結晶性知能を鍛える5つの方法~支え合う2つの知能~ - cocoiro(ココイロ) - Page 2

結晶性知能を鍛える5つの方法

結晶性知能は、学校の勉強や日常生活のさまざまな経験により、自然に積み重ねられていきます。しかし、その豊富さや深度は、心がけ次第で異なってきます。結晶性知能を鍛えるには、学校の勉強以外にどのようなことを心がければよいのでしょうか。

読書で語彙を増やす

最も代表的な結晶性知能は、言語能力です。言語能力は、私たちの日々の活動の源です。私たちは言語を通して思考し、表現し、社会生活を送っています。豊富な語彙力を養えば、それだけ深みのある生活を送ることができます。

言語能力の向上に最も有効なのは、読書です。子供が自分で読書ができるようになるには、周りのサポートが必要です。子供が文字を読めないうちは、読み聞かせをたくさんしてあげましょう。本の世界には、日常の会話では出てこないさまざまな語彙に出会えます。

文字が読めるようになったら、音読をしましょう。目で見た文章を、耳で聞いて確認できる音読は、言葉や文章を意味の切れ目ごとに理解する能力を養います。読み聞かせと音読を十分していれば、年齢相応の読書力は自然と身についていきます。

子供が自分で読書できるようになると、読み聞かせをやめる親も多いですが、文章が読めるようになってもしばらく続けた方がよさそうです。文部科学省の調査によると、小学校高学年まで読み聞かせをしてもらっていた子供の方が、その後も読書をしている確率が高いことが分かっています。

(参照元:平成30年度委託調査「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」報告書概要版|文部科学省,P11)

好奇心を持って新しいことに挑戦する

新しいことに挑戦すると今まで知らなかった世界が見え、知識の幅が広がります。外国語を勉強するのがいい例です。新しい言葉を勉強すると、言語そのものの知識が増えるのは当然のことながら、自分が慣れ親しんだ世界とはまったく別の文化や習慣に触れることができます。

また、同じ境遇に置かれた人でも、心の持ちようで吸収できる内容は大きく変わってきます。進学や就職、転職や転勤など、本人が望むかどうかに関わらず、人生には何度か転機が訪れます。その際、好奇心を持って「せっかくだから」と新しい境遇からなるべく吸収しようとする人と、過去の境遇と比較して現在の境遇を否定する人とでは、吸収できる情報量や経験量が格段に違ってきます。

音楽を習う

欧米の多くの研究者が、楽器の演奏は知能や学習能力を向上させる効果があることを発表しています。絵画などの視覚的芸術や、音楽を聞くだけでは、楽器の演奏を行った場合に見られるような効果は見られません。楽器の演奏は、楽譜を先読みしながら覚え、頭で覚えた内容のとおりに指を動かして楽器を操作します。視覚・聴覚・手指をリンクさせる複雑な行為は、脳細胞を活性化させる効果があります。