安を軽減することができるでしょう。まずは、支援対象になるのかどうか、対象となる場合どのくらいの支援を受けられるのか、調べるところから始めてみましょう。
参考